表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新生連合艦隊  作者: 天嶽
61/62

第五十九話  大西洋脱出 後編

一か月に一回更新すると言ったな、あれは嘘だ!


いやホントすみません、ちょっと艦これ熱が再発して・・・

皇紀2603年9月13日

北海 ノールカップ沖


大西洋派遣艦隊

巡洋戦艦磐城 戦闘艦橋


水兵1

「対水上電探に感!大型艦4!距離8万2千!」


信哉

「思った通り、待ち伏せだな、武尊に信号、砲雷撃戦用意!」


瑞姫

「了解、砲雷撃戦用意!艦長、意見具申!」


信哉

「珍しいな、言ってみろ」


瑞姫

「甲板上の火炎物を廃棄したいのですが」


信哉

「火炎物・・・三式か、よろしい、砲術長!三式残弾は確か2発だったな」


磐城砲術長

「はい、整備もばっちりです」


信哉

「よし、三式対艦誘導弾、発射準備」


磐城の中央部に設置された、三式艦対艦誘導弾は最大射程80km、最大速度、時速1120km弾頭には250kgの高性能炸薬が搭載されている。誘導装置がかさばり、推進燃料が制限されたため、射程こそ短いが速度が速く撃墜される可能性が低いとされている。


艦の応急修理を担当する瑞姫は、甲板上に火炎物を長時間保管することを危惧しており、特に砲雷撃戦時に被弾した場合、誘爆し被害が拡大することを考え。危険な火炎物は早々に使用することにしていた。


磐城砲術長

「諸元入力完了」


水兵2

「武尊より信号、我、誘導弾残弾ナシ!」


信哉

「本艦だけでやる、三式対艦誘導弾、発射!」


轟音を立てて、三式艦対艦誘導弾が放たれる、最大射程ギリギリであるが磐城から発信される誘導電波によって正確に誘導されていた。



英国海軍

戦艦デューク・オブ・ヨーク

艦橋


英水兵1

「飛翔体高速で後続艦ハウ、アンドロメダに接近中!直撃コースです」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「なんだあれは、ドイツのV1とはまるで違う、対空弾幕張れ!主砲どうした?!」


デューク・オブ・ヨーク砲術長

「速すぎます!」


英水兵2

「ハウ、アンドロメダ回避運動を開始しました」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「いかん、命中するぞ」


ハウの艦影と三式誘導弾の機影が重なった数秒後、激しい轟音と炎がハウを包み込んだ、命中個所は第二煙突、カタパルト付近、炎は艦載機であるスーパーマリン:ウォーラスに搭載されていた航空燃料に引火し、しばらく手が付けられない状態になった。


デューク・オブ・ヨーク艦長

「被害報告を急がせろ!」


英士官1

「Aye Sir!」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「まさか、これほどまでの兵器を実戦配備していたとは」


英士官1

「報告!アンドロメダ被弾!被弾箇所は艦橋基部!戦闘不能の模様!」


アンドロメダは回避運動をとり、三式艦対艦誘導をかわそうとしたが、運悪く艦橋基部に被弾、艦橋は崩壊し指揮系統が混乱し、しかも爆発の衝撃で、舵は取舵で固定され操艦が不能となっていた


英水兵3

「ハウより信号!排煙効率低下のため速力低下、レーダー故障!」


デューク・オブ・ヨーク砲術長

「敵艦、まもなく主砲射程に入ります!」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「敵艦の頭を押さえる、面舵20!絶対に逃がさん!」


英水兵1

「敵艦発砲!」


デューク・オブ・ヨーク

「まさか?まだ3万8千なのよ?!この距離で撃てるわけが・・・」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「敵艦も慌てている、届かないことを知っておきながら撃っているのだ、砲術長落ち着いて確実に仕留めていけ、ハウにも独自の判断で戦闘を開始するように伝えろ」


英水兵2

「敵弾来ます!」


高い水柱がデューク・オブ・ヨークの後方にそびえ立つ、この事実にデューク・オブ・ヨークの首脳陣は混乱した


デューク・オブ・ヨーク艦長

「本艦を飛び越えて着弾たとぉ・・・そんな馬鹿な、ありえん」


デューク・オブ・ヨーク砲術長

「敵先頭艦、射程に入りました」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「・・・左砲戦開始!一斉斉射Ready!」


