32 ジャック・オー・ランタン
「よし、六本木に到着したぞ。ここから地上に出るんだ」
僕たちは六本木の地下鉄駅から地上に出た。そこにはまがまがしい巨大建造物があった。
「こ、これが魔王城か!?」
「ここにキヨハルがいるんだね」
僕たちが魔王城に入ろうとすると、頭がかぼちゃで、黒いボロボロのマントに身を包み、手に大鎌を持った奴が立ちふさがった。
「なんだこいつは! まだハロウィンの時期じゃないぞ!」
「さっきと少年と同じ、魔王軍の四天王なんじゃない?」
かぼちゃ頭のジャック・オー・ランタンは無言で僕たちに襲い掛かってきた。どうやら無口な奴らしい。
「襲い掛かってきたよ!」
「魔王城の門番の役割みたいだな。僕に任せろ。この聖剣エクスカリバーの錆にしてくれる!」
僕は聖剣エクスカリバーを抜いた。その剣身はわずかに電気を帯び、発光している。雷の属性が付与されているのだ。この剣で斬られたものはかみなりに打たれたみたいな電撃を同時にくらう。
「おりゃあああああ!」
「頑張って、お兄ちゃん!」
キン、キン、キン、キン、キン、キン!
「なかなかやるな! さすが四天王というだけある!」
キン、キン、キン、キン、キン、キン!
「隙あり! 今だ! エクスプローション・サイコネーション・アンプテーション!」
ずばっ!
どかーん!
「やったあ! ジャック・オー・ランタンをやっつけた!」
「なかなか強かったが、僕にはかなわなかったみたいだな」
剣を鞘に納める。
僕とユキは魔王城の扉の前に立った。
「行くぞ、ユキ」
「うん」
扉を開けて僕たちは魔王城に踏み込んだ。