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17 国会へ行こう

 僕とユキと朝霧は、事務所のソファに座ってテレビを見ている。ヘカトンケイルを倒してから数日が立ったある日である。校舎の復旧が終わるまで学校は休校であり、その間、回復魔法が使えるようになったユキは僕のモンスター駆除の仕事の手伝いをしている。


 テレビ画面には、居間売り出し中のイケメン俳優木村清春が出ている。


「キヨハルってめちゃくちゃイケメンだよね。あこがれるなあ」とユキがうっとりとした目で言う。


「そうか? こんな軽薄そうなやつのどこがいいんだ?」と僕は反論。


「このキヨハルはいま大人気の俳優であります。父親が現役総理大臣というのも注目を集めている原因であります」とポリポリとお菓子を食べながら朝霧が言う。


「木村総理大臣の息子なのか。それは知らなかったな」


 刑事ドラマでアクションシーンを繰り広げているキヨハルは二十代半ばで、総理大臣の息子、イケメンで、いま女子の間で大人気の俳優だ。男の僕から見るとぜんぜんその魅力がわからないが、絶大な人気を博しているというのは動かしがたい事実である。


 三人でキヨハル主演の刑事ドラマを見ていると、臨時速報が流れた。その内容は、国会議事堂にモンスターが現れ、総理大臣を含めた大臣たちがピンチというものだった。


「お兄ちゃん、国会でモンスターが暴れてるんだって! 何とかしないと!」


「放っておけばいいだろ。総理大臣なんて誰がやっても同じなんだ。依頼がないのに動いたってお金がもらえるわけじゃないんだからな」


「もう、お兄ちゃんったら!」


 その時、電話が鳴った。朝霧が電話に出る。


「モンスター駆除の大間商会であります。……え? 刑事? ……自分は、自分は、何も悪いことはやってないであります! 冤罪であります! ……え? そうじゃない? よかったであります。自分は、警察とゴキブリは大の苦手であります。……ああ、仕事の依頼でありましたか。どんな以来でありますか? ……国会のモンスター討伐の依頼でありますか? 承知したであります。今日は特に予定がないので、すぐにk現場に向かうであります」


 ガチャリと受話器を置く。


「仕事の依頼か?」と僕が尋ねる。


「国会で暴れているモンスターの駆除を依頼してきたであります」


「お兄ちゃん! 今テレビで言ってたやつだよ!」とユキが僕の顔を見る。


「うむ、依頼が入ったとなれば話は別だ。出動しよう。それで、依頼主は誰だ?」


「神代弥生と名乗っていたであります。刑事らしいであります」


「神代……弥生? ……なんだかどこかで聞いたことあるような……? あっ、そうだ! この前銀行強盗を制圧した時にいた美人の女刑事が確かそんな名前だったぞ!」


 僕は名刺入れを見た。そこには神代弥生の名刺が入っていた。


「やっぱりそうだ。あの刑事さんが今回の依頼主ってわけだな」


 僕たちは国会へ向かった。


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