デューク・オブ・ヨーク砲術長

「準備完了!」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「Fire!」



大西洋派遣艦隊

巡洋戦艦磐城 戦闘艦橋


信哉

「ッチ、全部遠弾か、主砲再装填急げッ!」


瑞姫

「敵艦回頭を開始、頭を押さえるつもりです」


信哉

「針路このまま、敵の丁字につきやってやれ」


磐城砲術長

「艦長!?」


信哉

「全速で戦線を離脱する、各上のキングジョージ5世級とまともにやり合えるかッ!!」


磐城砲術長

「ですよね、どう考えても無理ですよね・・・主砲装填急げ!」


信哉

「第一第二主砲!急ぎ斉射!」


磐城砲術長

「主砲、一二番斉射!装填まだかッ!」


水兵3

「敵艦発砲!」


信哉

「転舵!面舵ッ20!」


磐城砲術長

「一二番主砲、斉射!撃――ッ!」


磐城の周囲に10本の水柱が立ち上る、デューク・オブ・ヨークの一斉斉射だった。


信哉

「奴さん、最初から全力だ、武尊は」


武尊もハウを相手にするので手いっぱいで磐城にかまっている暇はなかったが、ハウが損傷しているおかげで何とか対等以上に持ち込めていた。


瑞姫

「こちらより戦況は優勢のようですが」


士官1

「着弾・・・今ッ!」


信哉

「夾叉か、砲術長、時間を稼げ!撃沈する必要はない。距離を取るぞ」


磐城砲術長

「了解!」



英国海軍

戦艦デューク・オブ・ヨーク

艦橋


デューク・オブ・ヨーク艦長

「ッチ、てこずり過ぎだ、敵は巡戦なんだぞ」


英士官1

「ですが、敵は30ノット以上の高速で航行しております、命中弾を得るには時間が」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「そんな事は、分かっている、もはやT字も崩壊している、初期の作戦なぞ瓦解している」


デューク・オブ・ヨークの艦長はT字に持ち込み、持ち前の火力に物を言わせて磐城・武尊の二隻を葬ろうとしていたが、予測以上に2艦が高速で展開しているためT字は崩壊し、現在では2艦を追う形の追撃戦となっていた。


もちろん、煙突が吹き飛ばされ排煙効率が低下したハウは二隻に追いつけず射程圏内ギリギリから14インチ徹甲弾をばらまいている


英水兵1

「クレセント雷撃体勢に入ります」


目一杯ボイラーを焚き、武尊に追いついたサリー級重巡洋艦クレセントが雷撃体勢に入る。武尊もそれに気づき、両用砲で応戦する、傑作砲OTOメララの射撃を受けたクレセントは艦橋構造物が風穴だらけとなり、速度を落とす。


英士官2

「クレセント大破!戦闘続行不能!」


デューク・オブ・ヨーク

「なんなの、速射能力」


デューク・オブ・ヨークが目撃したのは、機関砲のような速射能力であった。毎分45発の速射能力を持つOTOメララ127mm速射砲を連装化した、両用砲は2門合わせて毎分90発の異常な速射能力を持っていた、いくら威力が低い127mm徹甲弾でもこのような弾幕をまともに受けた艦は眼も当たられない状態になる


デューク・オブ・ヨーク艦長

「損傷艦は退避、本艦だけでやる、敵はすでに遁走し後部の1基しか主砲が使えない状態だ、砲術長落ち着いて狙え!」


確かに、磐城と武尊は三番砲塔の3門しか使用できず、砲弾投射能力はデューク・オブ・ヨークが有利であったが、北海特有の波の荒さがその有効性を相殺していた。


シアつまり、艦首の反り返りが全くない平甲板型のキングジョージV世級は凌波性が冗談ともいえるほど悪い、これは操舵能力、砲撃精度等々に影響している。



大西洋派遣艦隊

巡洋戦艦磐城 戦闘艦橋


信哉

「波が高い、アトランティックバウでもこれは厳しいな」


磐城は戦線を早期に離脱するため、搭載されているディーゼルエンジン6基を限界まで回していた、機関室からは悲鳴のようなエンジンの唸り声が響いていたが、艦の命運がかかっている状態であったため信哉もそれにかまっている暇がなかった。 


瑞姫

「敵弾来ます!」


磐城が水柱に囲まれる、これまで直撃弾はないが至近弾で装備のいくつかは破損し磐城も少なからずの損害を受けている、磐城の左舷1000mで並走する武尊も似たような状況であった。


これまでの戦闘で零式徹甲弾改2型は磐城・武尊とも残りわずか、砲身に至ってはすでに命数を超え、精度は極端に悪化、全力射撃を続けている三番主砲は何時砲身が破裂するか分からない状態であった。


水兵4

「右舷に至近弾!」


瑞姫

「艦首区画、浸水発生!応急班を向かわせます!」


信哉

「何としても止めろ」


水兵1

「敵戦艦に水柱が」


デューク・オブ・ヨークの右舷に水柱が上がる、それは見慣れた被雷による水柱だった。


信哉

「武尊か」


磐城砲術長

「いえ、武尊ではありません」


士官1

「艦長!伊号300潜より入電!貴艦の武運を祈る、以上です」


実に意外な所からの支援攻撃に艦橋一同は困惑する、伊号300潜は通商破壊の為、北大西洋で活動中のはずであったが、艦長徳永信義中佐の独断でノールカップ沖にて潜航待機を行い、ここぞとばかりのところでデューク・オブ・ヨークに向けて三式酸素誘導魚雷4本を発射、全弾を命中させたのであった。


