13 体育館の豚
体育館に入って行くと、そこには下着姿の女子高生たちが首に鎖をつけられていた。そして太った醜い豚のモンスターがいて、女子高生たちの首からのビル鎖を握っていた。
「こ、これはどういうことだ!?」
「女子高生たちが豚のモンスターのペットみたいになっているであります!」
「なんだお前は?」と豚のモンスターは言った。
「僕は大間ナイトだ! その子たちは解放しろ!」
「いやだもん。この子たちはおでのコレクションなんだもん」
「なに? コレクションだと? 豚のくせに女子高生をコレクションするなんて、うらやま……いな、けしからんぞ!」
「女の敵であります! 自分がやっつけるであります!」
朝霧が前に進み出た。
「お前、ブスだもん。おでのコレクションは入れてあげないもん」
「あっ、それは自分の幼少期からのコンプレックスであります! 許さないでありまっ……!」
そのとき、朝霧はなにもないところでつまずいて転んだ。そのはずみで、分厚い牛乳瓶の底みたいな眼鏡が外れる。
「ああ! め、眼鏡が……」
眼鏡を外した朝霧は、めちゃくちゃ美人だった。
「朝霧! お前、眼鏡をはずしたらめちゃくちゃ美人だったんだな! 知らなかったぞ!」
「え? そんなことはないであります。自分は、幼少期からみんなにぶすぶすと言われていじめられていたであります」
「それは眼鏡をかけていたからだろ」
朝霧の素顔を見た豚も驚愕する。
「前言撤回だもん! お前は必ずおでのコレクションにするもん!」
「お前なんかのコレクションになんてならないであります!」
手りゅう弾を投げつけると、豚の体は木っ端みじんになって飛び散った。あたりに血と肉片が散乱する。
「開放してくれてありがとうございます!」
下着姿の女子高生たちにお礼を言われた。僕は鼻血が出そうになるのをこらえた。
ふと体育館の入り口からこちらを見ている奴がいることに気づいた。それは緑色の皮膚をしてフランシスコザビエルみたいな頭をしたやつだった。
「あっ、あそこにもモンスターがいるぞ!」
「追いかけるであります!」
フランシスコザビエルは僕に気づかれるとすぐに逃げ出したので、僕たちはそれを追いかけて体育館を出た。