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五話 地球の力の秘密へ

前回のあらすじ

ダンジョンの探索のレクチャーを受ける。そこでであった女の子と共に受けたが、モンスターを倒すときの彼女の表情が普通の女の子ではないのをみて、精神への影響が大きいことを改めて感じる。

 「ここが三階層か。結構人がいるんだな。これはモンスターを探すのも一人になるのも一苦労だな。というか一人になれる場所すらないかもな。」



  俺は朝早くに起きて早速ダンジョンに向かった。それでも皆考える事は同じようで、とても多くの人が既にダンジョンにいた。



  三階層は上の階層と同じく洞窟型で変わったところはないが、人やモンスターはやはりいろんな所にいた。



  今日ダンジョンに来たのは戦いを体験するとかそういうのもあるが、一番は自分の力を知ること。すなわち地球の力を。



  だが、おいそれといろんな所で使うわけにはいかない代物であると想像できるし、それこそ人前で使うなどもっての他だ。


  だから、何とかダンジョンの中で探そうと思ったのだが、



  「しょうがない。とにかく人混みを抜けるか。」



  しかし、いくら歩いても人はいる。十分ほど歩いたところで一人になるのを諦めた。とはいっても、やることがないので周りを見渡すと、多くの人が協力してモンスターを倒していた。



  やはり最初は協力して倒すのが鉄則のようだが、俺は今一人。とりあえず一人で戦ってみることにする。



  俺は持ってきていたリュックを地面に下ろして中からナイフを取り出した。


  まぁ、武器はこれしか持ってないわけだからこれでやるしかない。




  「うっし。おっ、いた。」



  誰とも対峙していないネズミを発見した。ダンジョンはリポップとかいって、倒しても倒されたぶんだけ一定時間たつと復活するらしく、人がどれだけいてもモンスターの量は変わらない。


  だから結構簡単に見つかるようになってんだろうな。ダンジョンって頭いいよな~。



  そんなことを考えながら、ソロリソロリとリトルラットに近づく。


  そして首めがけて一気にナイフを振り落とした。


  するとすぐにリトルラットは霧のように消えて、魔石を落とした。



  「こんなに簡単に倒せてしまうんだもんな~。なんだか申し訳ない気分になるな。まぁ俺だけだけどさ。」



  そんなことを呟いて魔石を拾う。



  これがエネルギーに変わるんだから、そりゃ国も動くわな。



  それから一時間ほどリトルラットを探しては倒しを繰り返した。


 






 


  結果からさきに言おう。四階層飛んで五階層にいる。



  理由は簡単で、なんだか申し訳なさが勝ってしまったんだ。ほとんど反撃のできないネズミを延々と狩り続けるのがいやになり、四階層へ向かった。



  そこにはスライムと呼ばれるモンスターがいた。よく実は強いと呼ばれる部類のモンスターだが、この階層のスライムは一切と言っていいほど抵抗せず、核と呼ばれるものが砕けたら散る。ただそれだけ。


  ぶつり攻撃に強いと言っても、ほとんど動きが遅いから一方的も一方的。なんだか殺戮者になった気分だった。






  まぁ、そんなこんなで五階層にやってきたんだけど、ここはここで嫌な階層になりそうだ。なんでかって?



