第二十三話 バトル・オブ・ミッドウェー (後編)
ミッドウェー沖
第一連合艦隊
第二戦隊 旗艦 戦艦伊勢 艦橋
水兵1
「対水上電探に感!敵艦隊!空母3、重巡2、軽巡4駆逐艦多数!まもなく主砲の射程圏内に入ります」
この第二戦隊を率いているのは、松田千秋少将
松田
「主砲戦用意!全艦最大戦速!」
士官1
「よ~そろ~」
武田艦長
「砲術長!主砲射撃準備はできているか?!」
砲術長
「もちろんです艦長!すでに全砲塔には、徹甲弾が装填済みです」
武田艦長
「よし、距離3万5千で射撃を開始する」
砲術長
「了解」
英国太平洋艦隊
旗艦 空母 イラストリアス 艦橋
英水兵1
「前方約3万8千に艦影!視認!敵艦隊です」
英士官1
「なんだと!何故気づかなかった、レーダーは?」
慌てる英国艦隊の司令部
英水兵2
「レーダー室より報告!戦艦らしき艦影を発見しました!」
サイフレット提督
「っく、全艦180度回頭、駆逐艦隊に煙幕を張らせろ!」
英国艦隊は一斉に回頭する
英水兵1
「敵艦隊発砲!来ます!」
距離が3万5千メートルになり、第二戦隊の旗艦伊勢が発砲、続いて日向、扶桑、山城も射撃を開始した、
サイフレット提督
「大丈夫だ、まともなレーダーも持っていない、ジャップが初弾であてるわけg・・」
ズシュウウウゥゥンッ!!
ズシュウウウゥゥンッ!!
ズシュウウウゥゥンッ!!
英水兵1
「夾叉されました!」
サイフレット提督
「落ち着け!まぐれに決まっている、ジャップg・・・」
ズッドォォォオオォオンッ!!
サイフレット提督
「どうしたッ!」
英水兵1
「空母ハーミーズ・・・轟沈」
戦艦日向が放った、6発の徹甲弾のうち、一発がハーミーズの飛行甲板を突き破り、機関室で役目を終えた徹甲弾が、ハーミーズの竜骨を圧し折った、その結果、ハーミーズは、くの字に折れ、1分もかからずその姿を深い海に沈めた。
??
「そ・・そんな、ハーミーズ姉さま!」
目の前で沈み逝く、ハーミーズの名を叫ぶ、イラストリアス
イラストリアス
「・・・許さない・・・絶対許さないわよ」
その時、
伊勢が第二射を放った
第一連合艦隊
第二戦隊 旗艦 戦艦伊勢 艦橋
水兵1
「敵空母撃沈!」
砲術長
「やるなぁ、日向の連中」
武田艦長
「感心している場合ではないぞ砲術長、日向の連中に後れを取るな」
砲術長
「了解、第二射用意ィ!」
砲塔長1
「1番主砲、装填完了」
艦内電話を通じ一番主砲塔から装填完了の連絡が入る
砲塔長2
「同じく2番主砲装填終わりッ!!」
砲術長
「第二射用意!完了!」
武田艦長
「撃~~っ!!」
ズッドォォオォ~ン
水兵1
「着弾・・・今!」
水兵2
「敵空母、艦橋に命中弾確認!敵空母速力低下」
水兵3
「敵巡洋艦こちらに向かってきますッ!」
武田艦長
「目標変更、敵巡洋艦に照準!」
砲術長
「了解!」
第16任務部隊
旗艦 空母 エンタープライズ 艦橋
米士官1
「英国太平洋艦隊旗艦イラストリアスからの通信が途絶しました」
米水兵1
「敵機、来ますッ!!」
スプールアンス提督
「くッ、各銃座自由射撃開始!全兵器使用自由!」
米艦隊旗艦エンタープライズが対空砲火を撃ち上げる、それを合図に重巡、軽巡、駆逐艦も、必死に弾幕を張る、
米水兵2
「左舷より敵機、雷撃体勢!」
米士官1
「何としても撃ち落とせ!」
米水兵3
「駄目だ、上からも来やがったッ!!」
急降下爆撃機彗星2機が、エンタープライズに襲いかかった
エンタープライズ
「来るなーッ!!ジャップッ!!」
エンタープライズが叫びながら、セイバーで彗星を切ろうとする
