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十七話

「「「全能なる神の名において」」」


「キゾク、相手してやれよ。」

「壊してよければ。」

「いい加減、手加減覚えろよ。」


一人と一影は殺気立つ相手の前でも弛い。

道端で談話するような姿が、敵視すらしてないことを雄弁に語り。

それが、敵の神経を逆撫でする。


「風よ、千刃の剣となりてて」

「水よ、重鈍な鎚となりて」

「火よ、過剰な槍となりて」


「ぅわぁ………すっげぇ、呪文。」

ツヴァイが呟く、言葉は過熱している彼らの頭に入ること無く。


「「「我が前に立ち塞がりし」」」


彼等の周りの空気が渦巻く。

ふわりと、淡い白い燐光が彼等の輪郭を縁取り他から浮かび上がらせる。


「「「神敵を討ち滅ぼせ!!」」」


言葉と共に、彼等の頭上や周囲に風の剣が、水の鎚が火の槍が現れる。


目配せをお互いにすると、僅かにタイミングをずらしながら、一斉に攻撃をツヴァイへ叩きつける。


「……やっぱ、新神は強引だなぁ~、威力の高さだけが取り柄かねぇ?あれじゃ、余程じゃなきゃ応用きかんだろ。」

「借りるではなく強引に従えて使うとは。無粋なことをするもので。」

攻撃をかわした様子もなく、お喋りの声は続く。

攻撃の余韻が去り、目視できたツヴァイの姿は無傷。


それもそのはず、ツヴァイと教会の小飼達の間には先程までなかった黒い壁が立ち塞がっているのだから。

「どちらにせよ、お前を殺すには火力不足だなぁ………あぁ、服破くなよ?回収すっから。」

「更に難題を増やしますか……まぁ、やるだけやってみますが。

出来なくても、怒らないでくださいよ?」


黒い壁が波打ちながらぐにゃくにゃと形を変える。

風に衣が浮くように、薄く大きく伸びた黒が影が彼等の視界一杯に広がる。


そのまま、影は教会の者達の退路を絶つように彼等の頭上を覆い通路一杯に結界を形作る。


中を窺うことの出来ない四角い黒い箱を確認してから、アルマが去っていった方向を見る。


「……アルマは大丈夫かね?こいつらぐらいなら負けそうにないけど。」

さっきの黒髪についていったアルマを思い返しながら、足止め係の生け贄を包んだ結界を見る。


「……あれ?神術使えるって俺言ったっけ?」

言ってない気がする。

呪術の話しかしてない気がする。


…………まぁ、どうにかなるだろ。

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