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チート・ザ・昔話  作者: こおり ほのお
チート・ザ・昔話
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チート・ザ・大きなかぶ

 むかしむかしある所に、畑で野菜を育てているおじいさんがいました。

 ある日、今まで見たことがないくらい大きな大きなかぶが畑に出来ました。


「おお! これは立派なかぶだ!」


 大喜びしたおじいさんはさっそくかぶを抜こうとします。


「むおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉッ!!」


 おじいさんの引っ張りにより大地が震動し空が割れた。

 鳥たちは一斉に飛び立ち、街は悲鳴で満ち溢れる。


『ぬぅぅんッ! その程度でこの私を抜けるとでも思ったかああああああぁぁッ!!』


 しかしかぶは抜けません。

 そこにおばあさんがやってきました。


「あらあら大きなかぶですね、私も手伝いますよおじいさん、【超熱融解破(グランドメルトダウン)】ッ!!」


 おばあさんがかぶに手をかざす事で、かぶの周囲の土が音を立てて蒸発していく。

 それによりかぶは露出を大きくし、残った土も豆腐のように柔らかくなった。


『ぐおおおおおぉ! 効かんッ! 効かんぞおおおおぉッ!!』


 それでもかぶは抜けません。

 そこに孫がやってきました。


「おじいちゃん、僕も引っこ抜くの手伝うよ! ……あーもしもし? 俺だ。コードEG-77。やれ!」

 

 孫が電話を一本入れるとビルを倒壊させるような巨大なアームをつけたクレーン車、鉄の縄を括り付けたジェット機、ライフルとサバイバルナイフで武装した迷彩服の屈強な男たちが次々と姿を現した。

 そしてそれらが抜群のコンビネーションを発揮しかぶを引っ張る!


『人間如きがあああああああッ! 私に敵うとでもおもっているのかああああああああッ!!』


 やっぱりかぶは抜けません。

 そこに犬がやってきました。


「おじいさん、俺も手伝いますわん! ちょっと待ってね! ワオーン!」


 犬が遠吠えを鳴らすと、空が暗くなった。

 見上げるとそこにあるモノは都市ほどの大きさがあろう巨大未確認飛行物体UFO。

 おじいさん達の場所からは見えはしないが、そのUFOに窓からは二足歩行でサングラスをした犬人間が、下で吠えた犬に敬礼のポーズを取っている。

 UFOからかぶを中心に照準を合わせた光が放たれた。その光に当たった木々や岩、建築物等は次々と浮かび上がっていきUFOの中に呑みこまれていく。


『ぐぬううううううぅッ! ちょこざいなああああああぁぁぁぁッ!!』


 ここまでしてもかぶは抜けません。

 そこに猫がやってきました。


「おじいさん、あたしもお手伝い致しますにゃあ。【潜在能力大解放ドーピングイビルデッドパワー】ッ!!」


 猫が唱えると、おじいさん、おばあさん、孫、犬、それらが呼び寄せた諸々の身体、あるいはボディから闇色のオーラが迸る。

 それにより全員がそれまでの数倍の力は発揮し、今まで大きくは動くことがなかったかぶが、『ズズズ……』という音と共に少しずつその全貌を現していく。

 全員が力の限りを尽くすこと実に数十分! 

 ────ついには、この巨大なかぶを見事抜き去った!


『残像だ』


 抜けたと思ったら抜けていません。

 そこに鼠がやってきました。


「おじいさん、おいらも手伝いますちゅー」


 おじいさんとおばあさんと孫と犬と猫と鼠とその他諸々は、力を合わせてかぶを抜こうと皆で引っ張ります。


「「「よいしょ、こらしょ、うんしょ、こらしょ、わん! にゃん! ちゅー!」」」


 すっぽーーーーん!

 とうとうかぶは抜けました!


『ウ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ……見事だおじいさん達よ……だが覚えておくがいい……光ある所には必ず闇がある……今回は貴様らの勝ちだが、私の意思を継いだ子孫はいつの日かまた……必ずやこの畑に君臨する事となるだろう……更なる大きさを持ってな……ふははははははは……!』


 それはとっても大きく、とっても美味しいかぶでしたとさ。



 めでたしめでたし


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