30 作戦会議
僕たちは千葉県にある巨大地下シェルターの特別会議室にいる。魔王キヨハルを倒すための作戦会議だ。会議に参加しているのはそうそうたる顔ぶれ。警視庁の神代刑事、防衛庁長官、警視庁長官、統合幕僚長、総理大臣などだ。
「最初に言わせてくれ、私の息子キヨハルが魔王になってしまったのは、親である私の責任だ。私はキヨハルを全力で倒す。そしてすべてが終わった後は責任を取って辞任する」
キヨハルの父親である木村総理大臣は苦悶の表情でそう言って深々と頭を下げた。そして妥当キヨハルの会議が始まった。
神代刑事が現状の説明をする。
「現在東京はモンスターによってほぼ壊滅状態にあるわ。そのモンスターたちを操っているのはキヨハル。キヨハルを倒すことで、東京を取り戻すことができる」
「キヨハルはどこにいるんだ?」と僕は質問した。
「キヨハルは六本木に魔王場を建設して、そこにいる。これがその映像よ」
巨大スクリーンにまがまがしい巨大な城が映し出される。まさに魔王城という感じの城だ。
「おお!」と一同から感嘆が漏れる。
「え? 六本木に魔王城?!」
「魔王城の周りには強力なモンスターたちがいるから、簡単には近づけないの」
「ヘリを使って空から行くのはどうだ?」と防衛庁長官が尋ねる。
「空には飛行するモンスターがいるわ。飛竜とかね」
「じゃあ、残るは地下か?」
「そうよ。地下にもモンスターはいるけど、手薄になっているはず。ナイトくんには地下から魔王城に接近し、魔王を倒してもらおうと思ってる」
「わかった」と僕は言う。
「それと同時に地上と上空からも総攻撃をして、敵の注意を引き付けるわ」
こんなふうに作戦が決まっていった。
「クレアとエマとオリビアは自衛隊に協力してくれ。僕とユキと朝霧で地下から魔王城に乗り込む」
「御意」
「わかったのじゃ」
「了解いたしましたわ」
作戦が決まるとさっそく行動に移した。