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★アドリブ等はストーリーを捻じ曲げない、


雰囲気を壊さない程度であればOKです


男女の入れ替えはおやめください




谷島虎吉やじまとらきち28歳♂


生活安全少年捜査課所属


ヤンキー上がりの刑事


あだ名はトラ


誰とでもフレンドリーに接することができる性格


犯罪を犯した少年とも仲良く接しすぎて怒られることもしばしば


少年課で一番の検挙率をもっているが、 


問題行動が多い


普段髪をおろしている


おでこの端の方に切り傷のようなものがあり、前髪で隠している


いつも背中にデカイ十字架の赤いパーカーにジーンズ


赤茶色の髪の毛と刑事らしからぬ格好をしている


頭はあまりよくないが情に熱い男




檜垣竜治ひがきりゅうじ25歳♂


生活安全部少年捜査課所属


元々1課にいたが、問題を起こし少年捜査課に配属されたばかり


あだ名はリュウ。


ひねくれているが、頭はいい


普段から黒縁メガネ、スーツの黒髪


真面目を象徴した格好をしている


クールな性格




光山光みつやまひかり16歳♀


生意気で誰にでも反抗的な態度を取る


人前だと無愛想だが兄の前だと感情豊か


兄を慕っている


虎吉に徐々に心を開いて行く




神楽伸弥かぐらのぶや18歳♂♀


中性的な顔をしている少年


光の兄


優しく妹思い


妹のことになると突っ走れるクセが玉にキズ






在原美優紀ありはらみゆき35歳♀


生活安全部少年捜査課課長


女性ながら凛としており、物事をはっきり言うタイプ


職場のせいもあり、


性格も男性っぽい


虎吉の自由奔放ぶりにいつも迷惑をかけられている


他の課の人間からはお荷物専門課長と呼ばれている。




警官A




警官B




父親




M心の声




虎吉、父親;


竜治、警官A;


光;


伸弥;


美優紀、警官B;








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




美優紀「トラ!ちょっと来い!」




虎吉「えっ?…どうしたんすか?


そんなプンプン丸な顔しちゃって!


なんかありました?」




美優紀「誰のせいでこんな顔になってると思ってるんだ?


またやらかしたな…」




虎吉「俺なんかしましたっけ?」




美優紀「1課のヤマに首突っ込んで迷惑かけたらしいじゃないか?」




虎吉「いやぁ…寝坊していそいでるときにマッポ…じゃなくて警官がたくさんいたんすよ!


そしたら手帳見せて聞いたら殺人だって言うから手伝えることをと思って!」




美優紀「それが迷惑だと言ってるんだ!


お前は少年課の人間だ!


こっちの仕事をしてもらわなきゃ困る!


検挙率No.1だと言っても自由行動は謹んでくれ!」




虎吉「あいあいさ!


あっ!タカさん取り調べっすか?


いいっすよ!俺やっときます!


今日は奥さんの誕生日でしょ?」




美優紀「あっ!おい!


…全く…どうにかならないものかな…」




竜治「まぁ…無理でしょうね…」




美優紀「リュウか…


お前の相棒だろ?どうにかできないのか?」




竜治「無理ですね…俺の話を聞いて治るならとっくに治ってますよ…


それにトラと好きでコンビを組んだわけではないので…」




美優紀「まぁ…そう言うな…お互いあだ名でよびあう関係だろ?」




竜治「あの人がしつこいだけですから…


嫌々呼んでるだけですし…


リュウって呼び方だって…


オレは了承した覚えはありませんよ…」




美優紀「いいじゃないか!


呼びやすくて!


まぁ…想像つく姿ではあるな!


トラらしいっちゃトラらしいが…」




竜治M「遡ること1ヶ月前…


俺は1課から異動してきたばかりだった。」




美優紀「トラ!ちょっと来い!」




虎吉「なんすか?」




美優紀「お前の新しい相棒が決まったぞ!」




虎吉「おお!マジっすか?


かれこれ1年ぐらい色々な人の代わりでしたからね!」




美優紀「誰も組みたがらないだけだ。


私が頼んで仕方なく組んでくれてるんだろうな。




虎吉「俺って嫌われてるんすかね?」




美優紀「さぁな?みんなお前の人間性が嫌いなわけじゃない!


行動が嫌いなんだろう。


お前の行動はなにかしらトラブルを起こしやすい…」




虎吉「頑張ってる結果なんすけどねぇ…」




美優紀「わかってるさ。


お前は熱くなるとそれしか見えなくなる性格だからな…」




虎吉「理解してくれるんすね!


