第二十八話 インド攻略作戦 中編
12月1日(16:50)
インド洋
第二連合艦隊 印攻略艦隊
旗艦 イージス巡洋戦艦 十六夜 艦橋
水兵1
「哨戒中の幻夜より入電、【現在敵艦隊との距離約250キロ、敵艦隊の旗艦はネルソン級と思われる】以上です」
翔平
「よし、敵はビック7か、十六夜、お前はどうもビック7と縁があるみたいだな」
十六夜
「ふふっ、嫌な縁ですね」
翔平
「そうか?山崎艦長、増速30ノットだ、全艦にも通達」
雄哉
「了解!速度30!」
水兵2
「宜候!」
第一機動艦隊
第三戦隊 旗艦 戦艦金剛 艦橋
水兵3
「十六夜より信号【速度30ノットヘ、増速せよ】以上です」
近藤信竹
「艦長、増速、十六夜に続くんだ」
第三戦隊を率いるのは、近藤信竹中将
小柳艦長
「宜候!速力30!」
水兵4
「了解」
英東洋艦隊 (17:30)
旗艦 戦艦 ネルソン
水平線のかなたには太陽がその姿を隠そうとしていた時間帯であった
英東洋艦隊、旗艦ネルソンのレーダーが艦影らしき姿をとらえたのは・・・
英水兵1
「レーダー室より報告、敵艦隊らしき艦影を補足、距離6万メートル、速度30ノット、真っ直ぐこちらに向かってきます」
ジェームズ・サマヴィル提督
「来たか、全艦砲戦用意!レーダー射撃で一気に仕留めろ」
艦長
「アイ・アイ・サー」
英士官1
「提督、哨戒中のショートサンダーランドより緊急入電です」
ジェームズ・サマヴィル提督
「どうしたんだ」
英士官1
「はい報告します【我、敵艦隊を発見、敵艦隊は貴艦隊より約60キロの地点を航行中、敵艦隊の編成は、テンワクラス巡洋戦艦4、巡洋艦4、大小駆逐艦多数、さらに識別表にはない新型戦艦を4隻確認、コンゴウクラス戦艦は確認できず、繰り返す、接近中の敵艦隊の主力戦艦はコンゴウクラスに非ず!!】以上です」
ジェームズ・サマヴィル提督
「馬鹿な!日本海軍は何時、新型戦艦を建造したんだ、少なくとも、日本の工業力にこんな短時間で戦艦を作れるわけがないだろ」
英士官1
「ですが、サンダーランドの情報ですと」
ジェームズ・サマヴィル提督
「・・・分かった、少なくとも、ネルソンとロドネーの2隻で敵新型戦艦4隻で・・・か、」
英参謀1
「提督、ここまで来たら後は、実行するのみです」
ジェームズ・サマヴィル提督
「そうだな・・・」
英水兵1
「現在敵艦隊との距離約5万!」
第二連合艦隊 印攻略艦隊 (17:40)
旗艦 イージス巡洋戦艦 十六夜 艦橋
水兵1
「敵艦隊との距離、4万まもなく射程に入ります」
翔平
「距離3万6千で砲撃戦を開始する」
雄哉
「了解」
水兵2
「敵艦隊、右へ回頭を開始、丁字戦法に持ち込む気です!」
翔平
「面舵一杯!これより同航戦に入る」
雄哉
「了解!面~舵!」
水兵3
「面~舵、宜候!」
イージス巡洋戦艦 十六夜 CIC
水兵4
「現在、敵艦隊との距離、3万8千、全主砲、データ入力開始します」
砲術長
「うむ」
水兵4
「敵艦隊、速力20ノット・・・データ入力完了!」
砲術長
「主砲装填、弾種、零式徹甲弾」
零式徹甲弾とは、九一式徹甲弾をさらに改良したものだ
水兵4
「全主砲塔自動装填・・・・装填完了!」
水兵5
「敵艦隊との距離、3万7千・・・」
英東洋艦隊 (17:45)
旗艦 戦艦 ネルソン
英水兵1
「敵艦隊との距離、3万7千、先頭艦は巡洋戦艦テンワクラス、その後方に新型戦艦を確認」
ジェームズ・サマヴィル提督
「まず先頭の艦を潰す、主砲、撃ち方始め!目標敵先頭艦、ロドネーも続け」
砲術長
「アイ・サー、ファイヤー!」
ドォォオーン
英水兵2
「・・・弾着、全弾、遠弾!」
砲術長
「落ち着いて狙え」
英水兵1
「敵艦隊発砲!」
艦長
「なんだと、馬鹿な、届くわけがない、敵艦がテンワクラスなら主砲は12インチのはz・・・」
ズシュウゥーーーンッ!!
ズシュウゥーーーンッ!!
ネルソン周辺に高い水柱が上がった、それは明らかに30センチ砲の威力を超えているというのは確かであった
英士官1
「夾叉されました」
ジェームズ。サマヴィル提督
「馬鹿な、この威力は・・・くっ、情報部の馬鹿共が、敵の偽情報を掴んで喜んでたのか」
砲術長
「主砲、装填完了」
艦長
「撃て、今度こそ命中させよ」
砲術長
「ファイア!」
ネルソン
「今度こそ・・・当てます」
ドォォオーン
第二連合艦隊 印攻略艦隊
旗艦 イージス巡洋戦艦 十六夜 艦橋
水兵1
「敵艦発砲」
雄哉
「面舵20、第三戦速」
水兵1
「おもか~じ、20、よ~そろ~」
秀介
「第三戦速」
ズシュウゥーーーンッ!!
