第三十八話 横須賀軍港にて
皇紀2603年4月27日
硫黄島沖
第二連合艦隊
旗艦 イージス戦艦播磨 CIC
翔平
「ここが、播磨の頭脳CICになります」
チェスター・ニミッツ
「ここが・・・実に未来的な光景ではないか」
刹那
「長官、これからの航路設定についてお話が」
翔平
「あぁ分かった、ニミッツ大将、私はしばらく、艦長と航路について話してきますので」
チェスター・ニミッツ
「あぁ、すまない、私のために、此処からは自分で見学するよ、アドミラルハヤシ」
翔平
「では」
翔平はそう言って、CICを出て行った
チェスター・ニミッツ
「・・・コバヤシ砲雷長、この席では何をするんだ」
晃
「あぁニミッツ大将でしたか、この席では対潜水艦戦闘の中核を担う席です、たとえばこの席で昨日お話した、五式対潜ミサイルの発射管制、機関砲、両用砲による対魚雷戦闘もここで管制します」
チェスター・ニミッツ
「ありがとう、よく分かったよ」
晃
「どういたしまして、では自分は、これで」
チェスター・ニミッツ
「(この艦の乗員はみな親切だな・・・)」
ニミッツは無言でCICを出た
イージス戦艦播磨 艦橋
刹那
「このまま、真っ直ぐ旅順を目指すか、それとも横須賀を始めとした鎮守府にて補給を受けるかなんですが」
翔平
「そうだな・・・軍令部は何て言っている」
葵
「まだ何も、返信はありません」
啓太
「長官、宗谷から入電や」
翔平
「おう・・・・ッチ、頭痛い・・・」
播磨
「どうしたのよ、翔平」
翔平
「この電文見てみろ」
播磨
「なになに・・・第二連合艦隊、航空母艦、鳳翔、鳳凰、翔龍、瑞龍、萃鶴、勇鶴は艦載機を、厚木飛行場にすべて移動させ、横須賀海軍工廠へ入渠せよ・・・なにこれ」
翔平
「親父、俺の艦隊から空母をすべて引き抜いて、改造するきだ・・・通信長!軍令部から横須賀に現在いる艦艇状況を聞いてくれ」
瞭
「了解しました」
彼は通信長の北村瞭少佐、通信関係については一流の腕を持っており、現在は艦隊内で携帯電話を使用できるように、日夜努力をしている。
葵
「艦載機を全部厚木飛行場へ・・・満州への対応でしょうか?」
翔平
「そうだな、軍令部は、満州に航空機による傘を求めたいらしいな、それを好機と見た親父が、空母六隻を改造すると言ったところか・・・」
瞭
「横須賀、停泊中の艦船が判明しました、第九艦隊を始めとした、本土防衛艦隊の他に、工作艦、宗谷、根室、津軽、紀淡の四隻と自走浮きドック四日市、室蘭が停泊しています」
翔平
「分かった、厚木飛行場に連絡、艦載機収容の手配を、それから全航空戦隊に連絡、全航空機、発艦用意・・・俺は鳳翔に飛ぶ、艦長準備を」
瞭
「宜候!」
刹那
「了解」
翔平
「啓太、しばらく任せた」
啓太
「またかい!」
翔平
「ハッハッハ!まぁしばらく頼む」
啓太
「了解」
刹那
「長官、電空の準備が整いました」
翔平
「分かった、出は後は頼んだ」
葵
「了解しました」
そう言って、翔平は出て行った
イージス戦艦播磨 後部格納庫
翔平
「機長この間はご苦労だった」
機長・改め、加堂正輝
「長官、大変でしたよ、もう二度とやりたくありません」
翔平
「ハッハッハ、そうか、では早速だが鳳翔に飛んでくれ」
正輝
「了解!・・・電空1より管制室、長官の登場を確認、ドアロック完了」
管制室
『了解・・・機体移動開始』
電空は着艦拘束装置によって、飛行甲板まで運ばれる
管制室
『電空1発艦を許可します、グッドラック』
正輝
「了解電空1、発艦します」
電空が飛行甲板から浮き上がり、垂直発艦した後、5キロ離れた第一独立航空戦隊、旗艦、鳳翔に向かった
第二連合艦隊 第一独立航空戦隊
旗艦 航空母艦 鳳翔 航空管制室
士官1
「電空が来るぞ、蒼山一番機から八番機、至急発艦せよ!」
水兵1
「了解、蒼山一番から八番機、発艦用意!」
孝彦
「時間はまだあるぞ、落ち着いてやれ」
士官1
「了解!」
鳳翔
「まったく、いきなりなんだというんだ、私から航空機を全部取り上げるなんて、ただのタンカーになってしまうじゃないか!」
孝彦
「ククック、タンカーかこれは傑作だ、確かに航空機がないと、唯の大型艦だからな」
鳳翔
「まったく、満州で何かあったかは知っているが、それは陸軍の仕事だろう!」
翔平
「そう言わないでくれ鳳翔、陸軍も四面楚歌で手が回らない状態だからな」
孝彦
「長官!お着きでしたか」
翔平
「ついさっきな」
孝彦
「長官、実は・・・」
翔平
「どうしたんだ、艦長」
孝彦
「少し手違いがおきまして」
翔平
「どんな」
孝彦
「ハンス・ウルリッヒ・ルーデル大佐とエルンスト・ガーデルマン少佐が本艦に送られてきまして、本艦のパイロットと意気投合してしまって、本国には帰りたくないと・・・」
翔平
「ほう、ルーデル大佐とガーデルマン少佐がかえり・・・な、何だって!」
孝彦
「ルーデル大佐曰く、イワンと戦いたくないと言う事です」
翔平
