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神様の作り方  作者: 水宮
第4章・悪い子が天使になる時
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16・二人の幸せ




私は江梨花えりか

16歳。高校2年生です。


あれから3年の月日が流れました。

怨呪オドの犠牲になった人々を存在した事実から拾い上げて救った後、私は日本で普通の高校生として暮らしています。


今でも故郷のレムリアが気になるので、あちらの世界を時々覗きに行きます。


3年前、ソロモンを殺した芹歌せりかはそのまま自分の手に持っていた回答報復者フラガラッハで自分の首を刎ねてソロモンの後を追いました。



その1年後、サウス・セリアンスロープ大統領夫人のコーネリアさんは双子の赤ちゃんを産みます。1人は褐色の肌にくるくる巻き毛で青い瞳の可愛い女の子。そしてもう1人は可愛らしい赤ちゃんなのにとても怖いお顔をする男の子。



女の子はコーネリアさんに愛情をいっぱい与えられ、思いやりのある優しい子に育っています。



でも男の子の方は・・・・・・。


双子の女の子と同じくらいコーネリアさんから愛情をもらっているのに優しい子になりません。それどころか、自分のお世話をしてくれている召使さんを高い階段の上から突き落とそうとしたり、重いクリスタルの花瓶を召使さんの頭に落して殺そうとしたりしています。


つい最近は自分を生んだ母親のコーネリアさんまで殺そうとしていましたね。男の子にとって人を罠にかけて殺すのは遊びなのです。本当にやんちゃで困った子です。でも、心配はしていません。


男の子が誰かを罠にかけようとするたびに、双子の女の子が男の子の罠を暴いて殺人を未遂に終わらせているからです。


自分の思い通りにならなくて男の子は不機嫌です。


その不機嫌そうな男の子の側には、いつも幸せそうな笑顔で男の子に抱きつく可愛い女の子が居ます。青い瞳はサファイアよりも深く、褐色の肌は艶やかに、くるくる巻き毛は長く伸びてふわふわの美しい金髪になりました。



ちょっとだけ神力を使って2人に呼びかけてみましょう。


「セリーナ。元気ですか?」




「あい」


姿の見えない私の声に女の子は嬉しそうに笑顔を浮かべながらお返事をしてくれました。次は男の子の番です。


「サイモン。今日こそはお返事できるかな?」



私の声を聞いた男の子は悪い目つきでぎろりと部屋の中を見回しています。側に居たら今にも殺されそうな勢いですね。


あ、目つきの悪いサイモンにセリーナが後ろから抱きついて喜んでいます。サイモンはセリーナに抱きつかれた拍子に絨毯にお顔をぶつけてしまいました。


涙目でセリーナを睨んでいます。

セリーナがサイモンのお顔を優しくなでなでしていますね。


そしてほっぺにちゅっとキスをしました。

まだ2歳なのにおませさんですね。




セリーナがお人形さんで遊んでいると、彼女を亡き者にしようとサイモンが後ろから花瓶を持ち上げてきますが、神の加護があるセリーナは無意識に欠伸をしながら両手を上げて花瓶を持つサイモンのバランスを崩します。


あ、花瓶が自分の頭に当たって凄く痛そう。自業自得ですが可哀想ですね。



自分の後ろで頭を抱えて痛そうにしているサイモンに気づいたセリーナが、心配そうなお顔でサイモンの頭を優しく撫でてあげています。


サイモンが平気だと拙い言葉でセリーナに言うとセリーナは安心してサイモンに抱きつきます。サイモンがまた抱きつかれて倒れ、花瓶に後頭部をぶつけました。とても痛そう。



ごめんなさいと謝るセリーナにサイモンはあきらめた表情をしながら笑いました。サイモンの笑顔を見るのが大好きなセリーナは大喜びではしゃいでいます。


はしゃぐセリーナの見えない所でサイモンが舌打ちしましたね。まだまだ2人の前途は多難ですが、悪い事をしようとすると無意識にセリーナに邪魔をされるサイモンは結果的に普通の男の子です。悪魔の子だとは誰にも気づかれていません。



悪魔のサイモンの側にいるだけで幸せそうなセリーナは、天使のような優しい子に成長しています。


セリーナの愛はサイモンには届かないのかもしれませんが、それでもセリーナは落ち込みません。強い子ですね。


さすがは私の大事な子。

芹歌せりかの生まれ変わりです。



ソロモンの生まれ変わりのサイモンは、セリーナの愛情を相変わらず理解できないようですが、嫌がってはいません。悪い事を邪魔されるたびに瞳を輝かせて更なる悪事を働こうと頑張ります。とても楽しそう。




これも仲が良いというのでしょうか?

喧嘩にならないのだから、仲が悪くなりようがありませんね。


セリーナが側に居ない時こそ悪事を成功させる好機なのに、そういう時に限ってサイモンはつまらなそうなお顔になって何もしません。


セリーナはサイモンの事が好きで仕方ないし、サイモンもセリーナが側に居ないと張り合いがないみたいです。



おかしな関係だけれども、これでも二人は幸せそう。






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