第二十話 暫しの休息
5月15日
帝国海軍 呉海軍工廠
現在、呉海軍基地では、珊瑚海海戦で捕獲した、サラトガ、レキシントンの改造修理中であった、そのドックの横では、第二連合艦隊の旗艦イージス戦艦播磨、三笠が2年に一度の、機関等の定期点検が行われていた、定期点検の期間は5日間とされていた、その間、第二連合艦隊の旗艦はイージス戦艦紀伊になっていた。
イージス戦艦紀伊 長官室
翔平
「・・・っあ、間違えた」
翔平は仕事中であった
コン コン
翔平
「どうぞ」
山本
「林君、失礼するよ」
第一連合艦隊司令長官山本五十六大将と宇垣纏少将が入ってきた
翔平
「山本長官、宇垣参謀長も、どうしたのですか突然」
山本
「いや、次の作戦の最終の打ち合わせをやろうと思ってな」
翔平
「そんな事でしたら、此方から行きましたのに、あっどうぞかけてください」
山本
「山本
「うん、林君いよいよ、MI作戦改が実行されるときは来た、我々が史実で大敗北した海戦を乗り越える時がな」
翔平
「はい、その作戦のために、すでに第一潜水機動艦隊がPに向かっています」
宇垣
「それに最新鋭の空母大鳳型2隻さらに空母雲龍型4隻もすでに就役、現在完熟訓も終了し、現在第二機動部隊に編入され、陸奥湾で待機中です」
第二機動部隊・・・空母大鳳型2隻、空母雲龍型4隻、戦艦、上総、下総、豊前、豊後、重巡最上型6隻、軽巡阿賀野型10隻、駆逐艦30隻で編成された艦隊の事である
翔平
「それと、実は、英国、独逸に動きがあります」
山本
「どんな、動きだ」
翔平
「英国はH部隊を太平洋に回航させるつもりです、それと独逸は大量のUボートを東シナ海に送り込むつもりです」
宇垣
「H部隊ですか、確か地中海に展開されていた部隊ですな」
翔平
「そうです」
山本
「このタイミングで、ミッドウェーに出てくるか」
翔平
「たぶん出てきます、その時は戦艦部隊に出てもらいます」
宇垣
「そうすると艦船の油の消費量が膨大な量になるぞ、第二連合艦隊はいいとして、他の艦は重油で動く、内地の燃料備蓄が底をついてしまうぞ」
翔平
「そこの所は問題ないでしょう、南方からの燃料輸送は順調ですし、内地の燃料備蓄は十分あります、それに、満州国からも極秘に大量の原油が輸入されてますしね」
満州では、史実の大慶油田を1939年に発見し、連合国には極秘で、掘削施設、生産施設等の設備を建設、今年に4月やっと生産が始まった、大油田である、これにより満州国の港湾施設も大規模なものに拡張した。
山本
「それは俺も聞いている、完全なる独立と、軍整備の手助けと引き換えに、だろう」
翔平
「はい、もうすでに、輸出用の駆逐艦5隻と、海防艦10隻、さらに防空用の零戦21型100機が輸出されています」
このように亜細亜の国々では、独立を果たした国の要請があれば、大日本帝国は、資源等との引き換えで、艦船、戦闘機等を譲渡している、もちろん、ソナー、レーダー等の電子機器と主砲は、劣化版だが、この時代の、連合国のと、比べるとまだ日本製の方が性能的に上であった
山本
「素早いな」
翔平
「いえ、全部私がやった事じゃありませんから」
山本
「これで問題は一つ解決したな、後は艦隊の位置だが」
翔平
「小沢中将の第一機動部隊は第一連合艦隊と事実通りの航路でお願いします」
山本
「林君、君達はどうするんだ?」
翔平
「我々は、そうですね、南回りに、連合軍艦隊を挟み撃ちにしましょう」
山本
「林君、やれるのかね、」
翔平
「もちろんです、山本長官」
山本
「そうか、では次はダッチハーバーを攻撃する艦隊だが」
宇垣
「それは、第二機動部隊でいいと思います、ダッチハーバーには、敵の有力な戦力は確認されていませんし」
翔平
「そうですね、それがいいでしょう」
山本
「でもそうすると本土の守りが」
翔平
「そこは、本土防衛航空隊に任せましょう」
本土防衛航空隊とは、文字通り、航空隊であり、主な機体は、一式陸攻改、銀河、日本初の4発機、深山を中心に編成されており、本土に侵攻してきた敵艦隊に攻撃する部隊だ。
山本
「そうだったな」
翔平
「そうですよ、それにまだ、戦艦他巡洋艦駆逐艦30隻以上を本土に残しておきますから、大丈夫ですよ」
山本
「ではこれで本土の防衛も強固になったわけだ」
翔平
「はい、しばらくの間は大丈夫でしょう、でも米国の工業力を甘く見てはいけません」
山本
「そうだな、こっちはその分、策で勝たねばならないな」
翔平
「はい」
山本
「では次に・・・」
この作戦会議は、1時間続き、より綿密に作戦が立てられた
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