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挑戦状 ―― ハルシュ①
昼過ぎにモモの家から帰り、そして、改めて仮想世界へ。
「ぷ。ハルトだ」
目の前に居たヘクトが吹き出し笑顔を見せる。
少し気恥ずかしいが、何はともあれハマルに救いが現れた訳だ。
「本当にやるの?」
「ああ。あの偽物から全てを奪い返す」
「そう。ま、気の済むまで頑張れ。
これ、通信機。
あと、当面の生活費」
「助かる」
まるっきりヒモだな。
しかし、これでスキルを買える。
俺を倒す為に必要な物。
装備とスキル。
結局は、金だ。
さて、レベル上げは何処へ行こうか。
理想はピクシスだが。
「今みんなどこでレベル上げしてるんだろうか」
「盾座とか。たまに美味しいスライムが居るらしいよ」
「そうか。ついでにボストークに武器作って貰うかな」
「その顔で行くの?」
「あれ? 不味い?」
「ううん。多分大笑いすると思う。
じゃ行こうか」
「ああ」
とは言えまずは船旅。
ハマルから、カストルへ。
本来の行き先であった、アルデバランが無い。 ……守れなかったのか。