表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は強くなる。どこまでも。  作者: 11831
プロローグ
8/8

第八話 登校

「うああぁっ!」


俺は飛び起きた。


「…………はあっ、はあっ」


息が苦しい。こんなの初めてだ。


「どうしたのお兄ちゃん?!」


弟が様子を見に来た。


「…ああ、ごめん綾田…」

「どうしたの…?」

「悪夢見てた…それで叫んじゃったみたい…」

「それにしては尋常じゃなかったよ…?

 …病院でも行って来たら?」

「ちょっと考えとく…」


そのまま綾田は自分の部屋に戻っていった。

俺はまだ放心状態だった。


「なんだ今の…」


今見た夢はなんだかすごいリアルだった。

今まででこんな夢見たことない。ほんとに自分が動いていたかのようだ。

まだ胸がどきどきしてる。


「ほんとにちょっと病院にでも行こうかな…」


これはさすがに怖い。これが続くようならちょっと病院行くのも考えよう。


「にしても…」


何だろう今の。なにか、嫌な気分。


その日はそのまま調子が悪かった。

綾田の奴が親に言ったせいでだいぶ心配された。

かと思いきやゲームのやりすぎだのと後半七割はお説教タイムへと変身を遂げた。

いやー、でもそうなのかも。寝てもないしな。

皆さん、ゲームはほどほどに。


その日は早く寝た。ゲームなんてやる気にはならなかった。


***


「おはよ!祐介」

「…おう」


昨日早く寝たおかげで今日は楓と一緒に登校することができた。


「祐介、今日は血色いいわね」

「たくさん寝たし、朝ごはんもばっちし食べてきたんでね」

「なるほど、いつものゾンビみたいな顔じゃないわけね」

「そんなひどい…?」


今日は体調最高だ。昨日の悪夢はこたえたけど、よく寝たおかげで全快だ。


「あぁ…、なんてすがすがしい朝なんだ…」


小鳥のさえずりまで聞こえる…

素晴らしい…


「ふふっ、今日は絶好調みたいね」

「いやもう最高調よ」

「だったらさ…」

「だから学校終わったらどっかいかね?」

「えっ」


楓が驚いた顔をしている。

ふふっ、どうだ。


「…梶たちと一緒にってこと?」

「ううん、二人で」

「…」


めちゃくちゃ驚いてる…

まあそりゃ驚くよね。


「あ、あんたがそんなこと言うなんて…」


それもそのはず、今まで俺が自分から誘うなんてことなかったから。


「俺も成長してるんです」

「じゃ、じゃあそうしましょ」


楓は不意を突かれたからか、すごくテンパってる。

かわいい


「二人で遊ぶなんて久しぶりだよね。」

「確かにそうね…いつ以来かしら」

「うーん…思い出せない」

「…わたしも」


すごいな、二人とも思い出せないくらいなんて相当だぞ…


「いいね、二人で遊ぶの。すごい新鮮な感じ」

「ほんとよね。すごい楽しみ!」


楓があふれんばかりの笑顔を俺に振り向けてくれる。

かわいいなぁ、おい


「どこ行こうかしら…」

「まだ時間はたくさんあるから決めといて」

「祐介は行きたいとこないの?」

「楓が行きたいとこあるんだったらそこ行こう」

「いいの?じゃあねー…」


ホントに楽しそうだ…

そこまでわくわくされるなんて、うれしすぎる。


「おはよー、ゆうさん、楓!」

「おお!おはよ」

「おはよ梶!」


梶が後ろから声をかけてきた。


「なんか二人ともすごい機嫌いいね」

「そーおー?」

「あら、そんな風に見える?」

「うん、なんかすごい幸せオーラを感じる…」


ふむ、なかなか梶もするどいではないか…


「あとゆうさんにいたっては別人みたい」

「俺ってそんな普段顔死んでんの…?」


幸せと悲しさの両方が押し寄せてきた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