第三十三話 奇跡の翼・・・Z機 出撃ス
4月10日
ハワイ諸島の一つ、オアフ島の真珠湾では、米本土とオアフを行き来する輸送船団で絶えなかった、米本土に向かう輸送船は、多数の民間人を乗せて逐次出港し、逆に真珠湾に入港した輸送船は、大量の航空機等の軍需物資を積みさらに航空機の整備員、搭乗員を連れていた、輸送船からデリックで下される航空機の中には英軍の蛇の目や独軍の黒十字、バルケンクロイツ、鉤十字、ハーケンクロイツも交じっていた・・・
アメリカ合衆国
ハワイ諸島 オアフ島
米太平洋艦隊司令部
チェスター・ニミッツ
「今の航空機の配備状況はどうなっている」
ニミッツが参謀の一人に問う
米参謀1
「はい、現在、我が海軍の最新鋭戦闘機F6Fヘルキャット、そして従来のF4Fワイルドキャット、海兵隊のF4Uコルセアを始めとした戦闘機隊が450機そして爆撃機SBDドーントレスが120機、雷撃機TBFアベンジャーが221機・・・計791機がカオネヘ航空基地を始めとする海軍基地に分散配備が完了しています、さらに今日の午後には輸送船団が新たにF6Fを始めとした戦闘機を120機が到着します」
参謀は書類を見てニミッツに答える
チェスター・ニミッツ
「・・・陸軍の方はどうなっているんだ」
米参謀2
「はい、陸軍からの報告によりますと、戦闘機カーチスP-40が150機、P-39エアラコブラ152機、P-38ライトニング210機、そして最新鋭機P-47サンダーボルト203機、P-51Bムスタング89機を始めとした戦闘機隊が831機、爆撃機B-17 フライングフォートレス320機、B-18 ボロ250機、B-24 リベレーター210機、B-25 ミッチェル510機、B-26マローダー100機・・・計2221機がヒッカム飛行場を始めとする陸軍航空基地に分散配備されています」
アメリカ陸海軍は、アメリカ本土に配備されている航空機の10%をハワイ諸島に送り込み、さらに、オアフ島要塞を強化しモンタナ級戦艦に搭載される Mk.718インチ50口径三連装砲をウィルソン砲台に設置し強化を行い、さらに飛行場を大幅に広げて規模は開戦前の二倍の面積になっていた・・・
チェスター・ニミッツ
「うむ、分かった・・・」
米参謀1
「提督まだ戦力はあります」
チェスター・ニミッツ
「なんだ」
米参謀1
「今回の防衛作戦は前々から計画されていたものです・・・すでに連合軍の総力を挙げて航空隊をここオアフに集結させています・・・具体的には、英国空軍(R.A.F)所属のスーパーマリン スピットファイアが120機、ホーカー ハリケーン230機、アブロ ランカスター100機、デ・ハビランド モスキート200機・・・計650機・・・独国空軍所属のメッサーシュミット Bf109が124機、フォッケウルフ Fw190が250機、フォッケウルフ Ta152が85機そして、連合軍初のジェット戦闘機、メッサーシュミット Me 262が80機です、こいつなら、ジャップのソニックにも対抗できるでしょう、爆撃機はユンカース Ju 88が80機、ジェット爆撃機のアラド Ar 234、60機・・・計679機がオアフに到着しています」
チェスター・ニミッツ
「ジェットか・・・(確かにMe262は優秀な航空機だと聞いているが・・・ソニックに対抗できるのか)」
4月24日
大日本帝国
北海道 十勝平野
某所・・・・
此処北海道は、武の進言により環境保護を重視しつつ開発が進められていた、その一つである、日本が誇る日本最大規模の巨大航空基地と巨大工場・・・
奇跡の翼・・・Z機・・・
そう・・・
中島飛行機が設計し造り上げた、巨人機・・・
戦略爆撃機富嶽の本拠地であった
重爆撃機 富嶽
全長55m
全幅72m
全高11.25m
発動機 烈56型空冷4列星型36気筒エンジン 7000馬力×6基
最大速度 865km/h
航続距離 21.200km
実用上昇限度 16.500m
固定武装
電探連動自動照準式、二式二十粍回転式6銃身機銃 6基
