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僕の片割れからの告白

澪がモデルになる?

企画室は、驚きの声で一杯だった。

誰も、考えた事がなかった。

障害を理由に、最初から、候補の一つにも上がらなかった。

澪が、事故に遭う前、何度か、そんな話もあったが、今の社長。が、反対して叶う事がなかった。

誰もが、考えなかった。

既存のモデルを使用し、シルエットのシーイが、歌い出すなんて事しか。

話題作りに夢中で、目の前の素材を生かそうとしなかった。

澪は、際立って、人目を引くタイプではなかった。

澪より、綺麗な女性は、たくさんいるし、花子も綺麗な女性に入ると思う。

澪には、しなやかさがあった。

持っている素材を十分に引き出すしなやかさ。

モデルは、服より目立ってはいけない。

今回のコンセプトも、サロンの良さだ。

肌の美しさ。しなやかな肢体。

それを伝える。

出来上がったモデルより、素に近い女性を使えばいい。

そう思った時に、澪がいた。

深い思いを秘めた瞳が、人の心を掴む。

澪の両目は、闇を見ているのではない。

澪は、たくさんの色彩の中にいる。

そう、感じながら、心の赴くまま、僕の歌詞作りが始まる。

撮影スタッフの動きと、僕の歌詞作り。勿論、音作りが始まる。

「急に、騒がしくなったな」

散々、人を心配させていた寧大が、ひょっこりと顔を出した。

みんな、撮影開始に夢中で、突然、現れた不審者の事は、忘れていた。

「気がついたのか」

寧大は、テーブルに腰掛け、曲作りする僕の背中に顔を寄せた。

「怒っているのか?」

「何を?」

「お前の事、全部、暴露した事」

「全く、なんて事をしてくれたんだよ」

僕は、そう、言いながら、寧大を軽くあしらっていた。

「怒っている?」

「・・・」

僕は、意地悪く黙った。

「海さ・・」

寧大は、人目を気にせず、僕の両肩を抱きしめる。

「俺・・わかったんだ」

「何が?」

いいフレーズが、浮かびそうなのに、邪魔されて、僕は、寧大の手を払った。

「シーイが好きだって」

「僕も、シーイが好きだよ」

僕は、答えた。

「シーイは、僕と寧大が作り上げた人物で、僕とは、全く別。だから、暴露したとしても、シーイの作者が世に出ただけの事」

「いや・・・シーイは、お前、そのものだよ」

「寧大。おかしいぞ。お前らしくない」

「俺さ・・・海。ようやく、わかったんだ」

「何だよ。今。いい所なんだ。閃きそうで、」

「海が、好きなんだ」

「はいはい」

いつもの、冗談だと思っていた。

「本気だぞ」

「はいはい。僕は、今、集中してるの。わかる?集中している時の僕」

「あぁ・・ごめん」

妙な雰囲気だった事に、後で、気が付いた。

寧大は、本当に、僕の事を、好いていた。

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