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冷遇された伯爵令嬢、公爵令息に拾われ人生逆転します  作者: もも


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3/5

3 公子と公女の陰謀

よろしくお願いします

 「ウインザー伯爵家ね」


「前伯爵夫妻が事故で亡くなった家だ。今伯爵代理は弟がやっている。それで兄の娘を虐待か。ドレスも安物だったしパートナーもなしでデビュタントに来させるとは余程腐っているらしい」


「許せないわね」


「今調べている。きっと叩けば埃がいっぱい出そうだ。警備は厳重にしておこう。歯向かえば潰す」


「お兄様のそういうところ好きよ」


「こうでもしなければ大事な人は守れないからね」


「私には隠してるけど父様もそういうところはあるものね」


「貴族なんて綺麗ごとだけでは生きられないよ」


「傷だらけの子猫ちゃんを守りましょうね。兄様」


「任せておけ」


二人は顔を見合わせて悪い顔で笑った。






忍ばせた影は直ぐに情報を掴んで帰って来た。


ウインザー伯爵代理は真っ黒だった。デビュタントの帰りに事故に見せかけて殺すつもりだったという報告だった。


ふうーーーー間に合ってよかった。あの時倒れて良かったね、子猫ちゃん。


他にも違法薬物販売をやっていた。挙句の果てがお家乗っ取りと虐待ときた。

これはもう父上に報告しなければ手に負えない。さっさとローズマリー嬢には縁を切ってもらおう。連座で処分なんて可哀想すぎる。


どこかに養子に入ってもらった方が良いんじゃないかなと考えていたら、母上の弟クリス叔父様のバルモア伯爵家が手を上げた。ローズマリーの身の上に同情した叔母様が乗り気になったのだ。


こうしてデビュタントで拾った子猫ちゃんは国の大事件を連れてやって来たのだった。








 ウインザー家の悪事の報告はローズマリーの体調の良さそうな時を狙って話すことにした。まだ少ししか食べられるようにはなっておらず痩せたままの彼女は、気丈に話を受け止めた。



「あの人たちに恨みこそあれ掛けるような情はこれっぽちもありません。はっきり言って悪魔だと思っていました。どうぞ思う存分処罰してくださいませ」


「取り締まりの前に君の籍は抜いてバルモア伯爵家の養女になって貰おうと思うんだ。

母上の弟で外交官もしているがケーキ屋も経営している実業家だ。男の子ばかりで娘が欲しかったと言って叔母上が乗り気なんだ。どうだろうか?」

ウイルフリードは慎重に話をした。


「赤の他人の私にそこまでしていただきありがとうございます。本当に良いのでしょうか?図々しくありませんか?」


「これはわが国を陥れる大犯罪の摘発だからね。気にしなくていい。

それと私の名はウイルフリード・ハミルトンだ。君が屋敷に来たときはあまりびっくりさせると緊張すると思って言わなかった。ごめんね」


「ハミルトン公爵令息様だったのですか。あの時知っていたら申しわけなくて逃げ出していたかもしれません。本当にありがとうございます」


一瞬青ざめたローズマリーにウイルフリードは自分たちの判断は間違っていなかったとほっとした。





事を重く見た陛下は直ぐに許可を出し養子縁組は素早く行われた。




 その二ヶ月後ウインザー伯爵代理一家の逮捕が騎士団により速やかに行われた。男と平民の妻と娘は処刑が決まった。配下になっていた組織も一網打尽にした。


使用人達は全員クビになった。評判は付いて回るので雇う貴族家はないだろう。誰もローズマリーを助けようとはしなかったし、一緒になって虐めた者は処刑となった。


国を揺るがす犯罪は人々の話題を攫った。可哀想な令嬢の名は事件の酷さと凶暴さの陰で幸い記憶に残らなかった。






 こうしてウインザー伯爵家は一旦王家預かりとなった。ローズマリーが将来力を付ければ返されることになった。現在経営は国の役人が管理している。






 今まで勉強の機会がなかったローズマリーは伯爵家で家庭教師を付けてもらい学んでいた。


そこへ足繁く訪ねているのはウイルフリードだった。


「ウイルフリード様見てください。この絵本読めるようになりました」


「外国語を勉強しているの?クリス 叔父様の影響かい?」


「それもありますが、シルビア様が絵本から勉強すると良いわよって教えてくださったのです。綺麗ですし可愛いです。もちろん他の勉強もやっています」


キラキラと輝く瞳は出会った頃より楽しそうだった。頬がふっくらし髪にも艶がある。


「綺麗な文字を書く練習もダンスもマナーも刺繍も執務の勉強も出来るようになったのですよ」

にこにこと報告をするローズマリーが可愛い。


「刺繍も出来るのか、見たいな」


「実はここにあるんです。ウイルフリード様に差し上げようと思って刺しました。どうぞ」


「これは黒猫だね。紫の目だね可愛いな。もしかして私かな」



「はい、喜んでいただけましたか?こちらはシルビア様に渡してくださいませ。金色の猫を刺してみたのですが気に入っていただけるでしょうか?」


「見事だね。気に入るに決まっている。売ってある物のようだ」




叔父の家には十五歳と十歳の従兄弟がいた。


「ウイルフリード兄様いらっしゃい。ローズマリーはとても良い勉強相手なんだ。教えてあげると理解が深まって僕の成績もあがったんだよ。楽しいよねローズマリー」


思い出していると、ちょうど応接室に入って来た従弟のアルフレイドが人懐こそうな笑顔で言った。


「ええ二人とも教え方が上手だから」


「あっ兄様もハンカチ貰ったんだ。上手だよね。学院で羨ましがられたよ」


慣れ慣れしい従兄弟が何故か面白くないウイルフリードだった。

読んでいただきありがとうございます!楽しんでいただければ嬉しいです。

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