それに伴い、対空砲火が彗星に向けられる
だが、
彗星はそれに臆することなく、
急降下を敢行する
米水兵1
「敵機投弾!回避を!!」
艦長
「面~舵!」
米操舵手
「アイ・サー」
操舵手が舵輪を懸命に回す
だが、
ズガーン
ズガーン
250キロ爆弾2発が、エンタープライズの飛行甲板、中央と後部に命中した
エンタープライズ
「グハァァァッ!!」
エンタープライズが吐血する。軍服が血だらけになる。
エンタープライズ
「くっ、このぐらいで・・・」
セイバーを杖のようにして、何とか立つすると・・・
彼女の目に映ったものがあった
後方で必死に対空戦闘を行っている
空母ホーネットに
忌々しい、日の丸をつけた双発機が
襲いかかろうとしていた
翔鶴攻撃隊 銀河改
野中五郎大尉機
野中
「ほう、艦爆隊の連中やるじゃないか」
野中
「よし、最後尾のヨークタウン型からだ!」
『了解』
無線から、銀河改全機の搭乗員が答える
銀河改の発動機、誉一二型が唸る、
野中
「まだだぞ・・・」
猛烈な対空砲火を潜り抜けて
野村大尉機が雷撃体勢に入る
野中
「いまだ!投下ァァ!!」
ズッシャァ
銀河改から九一式航空魚雷改2が投下された
九一式航空魚雷改2は真っ直ぐ、突き進み
空母ホーネットの艦尾に命中した
野中
「やったぞ、命中だ」
銀河改搭乗員1
「艦尾なら、推進器か舵のどちらかに被害を与えているはずです」
野中
「全機攻撃は終わったか」
銀河改搭乗員2
「はい、終わったようです」
野中
「よし、後は、第二連合艦隊に任せる、全機帰還する」
第16任務部隊
旗艦 空母 エンタープライズ 艦橋
米士官1
「敵機が引き揚げます」
スプールアンス提督
「全艦の被害を報告せよ」
米士官2
「了解、空母ヨークタウン、ホーネット中破、ワスプ、レンジャーは大破しています」
艦長
「本艦は飛行甲板後部に爆弾が命中し、発艦はできますが、着艦はできません」
スプールアンス提督
「・・・英国艦隊は?」
米士官1
「現在、巡洋艦ヨークから撤退するとの無電を傍受しました」
スプールアンス提督
「ヨークだと、旗艦のイラストリアスはどうしたんだ」
米士官2
「はい、報告だと、敵戦艦からの砲撃を艦橋に受けて・・・」
スプールアンス提督
「・・・そうか・・・本艦隊はこれより撤退する、戦艦部隊にも打電せよ」
米士官1
「了解」
米水兵1
「敵機来襲!」
第17任務部隊に第二次攻撃隊が襲来した
スプールアンス提督
「まだ来るか・・・対空戦闘用意!」
米士官2
「アイ・サー」
第二次攻撃隊
第二次攻撃隊には、第二連合艦隊の音神、蒼山そして、何故か電空が一機含まれていた
その電空に搭乗していたのは・・・
翔平
「おっ、山本長官見えてきましたよ」
山本五十六
「おっ本当だ、機長もう少し降りられないか?」
第一第二連合艦隊の長官であった。
伊藤整一
「何言っているんですか、山本長官」
伊藤整一中将も乗っていた
翔平
「もう少し高度を下げないとよく見えないじゃないか」
機長
「林長官まで、これ以上高度を下げたら間違いなく、対空砲火にやられますよ」
翔平
「だ、そうですよ、山本長官」
山本五十六
「それは残念だ」
翔平
「大丈夫ですよ、なにせ着艦を敢行するのですから」
山本五十六
「そうだったな」
機長
「林長官、音神隊が突撃命令を待っています」
翔平
「よし全機突撃!」
機長
「了解」
音神 山口中佐機
昇
「命令が来たぞ、全機突撃、アメさんを脅かしてやれ」
哲也
「了解、では先に行きます」
昇
「おぉ、行って来い」
哲也
「では、行ってきま~す!」
