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第一話

こちらの小説の更新速度は遅いと思います。

そして文字抜けと誤字によりいきなり修正です。

 ──季節は5月に入り、やや日差しが強くなってきた。


 俺はダルク王国のヌメシアと云う町に住む一介(いっかい)の町人。


 ヌメシアという町は王都から若干離れているがそのお陰もあり、


 危険地帯から外れおり比較的安全に暮らせる数少ない町の一つだ。


 どう安全かというと近隣に国境地帯も無く、モンスターも弱いものしか居ない上に数が少ないのである。


 野生の動物にしても獰猛(どうもう)な動物も居ないので安全度から見るとこの町はかなり恵まれている。



 ヌメシアの人口や大凡(おおよそ)850人前後だ。


 大きい訳では無いが小さい町と言う訳では無い。


 危険が少なく過ごしやすい土地な為この100年程で200人から850人にまで人口が増えた。


 昔は小さい町だったらしい。


 それが今では宿場も出来、武器防具屋もあり、料理屋や酒場もある。


 そして銀行もあり数年前からは冒険ギルドと狩猟ギルドも出来、更に賑わいを増し始めている。



 そしてその説明をしている俺の仕事は花を()んで来て、花屋に売ることで生計を立てている。


 一日の稼ぎは平均で銀貨8枚、稼ぎの良い日で10枚


 月に一度15枚くらいがある程度。


 稼ぎの悪い日だと2枚や3枚という日もある。

 

 だが稼ぎの悪い日もあるから、一日で全部使っちまう様な事はしない。


 この町の労働者の平均賃金が4枚から5枚だからそれよりは良いと言えるが


 兵士さんに比べたらとても多いとは言えない。


 この町が比較的安全だと言ってもそれは兵士の皆さんが、


 見廻りや町の出入り口を警備してくれているお陰なのだから給金が良くて当たり前だ。


 兵士さんの賃金で一日当たり銀貨38枚あるそうだ。


 装備品の手入れとかの必要経費も給料から(まかな)うから決して高すぎるわけではない。 




 ──仕事中の男。


 今日は野生のやや黒味掛かった赤い薔薇(ばら)以外に、


 僅かに黄味の残った白い薔薇(ばら)を見付けた。


 ラッキーな一日になりそうな予感だ。


 薔薇(ばら)は元から売れ筋商品の一つなのだが、野生の物になると供給(きょうきゅう)より需要(じゅよう)の方が高くなる。


 と云う事はだ、俺が花屋に売る時にも値段は跳ね上がる訳だ。


 そして帰り道に寄り道をした時、白い花らしき物が視界に入った。


 近寄ってみると白のシラーが3株、紫でなく白はこのあたりでは少ないのだ。


 しかも八分咲きときた。


 シラーという花をご存知だろうか?


 星型の小花を数十個付ける花であり楕円形(だえんけい)の小さな(つぼみ)があり


 周りのしかも下の方から咲いてくるので真ん中に(つぼみ)が残っているのだ。


 実は俺はこの花が好きだ、小さなかわいい花が沢山ついてる姿が好きなのだ。


 そもそもこの仕事は花が好きでないと務まらない。


 薔薇(ばら)下の方で切り店に着くまで水分切れを起こさないようにしてやればいいのだが、


 シラーは全部があった方が良いのだ。上手く育ててやれば次の年も花を付けるからな。


 というわけで球根周りを手で丁寧に掘り起こし周りの土とともに布で包み


 きつく縛らないように注意して紐を根元に巻き付け布を固定する。


 シラーが痛まないように、今日は早めに切り上げて花屋に行くとする。



 俺がいつも花を売っているのはこの"ルアナ・フラワー"という店だ。


 名前の通りルアナと云うお姉さんが切り盛りしている。


 名前はルアナ=レイソール、俺より2つ年上でやや茶色味がかったロングヘアーの美人さんだ。


 言っておくが美人さんだからいつも売りに来てるわけじゃない。


 知識が豊富で相場を分かっており適正な値段で買い取ってくれるからこの店で売っている。



「ルアナ姉さん今日は良い物が採れたよ」


 店先で花の手入れをしていたので、いつもの感じで声を掛けた。


「あら今日は何が手に入ったのかしら」


 そういって俺の持つ採集鞄を覗き込む、うーん良い香りだ。


 勘違いするなよ花の香だぞ、ああ花の香だとも。


 決してルアナ姉さんの香りじゃない・・・筈だ。


「白のシラーじゃない良いわね、それに白の薔薇(ばら)もあるわね。

 そして流石に良く分ってるじゃない球根ごと持ってくるなんてね」


 どうだとばかりに胸を張りつつも、丁寧に傷を付けないように鞄から出していく。


「今日の分だと幾らくらいになるかな?痛む前に採って直ぐ帰ってきたからさ」


 見れば分かると言わんばかりにルアナ姉さんも頷いてる。


「そうねえ、今日の分だと銀貨12枚に銅貨60枚ってところね」


 やはり今日はラッキーな日だった、久々の大きな稼ぎだ。


「今日は珍しい物持って来てくれたからお礼にこれあげる」


 そういってルアナ姉さんは真っ白なゼラニウムを一株差し出した。


「姉さんゼラニウムはそんなに安くないだろう?」


「今ね売りが沢山入って供給が多すぎるのよ、

 全部売り切れないと思うから良かったら一つ貰ってくれないかなって思ったんだよね」


 そう言う事なら遠慮なく頂きましょう、小鉢が今ないから買っていくか商売上手だな姉さん。


「ルアナ姉さん俺今小鉢切らしてるから一つ買ってくわ、確か銅貨85枚だったよな」


 記憶通りの値段だったようで、銅貨85枚を渡し土と肥料をおまけして貰い鉢に入れる。


 そして姉さんにお礼を言ってルアナ・フラワーを後にする。




 結局収支は銀貨11枚と銅貨75枚となった。


 基本的に一日に使うお金は銀貨5枚~6枚としているので、


 帰りに銀行に寄って今日は銀貨4枚を貯金し、小鉢を片手に家路につく。


この世界の植物や動物の名称は現実の地球の物を使っていきますが、

植物や動物の生息場所も現実とは変えていきます。

また物価や賃金や通貨は違います。この世界にはモンスターも居ます。

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