  「ゴブリンか…」



  そう。人型である。声も出す。知らんけど考えることもできるんじゃないだろうか。いや、ほんとに知らんけど。



  他の人達はきっと精神の侵食をうけていて、一切抵抗なく倒せているんだろうけど。俺はお察しの通りそんなものは一切ない。



  そしてゴブリン君たちについて説明しよう。皆さんが知っているゴブリンそのままの想像通りだ。


  ただ、ひとつ違うとするなら、背丈と武器。



  なんとこのダンジョンは良心的なのか。小学校中学年ほどの身長に加え、一切の武器を持たない。ここから進めば、ホブゴブリンやら人型の上位種が出てくるらしいが。



  そのために、一方的になるに加えて、人型という地獄のマッチアップの完成だ。まぁ、俺キラーと言えばいいか。



  迷うなら先にいけと思うかもしれないが、ここで体験しておかなければ、ここから先の上位種との戦いの時絶対に苦労する。だからやらねばならない。




  「すまんっ!」



  俺はゴブリンの後ろから首を一息に掻ききった。一瞬だったので断末魔もなかったし、抵抗もなかった。


  残ったのは足元に魔石と、もうひとつ。


  初ドロップのスクロール。



  スクロールは巻物で、魔法を覚えることができるものだが、レアでなければしょっちゅう落ちるらしく、売っていても千円位だという。ちなみに、迷宮省にスクロールを持っていき調べてもらえば中身がわかるらしい。



  俺は二つを拾い、魔石はリュックに。スクロールを手にした。



 

  「スクロール…か。何が入っているのか。えっとスクロールを開けばいいだけなんだよな。」



  俺がスクロールを開くと、それは光の粒となり消えた。そして、ステータスを開いた。





  鹿取 隆太 (26)レベル1


  攻撃力 34

  防御力 17

  瞬発力 30

  魔攻力 39

  魔防力 28

 


  (スキル)解析(中)

  (称号) なし

  (固有力)精神侵食に対する抵抗

  星の守護力

 


 

  とまぁこうなっていた。



  久しぶりに開いたステータスは全体的に延びていたので、それに関してはなんともない。



  スキルだ。俺は知らないスキルだ。わからん。そのままなのだろうか。




  「調べるか。」



  そして、スマホを取りだし、スキルについて調べた。




  「えっと、レア度は★5あるうちの★3か。ゴブリンからでたならいい方だな。スクロールとしての値段は五万か。まぁ、買えないことはないくらいの値段ってことか。えっと、(中)なら物質の名前やモンスターの名前が分かる…か。うーん。あんまり使い方が分からないな。科学者向きの力か。」




  正直、魔法とかそういうのが欲しかった。今は使いようがないな。それに五万ってまた微妙だな。良ければ自分で買えるらしいしな。



  そうやってスキルについての説明をみていると、また面白いことを知った。



  「ランクがついているスキルは、同じものを10個手に入れればひとつ上のスキルに進化するって、すごいな!!まぁ、これが出たのが奇跡くらいなのに同じのが出るはずないんだけど。とりあえずひとつ上のスキルについて調べるか。」




  解析(大) モンスターのステータス(自分より弱い)

  物を構成する物質

  スキルスクロールの内容(名前)



  解析(超) モンスターのステータス(自分より強い)

  物を構成する物質

  スキルスクロールの内容(能力まで)

  解読(中)



  解析(完) モンスターのステータス(自分より強い)

  物を構成する物質

  スキルスクロールの内容(能力まで)

  解読(大)




  とまぁこうなっていた。そして、一際目を引いたものがあった。それが



  「解読……それは固有力についても分かるのか?」




  そう。俺が知りたいこと。それは固有力はどんな力なのか。メリット、デメリット。それによる被害や効果。何も知らないからだ。



  それに、ダンジョンについてもまた新たに得る情報があるかもしれない。きっと他の人もダンジョンについて解析したことがあると思うが、その人達はダンジョン汚染者。俺がやればまた変わるかもしれない。



 

  「(超)が欲しい。正直(完)も欲しいがそれは現実的ではないな。(中)が五万だから(大)にするには単純計算で45万。そして、(超)にするのに450万。ここが俺が貯められる限界だな。」




  でも、これが絶対に必要になる。この力を知らずに使うのはリスクが大きすぎる。しかし俺の貯金は70万ほどしかない。そして、これから今の仕事をずっと続けながらダンジョンを攻略しても、あと10年はかかるだろう。


 

  やはり仕事はやめるべきか。


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