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遠くなる君の影

「いつも、振り回してごめんな」

そんな寧大の謝罪の言葉は、何度、聞いただろう。

「いい加減にしろよ」

そう言いながら、結局、許してしまう僕。

項垂れる寧大は、子犬の様に、上目遣いで、僕を見上げる。

「俺は・・・ずっと、海になりたかった?」

「え?僕?なんで」

本当の親もいない僕の何処が羨ましいの?

僕には、自由で、やりた事をやっている寧大が、羨ましかったのに。

「才能もあるし、人を惹きつける力もある。ずっと、お前になりたいと思っていた」

「よせよ」

僕の首に腕を回す寧大を払いのける。

「結局、俺の周りの女の子も、みんな、お前に惹きつけられる」

「そんな事ないだろう」

「知っている癖に」

僕は、ハッとした。

「花子・・・」

寧大が呟く。

「知っていたんだろう?」

「あぁ・・・」

寧大は、僕の才能とか言うけど、花子も最初は、寧大の派手な顔に惹かれたのは、事実だ。

僕が、魅力的なんて、否定する。

「本当、ごめんな」

何度、謝るのか。

僕は、行き詰まった寧大の為に、音夢の父親に会う事になっていった。

「澪は・・・」

口に出そうになって、僕は、口を閉じた。

どんな映像が出来ているんだろう。

僕のイメージが掻き立てられた。

旋律が頭に浮かぶ。

優しい色が、何層も重なり、彼女をイメージした歌が生まれる。

それを、載せてやりたい。

今すぐ、届けたいけど。それは、叶わないのかも。

寧大は、巨大な渦だ。

僕を飲み込んでしまう。

彼から、離れないと、穏やかな生活ができそうにない。

「少し、待ってて・・」

僕は、寧大にそう言い、彼から、離れた場所で、閃いた歌を携帯に録音した。

「まだ、完成してないけど、この次、逢った時には、生で披露するから」

そう付け足して、録音した歌を送信した。

この歌は、寧大には、知られたくなかった。

きっと、寧大は、借金の肩に、僕らの歌を持っていってしまうだろう。

寧大に、声を掛けてきた音夢の父親の事だって、どれだけ、信じられるか、わからない。

あの事件の事を考えると、結構、裏社会の顔もありそうだった。

「だから・・・頼むよ」

そう言う寧大と音夢の父親が、待つカフェに向かう事になった。

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