日陰者
だらだらと「こんな人いそうだなー」と妄想し、私自身の経験をもとに作ってみました。
前置きしておきますが、私も日陰者です。決してパリピではありません。
Aは小説家を目指す20代の若者である。
Aのこれまでは、浮かないものであった。
Aは祖父母の家で育てられた。特別甘やかされたわけではないが、温室育ちといった雰囲気を醸し出す子供だった。
いつも、自分のやりたいことしか考えず、うまくいかないと癇癪を起こしてしまう。そんな性質がAにはあった。
しかし、一方で親と出掛けたときには、静かにしていた。TPOをわきまえている子供でもあった。
そんなAは小学校に入学する。
小学校という場所はAにとっては苦痛であった。クラスという箱に自分の意思とは関係なく詰め込まれる。その上、苦手な体育や図工、休み時間中のおしゃべりによって、よくわからない階級のようなものが生まれる。
その階級において、Aは底辺にいた。
「Aって面白くないし、絵は下手くそだし、何よりスポーツできねえ。つまんねえやつ。」
それがAの評価であった。
なぜ、それだけしか評価軸がないのだろう。
Aには、勉強だけはできた。特に歴史や国語である。
年号は一発で覚えられたし、漢字も得意であった。
しかし、勉強は小学生の間では評価の対象にならない。
結局Aは、がり勉オタクという称号を頂くことになった。
なぜ、オタクなのか。
Aが眼鏡をしていたから。ただ、それだけの理由である。
何かのアニメをすごく見ていた訳でもない。むしろ、そういった何かに固執することはAは苦手だった。
「わかってくれない。」
それが、この時期Aが抱いた他人への感想だった。
「何で誰も本当の僕をみてくれないんだろう。」
そう、悩み続けた。
その答えは、自分をさらけ出してないからなのだが、その頃のAにはそれがわからなかった。
そして中学校に入学する。
読んでいただき、ありがとうございました。
この作品を読んで「おれ以外にも同じような経験したやついるんだな!」と元気に現実へと足を向けてもらえれば幸いです。
生きていれば、何とかなります。