意味が分かると怖い話 赤ちゃん
《作者からの一言メモ》
今回の話はSFっぽいです
以前から何でだろう?と考えていたネタを使ってみました
怖いか、怖くないかでいえば……怖いかも知れません。自分たちの身に起こってるかもしれないですから。
とりあえず、存分に恐怖しちゃってください!!
何年も時間を掛けて識ているようだった
これは見るではない
識るのだ
まだ名前すらないソイツ
ここでの表記を「彼」としよう
彼の識ているもの
夢では生ぬるい
幻にしてはありえないほど確かな感覚
空想ならどれほど良かったか
全ては起こりうる事実。現実。未来。
逃れられない運命というものを背負っている
彼は生まれて
平凡な学生生活を歩み
中間企業で勤め
そこで出会った女と結婚し
二人の子供を授かり
ひ孫を見る頃には身体が衰退し
あっけなく息を引き取る
これが彼の行く道だった
決められたレールを辿るしかないのだ
それ以外の選択などない
識ってしまったらからにはどうしようも出来ない
忘れたい
忘れなければならない
じゃないと、彼は精神を崩壊してしまうだろう
彼は神様に祈った
どうか、この運命を忘れさせてくださいと
神様は優しかった
彼の識てきたものを消してくれたのだ
そうして彼は識てきたものを忘れて
母親の腹から生まれてきた