おい、どこかに買い物に行くみたいな会話だな
第16任務部隊
旗艦 空母 エンタープライズ 艦橋
米水兵1
「敵機一機突っ込んでくる、速い!」
スプールアンス提督
「何としても撃ち落とせッ!これ以上攻撃されたらパールハーバに帰れなくなるぞ!」
音神が超音速でエンタープライズの艦橋横一メートルの地点を通過する
すると
バリン
艦橋の防弾ガラスが全部割れた
スプールアンス提督
「わっ、何が起こったんだ!」
米士官2
「分かりません、敵機が高速で通過したらいきなり・・」
スプールアンス提督
「・・まさか・・奴らは音速を超えているのか?」
そうだ、と言わんばかりに、音神が急降下や急旋回を繰り返す
それから30分間、音神、蒼山は米艦隊の周りを高速で飛び回り
米艦隊、将兵の精神を削った
スプールアンス提督
「なぜだ、何故奴らは、一思いに攻撃しないのだ!」
米士官1
「分かりません、でも確かなのは、我々は日本軍から逃げられないと言う事です」
その時さらに米艦隊に報告が舞い込んだ
米水兵3
「レーダー室から報告敵艦隊探知!大艦隊ですッ!!」
スプールアンス提督
「・・・」
スプールアンス提督は黙り込んでしまった
制空権は皆無、さらに、強力な敵艦隊が襲来したら
米水兵1
「敵双発機が接近中!」
スプールアンス提督
「撃ち落とせ」
米水兵2
「それが攻撃をかける様子が・・・」
スプールアンス提督
「なんだと・・」
スプールアンス提督は、艦橋の割れた窓から、問題の双発機を見る
スプールアンス提督
「・・・・」
確かに、攻撃をかける気配はなさそうだ、脚を出しているし、何より速度が遅い
スプールアンス提督
「・・・何をするきだ?」
もちろん接近中の機体は、電空だ
知っての通り、電空つまりV-22オスプレイはティルトローター機でありヘリコプターのように、着陸、離陸ができる。
電空機内
機長
「長官、着艦しますよ」
翔平・山本
『たのんだ』
機長
「了解!」
伊藤整一
「それにしてもどうして私をわざわざ軍令部から呼び寄せたのですか」
山本五十六
「敵将、スプールアンスと友好があるだろう?」
伊藤整一
「はい、駐米武官時代に」
山本五十六
「うん、今回スプールアンス少将との交渉には君が必要だと思ったから呼んだんだ」
伊藤整一
「そうですか」
機長
「行きますよ」
翔平
「頼んだ」
機長
「ティルト変更・・90度!!」
電空の発動機が90度になる
機長
「着艦ッ!!」
第16任務部隊
旗艦 空母 エンタープライズ 艦橋
スプールアンス提督
「なッ!!」
スプールアンス提督は、奇怪な双発機が、飛行甲板上空に近づき、上空で静止するのを見て驚愕した、
米士官1
「空中で静止している・・・」
米水兵1
「おい、見ろ!着艦するきだ」
米将兵も同じく驚愕していた
スプールアンス提督
「・・・私は甲板に出る」
スプールアンスは艦橋から出ようとする
米士官2
「提督!お待ちください!危険です!」
士官が止めようとする
スプールアンス提督
「ふっ・・・大丈夫さ、感だが、旧友が語りに来たような気がしてね」
スプールアンス提督は艦橋から出て行った
米士官3
「提督!」
後から、士官の一人が水兵を数人伴なってついていく
電空機内
機長
「全着艦作業終了!!」
山本五十六
「お見事!」
翔平
「では行きますか」
伊藤整一
「はい」
翔平たちが電空から降りると・・・
翔平
「う・・・」
銃剣を差した小銃に囲まれた
山本五十六
「やっぱり、銃口に囲まれるのは、いやだな」
伊藤整一
「そうですね・・・・アッ!」
