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その声は、僕の心を溶かして

何て言ったら、いいんだろう。

寧大は、生唾を飲み込んだ。

まだ、高校生。

未成年者を誘拐したと誤解されたが、音夢は、未成年に見えなかった。

魅力的。

寧大は、思った。

海に嫉妬していた。

才能に溢れていた。

寧大が、手に入らない才能を、持っていて、嫉妬する傍ら、海の事が、自分以上に好きだった。

性別を超えて。

同じ男性で、いながら、海に惹かれていた。

その海と同じ声を持つ、女性が現れたのだ。

少年ぽい声の持ち主は、女性で。瞬く間に、寧大は、惹かれていった。

まだ、未成年と知ったのは、引き返せない状態になってからだった。

「女癖が悪い」

海は、顔を顰めた。

寧大に愛想を尽かした女性達が、惹かれていくのが、海だった。

いや、海に惹かれても、相手にされないので、落としやすい寧大に、なびく。

花子もそんな一人だった。

すっかり、寧大と深い間柄になった音夢は、他の女性達が、そうであったように、海の興味を持っていく。

音夢も、同じだった。

シーイの正体を知りたがった。

寧大と、付き合いながら、シーイの身辺を嗅ぎ回っていった。

「ねぇ・・・あの話は、どうなったの?」

「あの話?」

シーイの声を持つ者で、歌をあげる予定だった。

もちろん、作詞は、寧大が、挑戦する予定だったが、無論、寧大にできる訳がなく、

「歌ってみた!」

で、シーイの歌を真似て、YouTubeにあげるに止まった。

悔しいが、シーイのセンスには、負けてしまう。

「やっぱり、二番なのかな」

音夢は、ため息をついた。

歌手になる夢もあった。近道と聞いて、家での真似をして、出てきたのだ。

「自分で、思うんだけど。確かに、シーイの声の真似は、できる。でも、なんて言うか、違うのは、わかるよ」

音夢は、言う。

「表現力が違うんだ。シーイのモノマネをする人を集めるんじゃなくて、寧大は、寧大で、別の事を探したら」

「お前まで、そう言うの?シーイは、俺とあいつとで、作ったんだから」

「そうかな?こだわるのは、おかしい。寧大にしか、できない事もあるよ」

痛い所をついた。

「シーイの事ばかり、追いかけていて、つまらない。私だって、シーイの影みたいで、嫌になっちゃう。寧大は、シーイが大好きなんだね」

寧大の胸の奥が、ズキッとした。

「あら、顔色まで、変わって・・」

音夢は、笑った。

「珍しい事じゃないよ。寧大。シーイが好きなら、私から言ってあげる。教えて。シーイの連絡先を」

「おいおい・・・男を好きいなる訳ないだろう?俺が好きなのは、若くて可愛い女の子」

「だって、シーイって、限りなく、女性ぽい声してるじゃん。特に高音部」

寧大は、黙った。

「寧大が、私を好きになったのは、シーイの代わりだよね。本当は、シーイの事を・・」

「ばか!やめろ」

寧大は、本気だった。

「じょ・・冗談なのに・・」

本当に、冗談か?寧大は、自分の心が揺れている事に気がついた。

「本当に・・・やめてくれよ」

少し、声のトーンが下がった寧大に、音夢は、やりすぎたと考えた。

「ごめん・・・だって。寧大が悪いんだよ。私を代わりにするから」

寧大は、子どもの様に、音夢の掌に頭を載せた。

「まいったな・・・俺」

海の知らない所で、寧大は、悩んでいた。

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