29 反撃ののろし
僕たちは心強い仲間たちとともに日本に帰ってきた。現在パパとママは、モンスターの楽園と化した東京を離れ、千葉県のパパのお姉さんの家に避難している。
新たな仲間とともにその家に入って行く。
「ナイト、帰ってきたのね」とママが言った。
「剣を直してもらって、異世界から仲間を連れてきたよ。キヨハルは今どうなってる?」
「これを見て」
ママがテレビをつけると、画面にキヨハルが映し出された。
「俺は魔王キヨハルだ。東京はすでに俺が手中に収めた。これから日本を征服し、世界も俺のものにする予定だ。はっはっはっはっは」
「勝手なことを言いやがって……!」
僕はこぶしを握り締める。
すると電話がかかってきた。警視庁の神代刑事からの着信だ。
「もしもし」
「ナイトくん? 電話がつながらなかったから心配したわよ」
「ちょっと異世界に行っていたんだ」
「キヨハルのことは当然知ってるわよね? あなたの力が必要なの」
「うん、もちろん知っている。キヨハルを倒すために異世界に行ってたんだ」
「警視庁は全面的にあなたを支援するわ。力を合わせて魔王キヨハルをやっつけましょう!」
僕は神代刑事と落ち合ってキヨハル討伐の作戦を立てることにした。ここから反撃ののろしを上げるのだ。