伊藤整一中将は見知った顔を見つけた
それは、駐米武官だったころに知り合った友人であった
伊藤整一
「レイモンド」
米将兵の中から一人の将校が出てくる
スプールアンス提督
「セ、セイイチ、どうしてここに」
伊藤整一
「交渉にさ」
山本五十六
「そうです、我々は交渉に来たのです」
スプールアンス提督
「・・・士官室にお連れしろ」
米士官3
「ア、アイ・サー」
空母 エンタープライズ
士官室
スプールアンス提督
「それにしても・・・アドミラル・ヤマモトを始め、日本海軍の首脳陣が何の用ですか?」
山本五十六
「率直に言いますと・・・降伏を勧告に来ました」
そう山本が言うと、米首脳陣が一斉に笑い出した
スプールアンス提督
「ハハハハ・・・出来る、分けないでしょう!我々は制海権こそ皆無ですが、多数の巡洋艦、駆逐艦に守られている」
翔平
「ですが、私の艦隊が今あなた方の艦隊を包囲中です、私の命令ひとつで、この艦隊を海の藻屑と消えます」
スプールアンス提督
「ん?失礼ながら貴官は?」
スプールアンス提督は、大将の階級章を付けている、ズバ抜いて若い将校に疑問を持った
翔平
「あっ、失礼自分は第二連合艦隊司令長官林翔平です」
スプールアンス提督
「なっ!なら包囲している艦隊も」
翔平
「第二連合艦隊です」
スプールアンス提督
「・・・・」
山本五十六
「提督、我々は出来れば、米国とも戦いたくないんです、我々は一刻も早い、世界平和を求めています、戦争をやりたがっているのは一部の特進階級だけです」
スプールアンス提督
「・・・確かに、だが・・」
翔平
「スプールアンス提督、戦争は無意味な争いです、ですが、国民が愛する祖国のためにと、信じて、一つしかない命を国にささげるのです、しかし往々にして国家の指導者とその指導者を支持する特権階層が国民を戦争に駆り立てるのです、スプールアンス提督、彼らの利益のために、何故若者が命を捨てなければならないのでしょうか?っと、私はそう思います」
スプールアンス提督
「・・・分かった、してその条件は?」
山本五十六
「空母ヨークタウンクラス3隻、こちらは、貴艦隊が帰還するまで、手を出しません」
翔平
「それと、私の艦隊から、病院船を出しましょう」
スプールアンス提督
「分かりました」
その後スプールアンス提督は、艦内放送を使って事情を伝えた、山本五十六初め、翔平、伊藤も滑らかな英語で彼らに訴えた・・・
乗組員たちは、最初は驚き疑ったがやがて理解した
戦争など誰も望んでいないのだから
戦争をやりたがっているのは一部の特権階級だけなのである
その後、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットの三隻から、乗組員が病院船橋立、厳島に、移りハワイへと向かった
翔平
「ふ~、死ぬかと思った」
翔平はエンタープライズ飛行甲板にへたり込んだ
山本五十六
「林君、そんなに疲れたのか」
翔平
「山本長官は、疲れないんですか、主に精神的に」
山本五十六
「こんなことで疲れていたら先が持たんぞ、林君」
翔平
「そうでしたね、山本長官」
その時、電空から機長が飛び出してきた
機長
「長~官!」
翔平
「そうした機長?」
機長
「吉報です!第二戦隊からの報告が来ました、英艦隊の捕獲に成功しました」
山本五十六
「作戦通りだな」
伊藤整一
「はい」
翔平
「では、戻りましょうか」
山本五十六
「そうだな、では機長」
機長
「はい、責任をもって、大和までお送りしましょう」
翔平
「機長頼んだぞ」
機長
「はい、林長官、ではまた迎えに来ます」
