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Chapter1 †The fate begins to move† 空の曲


鐘の音に震える空


修道院へ到着し刀を部屋へ置いてこようとした道中、アシュレイは嫌な気配を感じた。

周りの雰囲気もなにか静かだった。


(静か過ぎる、何かあったのか?)


彼女の心の呟きは誰にも聞かれる事は無く、聞かれる事の無い言葉に返事を求めるのもおかしな事だが何故かそれだけで不安は逆撫でされる。

早く会いに行かなければ、何かあったのか誰かに聞かなければ。

そう思うと同時に足を進める。

今アシュレイの周りには誰も居なかった、ただ一人だった。

今来た道を走って戻る。

このアルマ修道院は門を通って奥の方にシスター達が寝泊りする部屋が連なっている場所がある、彼女は今その場所を目指していたので門に向かうには今歩いてきた道を逆戻りすることになる。

だが他に何かあったとしてもいく当てが無い。

だが入り口付近ならば誰か居るかもしれないと思った。


ゴォォン リンゴオォォォオォン――――


アシュレイの耳に届く鐘の音、まあまあな距離を走ってきたのか周りには数名の人が居た。

彼女達も鐘の音に耳を傾け、驚いた顔をしていた・・・・・・何故ならこんな時間に鐘が鳴る事など何時もは無いのだから。

そしてアシュレイは・・・周りの人間に今起こっている事が何なのか聞く事もせずに走り出していた・・・さっきとは違う方向―――鐘突き塔へと足を向けて・・・。

鳴り響いた鐘の音が頭から離れない、その鐘の音には嫌な予感しか詰まっていなかった。


「アシュレイ?」


鐘突き塔へと走っていると、聞き覚えのある声に呼び止められた。

紫の瞳をこちらに向けている、黒髪の少年―――ノアであった。


《ノア!》


心の中の声・・・。


「やっぱ何かあったのか?」


それに答える一人の少年、彼女の無い声を聞くことの出来る数少ない人間の一人・・・・・・。

眉をひそめその言葉を口にするという事は彼も何かに勘付かんづいて来たのだろう。


《鐘の音が鳴ったの、何かの間違いかもしれないけど嫌な予感がして・・・鐘突き塔へ行こうと・・・ノアはどうしてここに居るの?》

「俺はクローネ牧師を捜してきて帰ってきたら、門が開いていて中の様子がおかしかったから・・・時計の音を頼りに鐘突き塔へ行こうとしてたんだ」


そう言いながらノアは眉間の皺を深くする。


《牧師様は?》

「マザーアーリエスのところに行ったと思うけど・・・まず俺達は鐘突き塔に行ってみよう・・・アシュレイの予感が当たってるかもしれない・・・」


予感が当たっていないでほしいと心の中で思いながらも鐘突き塔へと足を進める・・・。







       空は音を反響する








                         空の反響は協奏曲






             空の残響は奇想曲

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