障害を乗り越える強い夢
突然、現れた僕と澪の居る部署のスタッフ達と、他愛もない計画を話していた。
みんな、ほんの、冗談で語り合った事なんだけど、どれも、実現できそうな気がした。
一番、笑ったのは、僕が、デビューする話だ。
こんな地味な僕が、公共の電波に載る訳には、いかないよと言って、笑った。
気楽にYouTubeで、はしゃいでいるのが、丁度良かった。
寧大と戯れ合いながら。
僕を深く考えてくれた寧大が、いつから、別の夢を見る様になったのか、
僕は、わからない。
澪が、自社のモデルになる話も、実現できそうだった。たあ、安全を配慮すると、しっかりとしたボディガードが必要だった。
「どんなサロンを考えているの?」
僕は、聞いた。
「同じ視覚障害の人達が、働ける場を提供したいと思っているの。
リンパドレナージュをメインにしたサロンにしたいな」
「へぇ・・障害のある人の働く場を提供するんだ」
「私自身、親の力で、何とか、ここまで、来れたから。自分にしか出来ない事って、何だろうって、考えたの」
「澪は、音を見れるんだから、その力を使ってみたら?」
「それじゃ、私だけでしょう?みんなに還元するの」
「なるほど」
僕は、そこまで、考えた事が、なかった。
・・・現在が、楽しい・・・
それだけで、過ごしていた。
現在が、楽しいのか、つまらないのか、それだけだった。
寧大と一緒で、楽しいのか、楽しくないのか。
いつも、ふざけながら、漠然とした日々。
そう、考えていたのは、僕だけだった?隣で、寧大は、何を考えていた?
そう、考えていた時、屋外に人影を見つけ、澪の後輩達が悲鳴をあげていた。
「どうしたの?」
「外に、人影が・・・」
「人影?管理人さんじゃないの?」
「熊じゃない?」
口々に、叫びながら、皆に続いて、外を覗いた瞬間だった。
「え?」
外で、動く人影。
それは、紛れもなく、寧大であり、途中から、通行止めに会い、徒歩で、ここまで、来た、疲れ果てた姿だった。
「寧大?」
「え?」
寧大と聞いて、先日の偽物事件を思い出したのか、澪は、眉を顰めた。
「どうして?ここに?」
返事する間もなく、寧大は、その場に、倒れてしまった。