翔平
「待っているぞ」
翔平は、エンタープライズの飛行甲板から、飛び立つ電空を見送ると、
エンタープライズの艦橋に足を進めた
翔平
「(さっきから、誰かにつけられている気がする・・)」
翔平はそんなことを感じながら艦橋に向かった
空母 エンタープライズ 艦橋
翔平
「ここが艦橋か、実に機能的にできているな・・・おい、さっきからコソコソ後をつけるのは止めてくれないか」
翔平が言うと、影から長い銀髪の少女が出てきた
エンタープライズ
「何故わかった?」
翔平
「感だ」
エンタープライズ
「感だと・・・」
翔平
「そうだ、ところでこの艦の艦魂が俺に何の用か?」
エンタープライズ
「お前は、アメリカ合衆国をどう思っている」
翔平
「ん?アメリカ?今のか」
エンタープライズ
「そうだ、今の大統領をどう思う」
翔平
「ルーズベルト大統領か・・・日本を戦争に引きずり込んだ張本人」
エンタープライズ
「やっぱりそうか・・・アメリカ自体はどう思っている?」
翔平
「アメリカ自体は好きだぞ、日本の良きパートナーでもあるしな」
エンタープライズ
「そうか・・・うん?一寸待て!なんだ、日本の良きパートナーでもって」
翔平
「その話は、呉に帰ってからだ」
エンタープライズ
「無事に、私達を連れて帰れると?」
翔平
「もちろん、連れて帰るさ」
エンタープライズ
「雷撃されるぞ」
翔平
「何にだ?」
翔平が言った時、まさにタイミングよく
SH-60Kが30機
飛び立った
エンタープライズ
「なんだあの機体は?」
翔平
「対潜ヘリ、SH-60Kこの時代の潜水艦では、あれからは逃げられない」
エンタープライズ
「この時代?」
翔平
「おっと、口が滑った」
エンタープライズ
「話せ、この時代とはなんだ、やっぱりお前たちは・・・」
エンタープライズは翔平の胸ぐらを、掴み問いただす
翔平
「後で話す」
エンタープライズ
「本当だな」
翔平
「もちろん、約束しよう」
エンタープライズ
「分かった」
翔平
「おっと迎えが来たようだ、今日の夜、播磨の長官室に来てくれ」
翔平はそういうと、艦橋から出て飛行甲板に向かった
第二連合艦隊
旗艦 イージス戦艦 播磨 長官室
翔平
「さて現在の状況は?」
啓太
「現在、第一連合艦隊がミッドウェー島に艦砲射撃を実行中です、艦砲射撃が終わり次第、一木旅団がミッドウェー島に上陸する予定です」
一木旅団、本来一木支隊と呼ばれた、旅団は、現在、大日本帝国陸軍の標準装備とされている、一式自動小銃が三八式歩兵銃の代わりに配備されている
また5両の一式戦車、一式対空戦車を始め、諸車両で機械化を図っている
翔平
「作戦通りか・・・英国空母は」
葵
「はい、英国空母は、空母イラストリアス以下3隻を拿捕し、修理のため神戸に入渠しました」
翔平
「英国空母の拿捕は予想外だったな」
葵
「そうですね」
武
「でもこれで改装の仕事が増えるわけだ」
武が嬉しそうに答える
翔平
「頼むから、使う側の方も考えてくれよ」
武
「任しとけ」
翔平
「さて・・・こんなもんか」
啓太
「おう、これで大体の報告は済んだ」
その時、長官室のドアがノックされた
翔平
「どうぞ」
エンタープライズ
「失礼する」
翔平
「来たか・・・うん、後ろの二人は、ヨークタウンとホーネットか?」
エンタープライズ
「そうだ」
翔平
「そうか、じゃあ、改めて、日本海軍へようこそ、俺が当艦隊の司令長官林翔平だ」
播磨
「この艦の艦魂、播磨よ、宜しく」
エンタープライズ
「あっ・・・私はエンタープライズ」
エンタープライズは微妙な表情を浮かべながら答える