美優紀ちゃん♡」




美優紀「私は課長だ…


気持ち悪い呼び方をするな?


事務作業させるぞ?」




虎吉「そ…それは勘弁!


座りっぱなしなんて俺には地獄っすよ!」




美優紀「だろうな…」




虎吉「あれ…ところでその新しい相棒はどこっすか?」




美優紀「時期に来る…」




虎吉「新人が遅刻っすか?


だめっすねぇ!」




美優紀「お前が言うな…


それに急遽決まったことだ…


準備など諸々あるんだ。


察してやれ!」




虎吉「へーい!」




竜治「遅くなりました。


本日付けで1課からこちらの生活安全部少年捜査課に配属になりました!


檜垣竜治と申します!」




美優紀「おう!来たか!


よろしくな!」




虎吉「1課!?今1課って言った!?


すげぇエリートじゃん!


なんで少年課に来たんだよ!」




美優紀「おい谷島!プライベートなことだ!


やめとけ!」(少し怒りながら)




虎吉「えっ!?…わかりました…」




虎吉M「課長にしっかり怒られるのって


なんか珍しいな…」




竜治「………誰ですか?」




美優紀「お前の新しい相棒だ!」




竜治「この人が…不安でしかないですね…」




虎吉「うわぁ!初対面なのにひどいなぁ!」




美優紀「まぁそう言うな!


これでも一応うちの部署の検挙率No.1エースだ!」




虎吉「よろしくな!


相棒!」




竜治M「これが俺とトラの出会いだった。


まだ日は浅いが、今はなんとかやれているはずだ…


自由奔放さだけは迷惑でしかないが…」




美優紀「トラは取り調べ室か…


また余計なことをしなきゃいいが…」





























SE(ノック音)




光「……誰?」




虎吉「お邪魔するねぇ!」




光「ほんとに誰?」




虎吉「見てわからない?


少年課の刑事だよ!」




光「そう思えないから聞いたんだけど?」




虎吉「いやぁ!厳しいこと言うね!


そんじゃ…とりあえず調書確認させてもらうね!


ん〜万引きか!


もうすぐお父さんとかお母さんが迎えとか来るの?」




光「来ないよ。


来るのはお兄ちゃん!」




虎吉「そうなんだ!


お仕事?」




光「違うよ!


もう2人とも離婚してて、お母さんは若い男のところに転がり込んでほとんど帰ってこない!


借金もお父さんが変わりに肩代わりした…」




虎吉「そりゃ大変だなぁ!」




光「別にいい!


お兄ちゃんがいれば!


一応ご飯代とかは置いといてくれるし…」




虎吉「そっかそっか!


でも学校も大変だろ?


だって調書を見る限りお兄ちゃんもまだ18だろ?」




光「学校は行ってない…


お兄ちゃんはバイトしてる…」




虎吉「大変なんだなぁ!


学校は楽しいのに!


まぁ色々事情があるんだろうけどさ…」




光「よく喋るね。」




虎吉「そりゃ喋ったほうが楽しいじゃんか!


こんな薄暗いところに閉じ込められたら気が滅入っちまうよ!」




光「本当に刑事らしくないね。


ドアも閉めないし…」




虎吉「こんな薄暗いのにドアまで締めたらもっと息苦しいからな!」




光「ふ〜ん…」




虎吉「おっと!


話の続きな!


万引きだっけ?」




光「そうだけど…


ってかさっき違う人に同じこと聞かれたし…


その調書って奴に載ってるんじゃないの?」




虎吉「まぁ!そうなんだけどさ!


調書はもちろんみるけどさ…直接聞きたいんだよ!


俺なりに見たいんだ!


その人間がどんな人間なのかを!」




光「ふ〜ん…でもさ…普通万引き程度で刑事が来るイメージないけど…」




虎吉「それは俺が好きでやってるだけだから!」




光「ホント変わり者なんだね…」






虎吉「話すのは嫌い?」




光「別に…


スマホも取られちゃったし…


いい暇つぶしにはなるかな!」




虎吉「そっか!」




光「あのさ…万引きのこと聞かないの?」




虎吉「ん〜…聞かれたいの?」




光「別にそうゆうわけじゃないけど…」




虎吉「はじめてなんだろ?」




光「そうだけど…信じるの?


私が言ったはじめてなんて…」




虎吉「信じるさ!