(機首前面1基 尾部1基 上部2基 下部2基)
爆装
爆弾最大45,000Kg
去年の十月からの生産が進められている富嶽の爆撃機タイプの総数は丁度100機、すでに搭乗員の訓練も課程も終了し、練度もの方も問題はなかった
他にも下部に二式二十粍回転式多銃身機銃を20基搭載した掃射型、100名の完全武装の陸兵を運べる輸送機型が50機づつ完成していた・・・
富嶽は駐機場に駐機し出撃の時を今か今かと待っていた
武
「壮観ですね、知久平さん」
武も富嶽最初の出撃を見に呉からわざわざ、輸送機を乗り継いで北海道まで来ていた
知久平
「いやぁ、之も彼方の協力があってこそです、有り難うございます、私の夢も達成されました」
武
「いえ、これからですよ、まだこれからね・・・」
知久平
「ふ、まだですか・・・」
武
「向上心を持たないと、技術屋はね・・・」
その30分後、富嶽隊は全機大空に飛び立った・・・
目指すは、ハワイ、オアフ島・・・
第二連合艦隊
旗艦 イージス戦艦播磨 艦橋
第二連合艦隊は、ハワイ、オアフ島から約600キロの海域に居た
艦隊速度、40ノットの高速でオアフに進撃している時だった・・・
播磨型の誇る、SPY-2Jレーダーが今までにない巨大な機影をとらえたのは・・・
水兵1
『CIC、艦橋・・対空レーダーに感!数100!距離450キロ方位290、速度310ノット!高度15000!IFFに反応!富嶽隊です!』
翔平
「来たか・・・全空母に連絡【発艦せよ】以上だ」
啓太
「了解」
水兵2
「先行駆逐艦、秋月より連絡!【敵潜水艦発見!これより攻撃す!】」
水兵3
「敵潜から、電波発信!」
翔平
「っち、気づかれたか・・・対空戦闘用意!警戒を厳にせよ!」
葵
「了解!」
空母鳳翔 艦橋
孝彦
「発艦命令が来たぞ!全機第一次攻撃隊発艦せよ!」
士官1
「了解!第一次攻撃隊、一番機射出位置へ!」
鳳翔 飛行甲板
水兵4
「宜候!一番、二番、射出位置へ」
水兵5
「チョイ前~、チョイ前~、良し!!」
水兵3
「一番機、射出準備良し!最終確認!!」
水兵6
「二番機、カタパルト接続確認!最終確認・・・よし!」
水兵5
「一番、ヨロォシ!!」
士官2
「一番機、射出!」
パチ シャァァァァァ ゴウゥゥ!!
電磁カタパルトにより、音神が軽々と空に飛び立つ
水兵6
「次、二番機、発艦せよ」
士官2
「二番機、射出!」
パチ シャァァァァァ ゴウゥゥ!!
鳳翔 艦橋
鳳翔
「ふん、無事に飛んだか、最初に訓練を行ったときはひやひや物だったが・・・うまくなったもんだな」
艦橋で鳳翔がつぶやく
孝彦
「おっ、珍しいな、鳳翔がうちのパイロットを褒めるなんて」
鳳翔
「う、うるさい!」
孝彦
「まっ、初期のころに比べるとだいぶ上達したけどな、最初のころは、何時着艦事故が起こってもいいようにしていたからな」
孝彦が飛び立つ第一次攻撃隊を見守る
続いて、鳳凰、翔龍、瑞龍、萃鶴、勇鶴から、音神、蒼山が20機づつ計240機が飛び立った・・・
富嶽戦略爆撃隊 指揮官機
富嶽爆撃隊は高度15000mを速度310ノットでオアフ島を目指していた、
この富嶽隊に指揮官には、紀平康暉大佐・・・生粋の爆撃機乗りだ
電探員
「下方から機影!接近!敵味方識別装置に反応!友軍です!」
康暉
「来たぞ、音神隊・・・護衛戦闘機隊だ」
副操縦士
「頼もしいですね、あれが・・・無敵の戦闘機、音神ですか」
康暉
「あぁ」
通信士
「音神隊より通信です回線開きます」
康暉
「あぁ、頼む」
昇
『こちら、鳳翔制空隊、隊長の山口昇だ、之より貴隊をオアフまで護衛する』
康暉
「こちら、富嶽戦略爆撃機隊!指揮官の紀平康暉だ、貴隊の護衛に感謝する」
富嶽戦略爆撃機隊は音神、蒼山の護衛を受けて、オアフに向かった
ハワイ諸島 オアフ島
米太平洋艦隊司令部
ノックもせずに士官が長官室に入ってきた・・・
士官1
「長官、遂に敵艦隊を発見しました!」
チェスター・ニミッツ
「ん?・・・そうか!敵艦隊の編成と位置は?」
士官1