「そうか・・・まぁ軍令部と相談してみるさ、で今何をしているんだ」
孝彦
「本艦のフライトシュミレータ―を使用して蒼山で急降下爆撃機を使用としています」
翔平
「そう・・・あの人は後に魔王と呼ばれる人だからな、面白くなりそうだ」
鳳翔
「長官!」
翔平
「どうしたんだ、鳳翔」
鳳翔
「如何してしばらく、来てくれなかったんだ・・・」
翔平
「スマンな、このところ忙しくてな」
鳳翔
「うん・・・体を壊されたら困るから、休んでほしい・・・」
翔平
「考えておく」
鳳翔
「そうしてほしい」
翔平
「・・・艦長、このまま横須賀を目指してくれ、全空母は第四独立駆逐隊の護衛をうけて横須賀に寄港、そこで艦の修理、改装を行う、空母乗組員はしばらくの休暇だ、まぁゆっくり休んでくれ」
孝彦
「有難うございます、長官も鳳翔の言う通り少しは休暇などを取った方がいいですよ」
翔平
「善処する」
1943年5月3日
横須賀海軍工廠
ドックで次々に建造される艦船、修理不能で解体されていく艦船それらを見上げながら翔平は工廠の中を歩いていた
武
「よぉ、来たか、待ってたぜ」
翔平
「来たかじゃねぇよ、まったく佐世保から呼び出して」
武
「まぁいいじゃないかよ、一寸見てほしいものがあるついて来てくれ」
翔平
「あぁ分かった」
しばらく歩き進めると横須賀防空隊の飛行基地が見えてきた
武
「新型機が出来たからな」
翔平
「烈風か?」
武
「それだけではない、まぁ見てやってくれ、いまから新型艦上爆撃機が着陸する」
轟音を立てて上空を旋回していた機体が着陸態勢に入る
翔平
「この音はジェットか・・・うん?あれはA-10サンダーボルトⅡ!?」
武
「今制式実用化に向けて飛行試験中だまぁ一か月もあれば本格的に実践配置となるだろう」
翔平
「機体の名は?」
武
「橘花ださらに格納庫には艦上攻撃機桜花と艦上戦闘機烈風、さらに局地戦闘機震電と紫電改が待機している、これらが制式実用化されれば、彗星と流星そして零戦の生産ラインは完全に停止される」
翔平
「零戦の歴史が幕を下ろすんだな」
武
「どんな兵器も技術の進歩の流れにはかなわないさ、ま、それはさておき、ルーデル大佐どうですか!橘花の調子は!」
翔平
「は!?ルーデル大佐!?」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
「ハヤシ技術中将殿、完璧です、こんな機体乗ったことがない」
武
「そうですか、他不具合等は」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
「そうだな、急降下時の舵の効きが少し重たいかな、他は大丈夫です」
武
「分かりました、設計部に伝えておきます」
翔平
「ちょっと待った!なぜルーデル大佐がここにいるんだ!」
武
「急降下のパイロットを探していた、そしたらルーデル大佐を見かけてな、勧誘したんだ」
翔平
「まったく・・・ルーデル大佐今の所属は」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
「ハッ!大将殿、現在は横須賀試験航空隊急降下分隊に所属しております!!」
武
「軍令部には報告済みだ、だから大丈夫だろう」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
「この橘花で、進攻してきたイワンを殲滅して見せます」
翔平
「と言う事は、満州に」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
「はい、山口中佐と共に臨時に配備される予定です」
武
「そう言う事だ、格納庫に行くぞ」
翔平
「あぁ」
武
「ルーデル大佐しばらく休憩していてくれ」
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
「ヤーボォール!」
格納庫
武
「こいつが次期艦上攻撃機桜花、その右側が次期艦上戦闘機烈風さらに右側にいるのが」
翔平
「分かっている、震電と紫電改だろ・・・米軍機を真似しているだろう!」
武
「失礼な、いくら桜花がF/A-18Fスーパーホーネットに似てるからって、真似しているわけではない、中身が全然違うだろ、それと外見は作者の趣味だ!」
おいおい・・・メタな発言は止めろ
翔平
「じゃぁ烈風はどうなんだ、どう見てもF-15E ストライクイーグルを真似しているだろう!」
武
「だから!作者の趣味だ!俺もかっこいいと思っているけど」
翔平
「・・・確かにそうだが・・・」
武
「性能も優秀だぞ、値は張るが・・・」
翔平
「帝国海軍の予算を食いつぶすつもりか!」
弘明
「予算の事なら大丈夫です、宛が見つかりました」
翔平
「弘明・・・」
弘明
「長官、軍令部まで来てください」
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