信じるし…何より俺はここに来て8年立つけど…


君を見たことはないからね!」




光「覚えてるの?」




虎吉「俺見た目通りバカだけどさ!


ここに来た子供のことだけは覚えてるんだ!」




光「すごいね…」




虎吉「それぐらいしかできないからな!」




光「でもすごいよ…」




虎吉「でもあれだな!


お店の人がいい人で許してもらえたからよかった!


もうやっちゃだめだよ?」




光「もう絶対やらない!」




虎吉「よし!いい子だ!」




光「お兄ちゃんにも迷惑かけるし…」




虎吉「そっか!


ん…なんかドタドタうるせえな…」




伸弥「光!」




光「お兄ちゃん!」




伸弥「お前光になにかしたのか!?」(胸ぐらをを掴む)




虎吉「うお!?なんだなんだ!」




伸弥「光は俺の妹だぞ!」




光「違うのお兄ちゃん!


その人刑事だよ!」




伸弥「刑事!?こいつが?」




警官A「待て!なにやってるんだお前!?」




警官B「その手を離しなさい!!」




虎吉「おっと!大丈夫っすよ!


あとはおれがやっとくから!」




警官A「でも谷島刑事の胸ぐらを!?」




虎吉「いいからいいから!」




刑事B「…わかりました。


谷島刑事がそう言うなら…


失礼します!」




虎吉「おうよ!」




伸弥「すいません…あなたが刑事だったなんて…」




光「お兄ちゃんはほんと早とちりなんだから!」




伸弥「ご…ごめん…」




虎吉「あっはっはっは!


別にいいって!


気にすんな!


刑事っぽくないからな俺は!」




伸弥「ありがとうございます!」




虎吉「それにしても…」




光「なに?」




虎吉「お兄ちゃんが来た途端そんなに笑顔溢れちゃって…」




光「そ…それは…その…」




虎吉「照れるなよ!いい兄妹じゃんか!」




光「えっと…」(照れながら)




伸弥「む…む〜ん…」(照れながら)




虎吉「あっはっはっは!


良き良き!


あっ…そういえばお兄ちゃんの名前は?」




伸弥「事情があり、名字は違いますが…神楽伸弥と言います。光の兄です!」




虎吉「なるほどな…話は色々聞いてるよ!」




伸弥「話…ですか?」




虎吉「あぁ!色々大変らしいな!」




伸弥「それは…刑事さんには関係ないことかと…」




虎吉「まぁ…そうなんだけどよ!


そうだ!…ちょっと待っててな!」




伸弥「あっ!はい!


…出てっちゃった…」




光「なんだろう…」




伸弥「それにしても…だめじゃないか!


万引きなんてしたら…母さんが心配するだろ!」




光「別にいい!


心配するとも思えない!」




伸弥「まぁ…電話で聞いたけど…


許してもらえたみたいだし…よかった。


でも…なんでそんなこと言うんだ?」




光「いまだに母さんは他の男のところにいて私なんて見てないから…」




伸弥「またか…離婚した理由も男遊びだった…」




光「変わらないのかな…」




伸弥「どうなんだろうな…」




虎吉「おまたせ!」




伸弥「どうしたんですか?」




虎吉「ほい!これスマホね!」




光「いいの?」




虎吉「いいのいいの!」




光「ありがとう…」




虎吉「あとこれ!俺の連絡先!


SNSでも電話でもいい!連絡くれよ!」




伸弥「えっ!?こんなのもらっても!?」




虎吉「いいから持ってけ!」




伸弥「あ…ありがとうございます。」




虎吉「ほらお前も!」




光「私も!?」




虎吉「もちろん!


なにかあったら俺を頼れ!


どんなことがあっても…この谷島虎吉が必ずお前らのとこに行く!」




光「ありがとう…」




虎吉「あれ…そういえばお前ら飯は?」




伸弥「まだ…ですけど…」




虎吉「まだ夕方だけど飯行くか?」




伸弥「えっ…ご飯ですか?」




虎吉「もちろん!オレのおごりだ!」




伸弥「でも…」




光「行こうよお兄ちゃん!


相手は刑事さんだし問題ないよ!」




虎吉「ほら!光ちゃんもこう言ってるし!


行こうぜ!お兄ちゃん!」




光「行こうよお兄ちゃん!」




伸弥「全く…今日だけだぞ!」




虎吉「よっしゃ決まり!


もう一人誘うから!