ズシュウゥーーーンッ!!
翔平
「夾叉か、艦長見事な操艦だ」
雄哉
「有難うございます」
十六夜
「落ち着いていますね長官」
翔平
「戦場では冷静さを失った方が負けだ」
水兵2
「第三戦隊、砲撃を開始しました」
翔平
「そうか、砲戦を続行せよ」
雄哉
「了解」
第一機動艦隊
第三戦隊 旗艦 戦艦金剛 艦橋
水兵3
「着弾・・・今!」
水兵6
「命中弾2!初弾命中!」
金剛が放った41センチ徹甲弾は弧を描きながら、英戦艦、レゾリューションに命中した
小柳艦長
「砲術長、よくやった、この調子で行くぞ」
砲術長
「恐縮です・・・第二射、用意!」
士官1
「全砲塔装填完了!」
砲術長
「第二射、撃っ――――!」
ドォォォオーン
金剛に続いて、比叡、榛名、霧島も第二射と砲撃を続けた
英東洋艦隊
戦艦 リヴェンジ
リヴェンジ
「っち、やるな、だがこのくらいで、私は沈まん!」
防空指揮所で、出血しながらも、サーベルを構えて、今撃ち合っている、金剛に向ける
英水兵2
「第三番主砲塔に被弾、旋回不能!」
英士官2
「目標ロスト、レーダー損傷!」
艦長
「光学標準に切り替えろ!」
砲術長
「アイ・サー」
英水兵3
「てっ、敵艦発砲!」
艦長
「急速転舵!取舵!」
英操舵手
「アイ・サー」
操舵手が懸命に舵輪を回し、リヴェンジは艦首を急速に左に向ける
ズズゥゥゥウン
ズズゥゥゥウン
英水兵3
「艦首付近に至近弾!」
英水兵4
「艦首に若干の浸水確認!」
艦長
「排水作業急げ!」
英士官2
「アイ・サー」
慌ただしく水兵がリヴェンジの艦内を走り回り、懸命に応急修理をしていた時だった、
リヴェンジの艦橋に空気を切り裂くような、大爆発音が響いたのは
リヴェンジ
「なっ!!まさか・・・」
艦長
「どうした!!」
英水兵3
「嘘だろ・・・戦艦・・ラミリーズ・・・轟・・・沈しました」
比叡と撃ち合ってた、ラミリーズの第二砲塔に比叡の放った、零式徹甲弾の一発が、ほぼ直角に天蓋を突き破った、零式徹甲弾は主砲直下弾薬庫にて使命を終えた、その直後、第二砲塔弾薬庫の発射を待っていた、数百発の砲弾が誘爆し、あっという間に轟沈した
艦長
「っく、砲術長!ラミリーズの仇だ!撃って、主砲が焼切れるまで撃って!」
砲術長
「イエッサー」
英水兵5
「主砲装填完了!」
砲術長
「ファイア!!」
リヴェンジ
「喰らえッ!!」
リヴェンジがサーベルを振り下ろすのと同時に
ドォォォオーン
リヴェンジのまだ射撃可能の主砲三基が火を噴いた
英東洋艦隊
旗艦 戦艦 ネルソン 艦橋
ズガッガ―――ン
英士官1
「う、右舷後部甲板に被弾!!右舷副砲全滅しましたッ!!」
十六夜が放った、零式徹甲弾がネルソンの右舷後部にある副砲塔に着弾し、副砲塔を薙ぎ払った
副長
「ダメージコントロール急げ!」
ネルソン
「・・・くっ、まだ、です、まだ・・・」
ジェームズ・サマヴィル提督
「砲術長、今度こそ当てろ!敵の先を読むんだ!!」
砲術長
「イエッサー!!」
ネルソン
「今度こそ、今度こそ!」
ドォォォオーン
英水兵1
「・・・命中!!」
水兵が叫んだとたん、艦橋が歓喜に包まれた
ジェームズ・サマヴィル提督
「やったか?!」
英水兵2
「敵艦増速!・・・速い!」
ジェームズ・サマヴィル提督
「なんだと!!」
英水兵6
「敵艦、速い!駆逐艦並み、いや、それ以上です!!」
ネルソン
「!?・・・今、一瞬敵艦の艦首が浮き上がったような・・・?」
第二連合艦隊 印攻略艦隊
旗艦 イージス巡洋戦艦 十六夜 艦橋
雄哉
「被害報告!」
水兵1
「ハッ!艦首第一砲塔付近に被弾!ですが被害らしき被害特にありません、各部機構、オールグリーン!!」
戦艦ネルソンの40.6cm徹甲弾は十六夜の艦首、第一砲塔付近に被弾したが、装甲が砲弾を弾き、被害は軽微であった
なぜなら、十六夜を始めとする、天羽型巡洋戦艦は、自艦の主砲、16式305mm60口径電磁投射砲が放つ徹甲弾の直撃に耐えられるように、設計し装甲されているからだ。
翔平
「十六夜、大丈夫か?」
十六夜
「平気です」
翔平
「そうか、艦長、そろそろやるぞ!増速!速度45ノット、取舵20、駆逐艦は現針路を維持、敵駆逐艦を各個撃破!」
雄哉
「了解、僚艦に通達!速度45ノット、取舵20!」
翔平
「さて、どう出る、英国海軍・・・」
翔平の表情が変わった・・・
その表情は、まるで、いたずらを仕掛けた子供のような表情であった・・・