ヨークタウン
「こちらこそよろしく、私はヨークタウンよ」
頭に包帯を巻いている、長身の少女が答える
ホーネット
「私はホーネット、宜しく!」
松葉杖を突きながらも、元気に答えるホーネット
翔平
「宜しく、では、単刀直入に話そう、俺ら第二連合艦隊は、未来の日本海軍だ」
エンタープライズ
「やはり、何故この時代に来たんだ」
ヨークタウン
「ちょ、一寸、エンター、そんな話をまともに信じるなんて、どっかでこけて頭を打った?」
エンタープライズ
「いや、ヨーク姉さん、私は正常だ、でも姉さんあんな航空機を見たら、そう思ってもおかしくないだろう」
ホーネット
「確かにそうだね~」
翔平
「では、これから恒例の映画を見せる、啓太!」
啓太
「ほい」
照明器具が消され、液晶テレビがつく
一時間後
翔平
「どうだった?」
ヨークタウン
「何というか・・・」
翔平
「お~やっぱりその反応か・・・鳳翔」
エンタープライズ
「鳳翔?世界で初めて、航空母艦として設計された艦の艦魂?」
翔平
「いや、そっちではなくて・・」
鳳翔
「呼んだか?」
翔平
「早いな、一寸、ヨークタウン達の話し相手になってくれ」
鳳翔
「うっ、何故私がそんなことを・・・」
翔平
「頼むよ、同じアメリカ艦だろ」
鳳翔
「・・・分かった」
ヨークタウン
「あの、長官、彼女は?」
翔平
「元アメリカ空母の鳳翔」
エンタープライズ
「元?」
翔平
「そうさ、まぁくわしい話は鳳翔から聞いてくれ」
ヨークタウン
「分かったわ」
ヨークタウンたちは鳳翔に連れられて、長官室を出て行った
武
「翔平報告したいことがあるんだが」
翔平
「ん?どうしたんだ」
武
「この間、機関のメンテをしただろう」
翔平
「あぁ、二年に一度のメンテだろ」
武
「そうなんだが、この時代に来て3回のメンテをしただろ」
翔平
「あぁ、そうだな」
武
「実はな、部品が全く消耗していないんだ」
翔平
「・・・ハァ?」
翔平は、人生最大級の、間の抜けた返事をした
武
「純水素タービンエンジンは、設計上では中のタービンを二年間に一度交換しなければ、爆発する危険もある、だが、過去三度交換してきたが全く消耗していない、それだけではない、多少の海水をかぶっているはずの、主砲塔、両用砲、機関砲までもが、全く腐食していない、さらに、この艦隊の全艦を精密に検査したところ同様の現象が起きている」
この話を聞いてさらに、清水参謀がしゃべりだす
葵
「長官一寸私にも気になることが」
翔平
「なんだ」
葵
「この間、健康診断がありましたよね」
翔平
「あったな」
第二連合艦隊の将兵は、病院船橋立、松島、厳島の3艦で半年に一度健康診断を受けている
葵
「実は、過去に来てから、全ての将兵の身長が伸びていないんです」
翔平
「はい?いったい、何が起こったんだ」
播磨
「分からないわ」
??
「教えて、あげましょうか?」
突然長官室に声が響いた
翔平
「誰だ!?」
翔平が叫ぶと、突然辺りが真っ白になった。
天嶽
「遅くなりましたすみません」
播磨
「なにしていたの作者」
天嶽
「パソコンが新しくなってから初期設定とか、リカバリディスクの作成とか、いろいろと」
播磨
「っで、今回はものすごく微妙なところで終わったけど」
天嶽
「今、鋭意執筆中です、あともう少し時間を」
播磨
「GWが終わるまでにできるでしょうね」
天嶽
「最善を尽くします」
播磨
「よろしい」
天嶽
「(ほとんど脅しだよ、主砲を突き付けてくるなんて)」
播磨
「では読者の皆様、ご意見ご感想お待ちしています」