先に外で待ってろ!」




伸弥「わかりました。」




光「あとでね!」




虎吉「おう!」

























美優紀「ちょっと遅くないか?


特に問題のない事案のはずだぞ?」




竜治「確かに…


遅いですね…」




美優紀「おっ!兄と妹が出てきたな…」




竜治「トラはどうしたんでしょうか…」




美優紀「また変なことしてなきゃいいが…」




竜治「変なこと…ですか?」




美優紀「多分見てればわかるよ…」




虎吉「いやぁ!おつかれっす!」




美優紀「おぅ…ちょっと長くないか?」




虎吉「ちょっと悩み相談に乗ってたんすよ!」




美優紀「悩み相談ねぇ…」




虎吉「あっ!そういえば今日昼食べてないや!


飯食いがてらパトロールしてきまーす!」(わざとらしく)




美優紀「お前なぁ…」




虎吉「リュウ!


着いてこい!お前も行くぞ!」




竜治「俺もですか!?」




虎吉「当たり前だろ?相棒なんだから!


さっさと来い!」




竜治「課長…」




美優紀「そういえばお前はいつもこの時間、外に出てたから知らないのか…


まあ…いつものことだ。


ついてってあげてくれ!」




竜治「わ…わかりました!」




美優紀「全く…仕方ないやつだ…」































虎吉「よう!おまたせ!」




竜治「この子達は…さっきの…」




虎吉「紹介するぜ!この子が光!」




光「こんにちは。」




虎吉「この子は伸弥!」




伸弥「ど…どうもです…」




光「この人は?」




虎吉「俺の相棒の檜垣竜治だ!」




竜治「ちょっと!どうゆうことですか!?」(小声)




虎吉「いいんだよ!細かいことは気にするな!」




竜治「気にするなって…この子達ははんざっ」




虎吉「おい!」




竜治「えっ…」




虎吉「それ以上言うな…


あの子達の前では絶対に…」(小声)




竜治「わかりました…」(不服そうに)




伸弥「どうしたんですか?急に大声出して…」




虎吉「なんでもないよ!


俺一応先輩だからさ!


説教したらヒートアップしちゃってさ…」




光「なんだかんだ谷島さんも社会人なんですね!」




虎吉「またまた手厳しい一言だな!


まぁ…一応刑事だからな!」




伸弥「谷島さんも見た目に反してちゃんとした刑事ってことでしょ!」




虎吉「なんだとこいつ偉そうに!」




伸弥「いたたたたっ!?なんで俺だけ!」(嬉しそうに)




虎吉「俺が優しいのは女の子だけだ!」




伸弥「そんなのずるいよ!」




光M「お兄ちゃんがこんなに楽しそうにしてるのはどのくらいぶりだろう…


この人がお父さんだったら…私はきっと最高に幸せだったと思う。」























虎吉「よし!お前ら好きなもの頼めよ!」




伸弥「本当になんでもいいの?」




虎吉「もちろんだ!遠慮なんてすんなよ!」




光「やった!ありがとう谷島さん!」




虎吉「おう!


リュウもおごってやるからな!」




竜治「いえ…まだ職務中てすから。」




虎吉「硬いなぁ!刑事は食えるときに食っとくんだよ!


少年課だからって命がかかってないわけじゃないんだ!


いつでも動けるように食っとけ!」




竜治「わかりました。じゃあオムライスを…」




虎吉「ぷっ…オムライスって!案外可愛いんだなお前!」




竜治「い…いいじゃないですか別に…


好きなんですから…」




虎吉「お前らも決まったか?」




伸弥「じゃあ…僕はこれを…」




虎吉「ステーキ?


しかも一番高いやつか!」




伸弥「さすがに…だめですかね?」




虎吉「いや!いいぞ!


男はそんぐらい度胸がないとだめだからな!」




伸弥「僕…ステーキ食べたことないんですよね…」




虎吉「マジか!なら尚更食べないとな!





光「じゃあ私これ!ハンバーグセットといちごパフェ!」




虎吉「いいじゃんいいじゃん!


じゃあ俺は!ビールと…」




竜治「(わざとらしく咳払い)トラ?だめですよ?」




虎吉「冗談だって!冗談!」


えっと…ハンバーグとオムライスと…親子丼と…あとアポカドサラダとチョコパフェ!




竜治「食べ過ぎじゃないですか?」




虎吉「だって腹減ったんだもん!


