チート・ザ・星の銀貨
むかしむかしある所に、一人の女の子がいました。
この子にはお父さんもお母さんももうおらず、とても貧乏で家も無く、身体に付けた服の他には、一欠けらのパンしか持っていません。
しかし女の子は、とても心の優しくて素直で美少女でした。
女の子はひとりぼっちで野原の上を歩いて行きました。するとそこへ、貧乏そうな男が出て来て女の子に話しかけます。
「ねえ、なにか食べる者を持ってないかい? お腹がすいて死にそうなんだ」
心優しい女の子は、持っていた唯一のパンをその男にあげました。
更に男に向かって祈ります。
「どうぞ、神様のお恵みがありますように」
自分も貧乏でもう食べる物がないと言うのになんて良い子なんでしょう! 美少女ですし、追放された実はチート系主人公とかに拾って貰いたいですね。
また歩いていると、今度は一人の子供が泣きながらやって来て、女の子にこう言います。
「頭が寒くて凍りそうなの、お姉ちゃん、なにか被るものちょうだい」
そこで女の子は被っていた頭巾を脱いでその子供にあげました。
寒いのは女の子も一緒なのに、本当に良い子ですね! 頭巾がとれると綺麗な髪の毛もあらわになって、美少女っぷりがよりよくわかってイイ感じです。
それからまた少し行くと、また別の子供がしゃがみ込んでいました。その子は着物一枚着ておらずに震えています。
そこで女の子は自分の上着を脱いで着せてあげました。
今度は相手は何も言っていないのに自分からあげるなんてどこまで良い子なんでしょう! 上着が無くなる事で上半身はスポーツブラ一つになります。
いいですか皆さん。美少女が、上はスポーツブラだけで、外を、歩いていきます。
それからまた少し歩くと、またまた別の子供がやってきて、女の子に「スカートが欲しい」と言いました。
女の子はそれも脱いでその子にあげます。
まごう事なき良い子ですね! さぁやって参りました! 遂にスカートを脱いだのです! 美少女のパンツです! たっぷり想像しろロリコン共!
そのうち女の子は森に辿りつきました。もう暗くなっていましたが、私もういっちょ一人の子供を派遣しました。
勿論先の四人同様に欲しがるべきものは指定してあります。その子は女の子に下着が欲しいと言いました。
通常ならば流石に下着までは渡さないでしょう。しかし今はもう暗い。女の子よ、とっても心優しい君ならば『真っ暗ならば誰にも見られないし、子供が欲しがっているならあげる事にしましょう』って思うだろう? んん~??
ほら見ろ! 脱いだぞ! げひゃひゃひゃひゃッ! 遂に裸だ! 美少女の裸だ!
何? 暗くて見えない? 安心してくれたまえここまで読んでくれた紳士諸君。漫画の暗闇サービスシーンでも背景をベタ塗りして身体はクッキリ描いてあったりするだろう? 読者視点のカメラは回してある、抜かりはない。
そして何より、諸君らならば心の眼で見えるはずだ! 私と共にこの物語を楽しもうではないかふひゃほほほほほほほ~ぅッ!!
っておや? 女の子の所に何かがバラバラ落ちて来て肝心なところを隠したぞ?
「わあ綺麗ね、お星さまだわ」
ええいそんな物はどうでもいい!
そもそもそれはお星さまではない! 銀貨だ! 取り合えずどけろ!
……お、どけ始めたな。そうそう、物語上は誰も見てないんだからそうやって素直にどけるんだよお~うヘへへへ。
ってアレ? 何でキミいつの間に新しい整った服着てるの? 美少女のサービスシーンは?
え、何? あとは女の子が銀貨を拾い集めて一生豊かに暮らしてハッピーエンド?
ちょっと! それで一体誰が納得すると言うんですか! 私は認めません! この眼に焼き付けこの心に刻み込むまでは!
ん? なにそれは……警察手帳?
い、いや~おまわりさん! お勤めご苦労様です! この物語、最高のハッピーエンドですね! あ、私はそろそろこの辺で、へ、へへへ。
めでたしめでたし