「はい、敵艦隊は戦艦6空母6巡洋戦艦6駆逐艦20隻以上を含む大艦隊です!」
チェスター・ニミッツ
「戦艦6、空母6・・・第二連合艦隊か!」
士官1
「はい、間違いないでしょう、すでに通信を受け取った、陸軍航空隊及び海軍航空隊は発進体勢に入っています」
チェスター・ニミッツ
「よし、先手を打つ、攻撃隊は準備ができ次第、全機発進し第二連合艦隊を攻撃せよ」
士官1
「アイ・サー!」
士官は駆け足で長官室を退出する
チェスター・ニミッツ
「・・・ふう・・・何日持ちこたえるか・・・」
ニミッツは誰もいなくなった、長官室でつぶやいた・・・
その頃、オアフ全飛行場では、航空機が蒼空に飛び立った
米海軍航空隊
戦闘機
F6Fヘルキャット 120機
F4Fワイルドキャット 100機
F4Uコルセア 60機
爆撃機
SBDドーントレス 80機
雷撃機
TBFアベンジャー 180機
米陸軍航空隊
戦闘機
カーチスP-40 100機、
P-39エアラコブラ 152機、
P-38ライトニング 180機
P-47サンダーボルト 160機
P-51Bムスタング 50機
爆撃機
B-17 フライングフォートレス 280機
B-18 ボロ 160機
B-24 リベレーター 180機
B-25 ミッチェル 420機
B-26マローダー 100機
英国空軍(R.A.F)派遣航空隊
戦闘機
スーパーマリン スピットファイア80機
ホーカー ハリケーン 155機
爆撃機
アブロ ランカスター 100機
デ・ハビランド モスキート 200機
独国空軍派遣航空隊
メッサーシュミット Bf109 100機
フォッケウルフ Fw190 100機
フォッケウルフ Ta152 60機
メッサーシュミット Me 262 20機
爆撃機
ユンカース Ju 88 80機
アラド Ar 234 60機
攻撃隊総数はなんと3017機これらの航空機が全機発進するまではもちろん、かなりの時間がかかり、最後の機体が地面を離れたときは出撃命令からすでに45分が立っていた・・・・
ハワイ諸島 オアフ島
ダイアモンドヘッド対空レーダー基地
攻撃隊が全機飛び発ち、ダイアモンドヘッド山頂に配備された、対空警戒用レーダには、最後に飛び立った編隊が見えなくなった頃、今までにない巨大な輝点が映った
レーダー員1
「おい!もう攻撃隊が帰ってきたのか?」
レーダー員2
「馬鹿な、つい先ほど出撃していったばかりだぞ」
レーダー員1
「だったら、何だっていうんだ、この輝点は・・・一寸待て、高度と速度が出たぞ・・・嘘だろ・・・」
レーダーがはじき出した速度と高度を見てレーダー員は自分の目を疑った
レーダー員2
「どうしたんだ!?」
レーダー員1
「こ、高度・・15,000m・・・速度400ノット・・・数100機以上!」
レーダー員2
「・・・とにかく司令部に報告だ」
レーダー員1
「お、分かった」
同じころ、カフク岬にあるレーダーサイトも、巨大な機影を捉えていた、その報告はすぐに、司令部に飛び込んだ
ハワイ諸島 オアフ島
米太平洋艦隊司令部
参謀長
「ちょ、長官!ダイアモンドヘッド、カフク岬、レーダサイトから報告です!敵重爆らしきもの凡そ100機がオアフに向けてアプローチしつつあり!速度400ノット!高度15.000m!」
チェスター・ニミッツ
「・・・分かった、そいつは多分日本軍に新型機だ・・・オアフに残っている戦闘機を全部出せ・・・いや、爆撃機もだ、迎撃に使えそうなやつを全部出せ」
参謀長
「りょ、了解しました!」
司令部からの緊急命令により、オアフに残っている稼働状態にある全ての機体が発進した・・・
天嶽
「今回の話は、適当に考えました、航空機の数とかもう適当です、しかもちゃんと計算していません!計算は授業の数学だけで十分です!」
播磨
「なにを言いきっているのかしら、このダメ作者は」
天嶽
「期末テストが12月2日からあるんだ勘弁してください!」
播磨
「はぁ~」
天嶽
「では読者の皆様、次回を会いしましょう」
播磨
「ご意見、ご感想お待ちしています」