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記憶を辿るように

好きな声って。


耳障りの良い声?聞いていて、心が落ち着く声。人は、見た目に騙されると言うけど。


見た目に比例するとも言う。あの耳障りのいい声の主は、どんな姿をしているのだろう。自暴自棄になって、この先の未来なんて、どうなってもいいと思う事は、たくさんあるけど、あのサイダーのような爽やかな喉越しの声の主の姿を知りたくなった。


「うん。そう」


偶然、YouTubeで、耳にした男性の声も、知りたい。耳障りがいい。


最近、ようやく熟睡できるようになった。それまで、うなされる事があった。

「待っているから」

そう、彼は言っている?記憶の中で、彼との思い出だけが、一人歩きし、成長していく。

彼は、こんな人だったの?

自問自答する事がある。

「澪」

呼ばれて振り向いた。

彼ではなかったのに。


高岡だった。

「間に合って、良かった。近いと言っても、雨に濡れたら、風邪をひくよ」

この人、嫌い。

直感で、澪は、思っていた。

父親の側近と、人は言う。目が見えない分、他の感覚は、優れている。

ーこの人は、危険な人ー

避けれるなら、避けたい。

「あれ?傘、持っていたんだね」

澪の持つ、傘を見て、高岡は、声を上げた。

「受付の娘が、傘を持たずに出て行ったって言うから」

「あぁ・・・勘違いじゃないですか?大丈夫ですよ」

澪は、やんわりと断った。

邪険にすると面倒臭い。このタイプは、気を付けないと。

「今日、僕もお母様に呼ばれているんですよ。ご一緒しましょう」

高岡は、澪のバックを手にした。

「時々、送りますよ」

本当にいけ好かない奴。



なんて、ばかな事をしたんだ。

僕は、後悔した。良い格好したのが、いけなかった。届けた生菓子は、形が崩れていた。納品し、その場で、確認した。速攻で、謝罪し、親父に連絡した。

「馬鹿野郎!」

当然、怒鳴られた。作り直す時間もなかったから、他の納品する商品を回すことにした。

僕は、上の空だったんだ。


ー親団員募集ー

現在のオーケストラとは、契約が切れる。僕に、更新の依頼はなかった。

ー別のオーケストラ、募集しているから、受けてみたら?ー

それは、地方のオーケストラだった。報酬は、全く、安い。

「それでも、音楽に携わる事ができるよ」

フルートの奏者、花子が言った。彼女と離れ離れになるのは、嫌だったが、音楽に携われるのは、ありがたい。

課題曲で、頭が一杯だった。


「いい加減、音楽は、諦めろ」

親父の一喝だった。家業を手伝え。そう言われての配達で、しくじった。


「気にしなで、ください」

納品先で、お手伝いさんと出てきたのは、着物を着た品の良い女性だった。

「まだ、日にちに余裕がありますから」

急ぐ事は、ないと言うが、親父が引き下がらなかった。

再度、僕は、配達することになっていた。

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