表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流浪の軍師ー三国志・賈詡文和伝ー  作者: 涼風隼人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/51

第46章 賈詡、曹丕に相談を受ける

 潼関の戦いに勝利し、賈詡は許都に帰還した。


 曹操はこの戦いの第一功を賈詡とし、尚書から尚書令に昇進をさせた。許都での政務を統括する非常に重要な役目であった。


 この時、思いもよらぬ人物の訪問を受けた。


 曹操の嫡男である「曹丕」である。この時、二十五歳であった。

 曹操は五十七歳であるが、まだ後継者である太子を定めていなかった。

 普通であれば、嫡男の曹丕で決まるところ、曹操は現在二十歳の七男である曹植を非常に可愛がっていることから、後継者争いが静かな形で進行している。


 この時賈詡は六十五歳。


 「後継問題の相談か・・・。」

 賈詡は曹丕来訪の目的にはすぐに気づいた。

 賈詡はここまで、派手な人付き合いをせず、慎重に慎重を重ねて人生を歩んできた。

 正直、今回の曹丕の来訪は迷惑以外の何物でもなかった。

 後継争いなど、政争の極みであるからである。

 しかし、曹操の嫡男を無下に返すわけにもいかず、自室に通した。賈詡は拝礼する。

 

 「これは、曹丕様。丞相のご嫡男が、私の様な老いぼれに何の御用でしょうか。」

 曹丕は拝礼を返して言う。


 「賈詡先生。父である曹操は、非常に賈詡先生を信頼しております。率直にお聞きします。父から、後継者に関する諮問など、受けたことはございますか。」

 「いえ、全くございません。どなたが後を継ぐかというのは、完全に曹家の、お家の問題であります。一家臣の私ごときに諮問など、あるはずがございません。」

 

 「そうですか・・・。もし、もしなのですが、父の跡継ぎに誰がふさわしい、と直接聞かれたらどうなさいますか。」

 「先ほどと答えは変わりませぬ。私は余計なことに口出しは致しません。」

 

 「そうですか・・・。賈詡先生、一つだけ教えてください。」

 「質問の内容によりますが・・・。」

 「・・・はい。後継者になるために様々な努力を見えるような形で過ごすのか、普通に力まずに暮らすのがいいのか、いずれになりましょう。」

 

 「余計なことを考えず、子として親に当然の孝を尽くすことだと思います。全く、期待しているお答えにはなっていないと思いますが・・・。」

 

 「いえ、賈詡先生。曹植は父同様、文才に優れており、私など足元にも及びませぬ。そのことで気後れし、何か弟を凌ぐものをと考えておりましたが、自分の浅知恵が非常に恥ずかしく思います。お忙しいところ、お話を聞いて頂き、本当にありがとうございました。」

 

 曹丕は深々と拝礼し、帰っていった。このことに、曹丕がどれだけ感謝していたかということは、後に、形としてあらわされるのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