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26 剣士クレアと伝説の鍛冶屋ヘパイストス

「よし、異世界に行くぞ」


「どうやって行くの?」とユキが尋ねる。


「空間移動魔法を使うんだ。空間魔法ワープドア!」


「わあああ! 目の前にどらが出現したであります」


「このドアの向こうが異世界なんだ」


「まるでどこでもドアね」


 僕は扉を開けると、そこは異世界の草原だった。ユキと朝霧もおっかなびっくりの体でドアを通過する。


「へえ、ここが異世界んなんだ」


「地球とあまり違わないみたいであります」


「まあ、ほとんど何も変わらないな。ただこっちの世界では魔法があって、モンスターが出るぐらいだ」


「あっ、向こうに街が見えるであります!」


「あそこは剣が盛んな村で、僕のかつての仲間とドワーフの鍛冶屋がいるんだ」


「かつての仲間って?」とユキが尋ねる。


「僕と一緒に魔王を倒した仲間さ。僕は3人の仲間と共に魔王を倒したんだ」


 村に近づいていくと、中世ヨーロッパみたいな感じだった。そこにいる人たちは、人間以外にエルフやドワーフもいる。


「すごいであります! まるでドラクエの世界みたいであります」


 村の入り口には老人がたたずんでいた。僕たちが近づくと老人は口を開いた。


「剣と鍛冶が栄える村、バルムラへようこそ」


「あ、異世界なのに日本語を話してる!」とユキが驚きの声をあげる。


「剣と鍛冶が栄える村、バルムラへようこそ」


「自分は朝霧明日香であります!」


「剣と鍛冶が栄える村、バルムラへようこそ」


「あれ? このおじいさん、さっきから何回も同じこと言ってるよ」


「剣と鍛冶が栄える村、バルムラへようこそ」


「わかったであります。きっとこのおじいさんはゲームのNPCと同じで、決められたセリフしか言えないのであります!」


「剣と鍛冶が栄える村、バルムラへようこそ。剣と鍛冶が栄える村、バルムラへようこそ。剣と鍛冶が栄える村、バルムラへようこそ」


 僕は首を振った。


「いや、このじいさんはただぼけているだけだ」


 朝霧とユキはずるっとずっこけた。


「なあんだ」


「勘違いしたであります」


 僕たちが村の中を歩いていると、向こうから巨乳で腰がくびれてビキニアーマーの女剣士が歩いてきた。背中には大剣クレイモアを背負っている。


「や、ナイト殿ではござらんか!」とその剣氏は言った。


「やあクレア」と僕は片手をあげる。


「お兄ちゃん、この超絶エロいお姉さんは何者?」


「この超絶エロいお姉さんは僕の仲間だ。一緒に魔王を倒した」


「拙者、剣士クロエでござる。以後お見知りおきを」


「私はお兄ちゃんの妹のユキです」


「自分は、自分は、朝霧明日香でええええあります!」


「クレア、実はかくかくしかじかで困っているんだ」


「ナイトどの、かくかくしかじかでござったか。だったら、伝説の鍛冶屋、ドワーフのヘパイストスに剣を直してもらえばいいでござる。それに、その魔王キヨハルとやらの討伐に拙者も協力するでござるよ」


「ありがとう! すごく助かるよ」


「水臭いでござる。ナイト殿にはこの世界を救ってもらった恩があるでござる」


 ビキニアーマーの剣士クレアが仲間になった。


 僕たちは一緒に伝説の刀鍛冶であるドワーフのヘパイストスの家へ向かった。


「やあヘパイストス」


「む、お前は勇者ナイトじゃな」


「剣が折れたから直してほしいんだ」


 伝説の鍛冶屋ヘパイストスは、白いひげを蓄えた筋肉隆々の老人のドワーフだ。年を取っていてもナイフのような鋭い眼光をしている。


「お前! この剣を折ったのか! バカ者!」


「実はかくかくじかじかでかくのごとくなんだ」


「うーむ、魔王キヨハルとな。それじゃあ以前の通りに復元しただけではまた折られるやもしれんぞ」


「そこで、この剣をただ直すだけじゃなくてさらにパワーアップしてもらいたい」


「そんなに簡単ではないわ。まず、この剣を直すためには伝説の金属オリハルコンが必要なんじゃ。オリハルコンはドラゴンが住む溶岩洞窟の最奥にしかないぞ」


「大丈夫だ。オリハルコンなら持ってる」


 僕はゴブリンキングを倒したときに入手したオリハルコンを差し出した。


「おお! これぞまさしくオリハルコンじゃ!」


 ヘパイストスはすぐに僕の剣エクスカリバーを直してくれた。さらに、雷石という特殊な石をを使って、エクスカリバーに雷属性も付与してくれた。


「話によるとそのキヨハルとかいう輩は闇属性じゃろう。闇を払うには真逆の属性である雷が効果的じゃ」


「サンキューヘパイストス」と僕は霊を言った。


「ところで、さっきから気になっとったのじゃが、そこにいるおなごが背負っておる者はなんじゃ? 見慣れないものじゃが」とヘパイストスは朝霧のアサルトライフルを指さした。


「こ、これは、アサルトライフルであります!」


「アサルトライフル? なんじゃそれは? 聞いたことがないぞ」


「これは、銃口を標的に向けて引き金を引くことで弾丸が発射されて、標的を攻撃する武器であります」


 朝霧は実演して、窓の外の木に向けてアサルトライフルを撃った。


「ほう、なかなか優れた武器のようじゃな」


「だけど、アサルトライフルだと、弱いモンスターなら倒せるけど、ゴブリンキング以上の強いモンスターには聞かないんだ」と僕が説明する。


「わしにそのアサルトラフルとやらを貸すんじゃ。攻撃力をアップしてやろう」


「そんなことができるのか?」


「バカ野郎! わしを誰だと思っとる? それぐらい朝飯前の晩飯ぐらいのもんじゃ」


「ぜひお願いするであります!」


「さっきエクスカリバーを直したときに余ったオリハルコンを使おう」


 ヘパイストスは、オリハルコンを使ってアサルトライフルを強化した。


「これはオリハルコン製の弾丸じゃ。これなら強いモンスターでも倒せるはずじゃ」


 ヘパイストスはオリハルコン製の弾丸を朝霧に渡した。


「感謝いたしますであります!」と朝霧は敬礼した。


「次はどうするのお兄ちゃん?」


「うむ、次は、森に棲んでいるもうひとりの仲間のところに行くんだ」


「もしかして魔法使い?」


「その通り。ユキはあいつに魔法を教えてもらうといいかもしれないな」


 僕たちは剣士クレアを含めた4人で魔法使いの住む森へ向かった。


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