信哉

「伊300潜の連中・・・味な真似を、針路速度このまま対空対水対潜警戒を厳に」


磐城

「助かりましたわ、有り難うございます」



英国海軍

戦艦デューク・オブ・ヨーク

艦橋


英水兵1

「右舷からの浸水止まりません!」


英水兵2

「発電機室冠水!電力低下します!」


伊号300潜が発射した魚雷4本のうち1本が何の因果か推進軸付近に命中したのである、この結果磐城・武尊の両艦を追うため全速で回転していた推進軸を捻じ曲げ、タービン・シャフトの先端が隔壁を連打して破壊したのである。これにより浸水は拡大しデューク・オブ・ヨークの戦闘能力を一気に奪ったのである。


デューク・オブ・ヨーク艦長

「何が本艦だけで十分だ、あの時の俺を殴ってやりたい・・・左舷注水、バランスを取れ、何としても浸水を止めろ!機関室はどうなんだ」


英士官3

「ボイラー5基が火を落としました、3基は何とか持たせています、ですがシャフトが捻じれ、航行は困難です」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「ハウに信号、撤退する、周囲を警戒、まだ敵潜がいるかもしれんぞ」


英水兵2

「右舷1万5千に潜水艦浮上!」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「主砲撃てるか!?」


デューク・オブ・ヨーク砲術長

「傾斜により揚弾機が使用不能!撃てません!」


英士官2

「電力不足により両用砲、射撃不能!」


英水兵1

「敵潜より発行信号」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「なに?」



大西洋派遣艦隊

伊号第三〇〇潜水艦 艦橋


信義

「どうだ、奴さんは」


征治

「呆然としてると思いますよ、敵前浮上し多と思えば、救助の申し出」


信義

「全艦が損傷し、旗艦があれでは救助活動もままならんだろ、潜望鏡から波間に漂う水兵が見えたんだ、見捨てるわけにもいかんだろ」


伊号300潜は浮上し、搭載されている小型複合艇で漂流水兵の救助を行っている。


水兵5

「敵兵、9名を救助しました、英戦艦に引渡します」


海面を一回りし、救助作業を終えた小型複合艇が帰還する。


信義

「よし、複合艇を収容後、潜航する、副長航路を割り出してくれ」


征治

「了解しました」


伊300

「まったく、面白い艦長ね、飽きなくていいけど」


そう言いながら、伊300は小型複合艇に同乗し、右舷に大傾斜しているデューク・オブ・ヨークに向かう。



英国海軍

戦艦デューク・オブ・ヨーク

最上甲板


デューク・オブ・ヨーク艦長

「あれが、ジャップのSubmarineか、えらくスマートだな」


英士官1

「作業艇の脚も速い、ですが艦長、全速で航行していた本艦に魚雷を4本も叩き込んだ艦ですよ、能力は計り知れません」


デューク・オブ・ヨーク艦長

「確かにな、腕がいい物が集まっている様だな」


英士官2

「負傷兵の収容完了」


英水兵1

「左舷に注水完了、現在右に5度傾斜、浸水も何とか食い止めました」


デューク・オブ・ヨーク

「伊号300・・・覚えておくわ」



デューク・オブ・ヨークを含む日本艦隊討伐部隊は。


戦艦デューク・オブ・ヨーク大破

戦艦ハウ         中破

重巡洋艦アンドロメダ   大破

重巡洋艦クレセント    中破


与えた損害は、ほとんど皆無と言うRoyal Navy始まって以来の大敗北となった。英国首相ウィンストン・チャーチルはこの報告を聞いて、しばらく呆然したと言う。



皇紀2603年9月29日、大西洋派遣艦隊の巡洋戦艦磐城・武尊は無事横須賀に入港した。


磐城の機関損傷は激しく、しばらくはドック入りとなったが、両艦はそれに引き換えても十分すぎる戦果をもたらした。


満州方面第五軍8万人車両2000両を中心とする、部隊が舞鶴でその刃を研いでいた、目的はウラジオストク占領である。それに呼応するように満州方面の第一軍、第二軍、第三軍も旧ソヴィエト連邦領域に進攻するのである。総勢30万人という帝国陸軍始まって以来の大作戦である、


タイミングと陸海軍の連携が重要な作戦である「ウ号作戦」がいよいよ実行される。



3月の半ばに気まぐれで大型建造回したら、大鳳が来てくれたんですよ。


それでちょっと希望が持てたというか、なんというか・・・


次回はいよいよ、大反攻です、ロシア再興まで頑張るか!


ご意見・ご感想お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