第四十五話 米本土攻撃作戦【東京急行】 中編
皇紀2603年6月16日
第九艦隊
旗艦 重巡洋艦鳥海
水兵1
「前衛部隊から信号【敵戦爆連合編隊探知!距離650キロ速度450キロ!高度3000!防空戦闘機を要請する】以上です」
南雲忠一
「航空部隊に信号【防空戦闘機隊発艦せよ】」
士官1
「了解発行信号で通達します!」
鳥海から後方にいる、空母群に連絡が行く、空母群は駆逐艦を引き連れ一斉に回頭し、風上へ向かって全速で走る
航空母艦壇ノ浦
第九艦隊に所属する航空母艦壇ノ浦、元は米海軍航空母艦エンタープライズであった、呉海軍工廠での改装が終わり、問題視されていた喫水線下の防御を改め、防御力を強化し、それに合わせて、全長と全幅が拡張されたため搭載機数が110機に増加している。
壇ノ浦の飛行甲板には紫電改が40機発艦体制を整えていた
ちなみにだが、紫電改を操るパイロットは日本海で第二機動艦隊の猛者達と訓練を積んできた、パイロットであった。
壇ノ浦
「紫電改か・・・」
防空指揮所から、飛行甲板を見下ろしように立っているのは、エンタープライズ改め壇ノ浦であった
紫電改は次々と発艦していく
壇ノ浦
「エンジン類は未来技術を使用したと聞くが、機体設計はこの時代の人間が作ったもの・・・どうやら私は日本人を見下しし過ぎてしまったらしいな」
河津原
「げっ!あの姉さまが反省している」
壇ノ浦
「どういう意味だホー・・・いや河津原」
河津原
「どういう意味って・・・そのままの意味かな」
壇ノ浦
「河津原!」
河津原
「逃げるが勝ち!」
壇ノ浦
「待ってぇ―――ッ!」
一ノ谷
「あらあら・・・でも、この作戦を立案した方・・・私達が日本海軍としての初陣がまさかアメリカ本土の直接攻撃ね・・・容赦がないわね」
実際には航空部隊の編制、満州を始めとした大陸への対応に追われて、今回の作戦には第一級の戦力がつけられなかったのも実情がある
巡洋戦艦十六夜 CIC
水兵2
「防空戦闘機隊に告ぐ、そのまま高度3000~4000に敵戦爆連合編隊あと10分程で接敵する見込みです、ご注意ください」
紫電改パイロット1
『了解した、情報感謝する』
水兵2
「健闘を祈ります」
紫電改パイロット2
『俺達に任せてくれ、艦隊には一機も寄せ付けねぇ』
雄哉
「対空戦闘用意!」
士官2
「対空ぅ戦闘用ぉー意!」
雄哉
「目標!敵爆撃編隊!防空戦闘機隊が撃ち漏らした敵を迎撃せよ!いいか艦隊上空には絶対入れるな!」
水兵3
「防空戦闘機隊まもなく接敵します!」
米海陸軍:戦爆連合編隊
米軍は本土に接近する日本艦隊を発見し、直ちに攻撃編隊を編成したが、富嶽、深山による戦略爆撃の予告を受けて、攻撃編隊からは護衛戦闘機が次々と本土防空用に引き抜かれていった、流石の米軍も機体はあっても、度重なる航空機の損害により熟練のパイロットが枯渇していた特にハワイでの航空攻撃の被害が響いていた
現在も大募集をかけているが、指導するはずの熟練パイロットはほとんど戦死してしまい、現在新人パイロットの指導は全く、進んでいなかった・・・
米陸軍パイロット1
「おい!3番機ふらつくな!しっかり飛べ!編隊を崩すな!」
米陸軍パイロット2
『ジャップやつら、本格的本土攻撃のつもりか!』
米陸軍パイロット3
『前方に敵機!奴らの護衛戦闘機だ!』
米陸軍パイロット1
「護衛戦闘機隊、頼むぞ」
米陸軍パイロット4
『ラジャー!』
米陸軍パイロット1
「奴らの戦闘機は、強力だ!注意してくれ」
米陸軍パイロット4
『大丈夫だ!こっちはP-51しかも最新型のDタイプだ!ゼロなんててきじゃねぇぜ』
確かに、P-51Dは確かに基本性能では零式艦上戦闘機を大きく上回るが、現在の帝国海軍の空母に搭載されている、艦上戦闘機は陣風、紫電改、烈風が搭載されており、開戦時からの主力艦上戦闘機であった零式艦上戦闘機はすでに艦上戦闘機としての運用終了をしていた。
現在第九艦隊、航空戦隊に配備されている艦上戦闘機は帝国海軍最強レシプロ戦闘機に君臨している、紫電改であった、紫電改の基本性能はP-51Dを大きく上回る。
米戦爆連合編隊の護衛戦闘機隊は先行し、紫電改を始めとする第九艦隊防空戦闘機隊が空戦を開始する。
P-51は紫電改に格闘戦に引きずり込まれ、次々に撃墜されていく
米陸軍パイロット4
『な、なぜだこっちは合衆国が生み出した最高の機体なのに、何故奴らの機体の方が優れているんd・・・』
ズッグゥン!!
護衛戦闘機隊をあらかた片づけた、防空戦闘機隊は爆撃編隊に襲いかかる
米陸軍パイロット1
「各機編隊を密にしろ!弾幕を張るんだ!」
米陸軍パイロット2
『・・・あの長いノーズッ!!気をつけろ!敵機はゼロじゃねぇ!』
米陸軍パイロット3
『速いぞ!グッワッ!』
ズッズゥゥン!!
巡洋戦艦十六夜 CIC
水兵2
「防空戦闘機部隊、迎撃に入りました、まもなく対空ミサイルの射程圏内に入ります」
雄哉
「IFFはしっかり作動しているのか」
水兵3
「ばっちり作動しています!」
雄哉
「よし、射程圏内にはいいた敵機から叩き落とせ!」
砲雷長
「了解、後部VLS、1番から8番、発射用―意、イルミネーター連動!目標!本艦隊に接近中の目標群デルタ!」
水兵4
「データ入力完了!発射準備完了!」
砲雷長
「発射ッ!」
十六夜
「来なさい・・」
グワッ ズッシャァァァ――――
十六夜から真新しい一式対空ミサイルが放たれる。
水兵2
「目標群デルタ、全機撃墜!」
水兵3
「続いて目標群ガンマ接近中!主砲射程圏内に入りました!」
砲雷長
「1番2番主砲、撃ちィ方始めェッ!」
カッ ズドオォォーン!!
一式対空ミサイルに続いて、十六夜の305mm60口径電磁投射砲が三式焼霰弾を敵編隊に向けて放つ・・・
6発の三式焼霰弾は十六夜が設定した目標群ガンマを襲う
水兵2
「目標群ガンマ消滅!」
水兵3
「目標群アルファ!両用砲の射程圏内に入りました!低空で本艦に接近中!」
砲雷長
「左舷、一番三番両用砲、撃ち方始めェッ!」
ドン!ドドン!ドン!ドン!ドドン!
127mm速射砲が左舷に弾幕を形成する
十六夜に接近していたB-25、6機が爆散する
水兵2
「全目標消滅」
雄哉
「警戒態勢を解くな!」
砲雷長
「了解」
第九艦隊は30ノットの高速を保ち米本土に直進していた米本土まで残り900kmを切っていた・・・
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