ぶー!」




竜治「か…かわいくないですよトラ…」




虎吉「俺の渾身の可愛い顔だぞ!」




光「ふふ…」




伸弥M「すごい大人のはずなのに…


この人たちといると…すごい和むんだ…


みんなで食べるご飯ってこんなに楽しいんだ。


それからみんなで食べ始めた。


初めて知った。


みんなでの食事がこんなに美味しくて楽しいことを…


それから1時間。檜垣さんは先に警察署に戻り…


光は横で眠ってしまっていた。」








虎吉「いやぁ!食った食った!」




伸弥「本当に食べきりましたね」




虎吉「そりゃもちろん!残さず食べるのは常識だ!」




伸弥「ですね!」




虎吉「どうだ?うまかったか?」




伸弥「はい!谷島さんのおかげですね!」




虎吉「それ…」




伸弥「えっ?」




虎吉「その呼び方はなんか嫌だな!


虎吉でいいよ!」




伸弥「虎吉さん…ですか?」




虎吉「あぁ!」


伸弥「じゃあ…トラ兄って呼んでいいですか?」



虎吉「おお!いいぞいいぞ!」



伸弥「ありがとうございます!」




虎吉「おう!」




伸弥「じゃあ僕…帰りますね!


ほら!光!帰るよ!」




光「ん…ん〜もう朝?」




伸弥「寝ぼけてるのか?」




光「えっ!?あぁ!ごめんお兄ちゃん!」




伸弥「帰ろう!」




光「うん!」




伸弥「じゃあまたねトラ兄!!ごちそう様でした!」




光「ごちそう様トラちゃん!」




虎吉「と…トラちゃん?」




伸弥「コラッ!失礼だろ?」


光「お兄ちゃんだってトラ兄ってよんでるじゃん!」


伸弥「いや…それはぁ…」




虎吉「アハハッ!


なんでもいいって!」




伸弥「ふふ…じゃあ失礼します!」




虎吉M「二人との食事を終え…仲良く帰る後ろ姿を見届け…俺は仕事へと戻った。」





























光M「トラちゃんと食事をした3日後…


買い物から家に帰ると…そこには…」




光「ただいま。」




父親「おぉ…光か…」




光「えっ?お父さん?どうしたの?」




父親「どうしたはないだろ?


うぃ…あ〜…お前に会いに来たんだろ?」




光「酔ってるの?」




父親「父さんな…リストラに合っちまったんだよ…」




光「リストラ?」




父親「あぁ…ようはクビってことだよ…」




光「だ…大丈夫なの?」




父親「大丈夫なわけ…ないだろ!!!」




光「痛っ!?…痛いよお父さん?


そんな肩を強く掴んだら…」




父親「あぁ…………」




光「お父さん?」




父親「お前…母さんに似てきて…可愛くなったな。」




光「何言ってるの?…お父…さん?」




父親「母さんは…また男と出かけてるのか…」




光「そうだよ…」




父親「ふ…ふざけるな!」




光「キャッ!?」




父親「またあいつは男か!?」




光「やめてお父さん!?


なんで脱がしてるの!?


ねぇお父さん!?」




父親「うるさいうるさいうるさい!!


俺は娘にも普通に会えず!


妻にも浮気され…いまだに男遊び!


ふざけるんじゃねぇ!


対して俺はリストラされ…借金まであるのに…


俺が何をした!真面目に働いてるだけなのに!


俺は…俺は!?」




光「お父さんだめ!


私娘だよ?


正気に戻ってお父さん!」




父親「俺は正気だよ!」




光「いや…いや…いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」































虎吉「お疲れ様でぇす!」




美優紀「お疲れ様!」




虎吉「今日は結構平和でいいっすねぇ!


俺帰っていいっすか?」




美優紀「だめに決まってるだろ?


仕事をなんだと思ってる?」




虎吉「平和でいいことじゃないっすか!


警察いらないっすよ!」




美優紀「警察が言う言葉ではないが…

まぁ一理あるな…」




竜治「ただいま戻りました。」




美優紀「お疲れ様」




竜治「本当になんですかね…」




虎吉「なにかあったのか?」




竜治「最近未成年の犯罪が増えた…

それだけならまだしも…

ドラッグの流通が激しくて…」




美優紀「あぁ…巷で噂になってるデス・プレジャー…死の快楽か…」




虎吉「不吉な名前っすね…」




竜治「1粒飲めば1週間寝なくても活動できる。

そして1週間立ち…切れる寸前になると体が悲鳴をあげ…薬を求める。


それが3ヶ月続くと…皆廃人となる。


運が悪いと死に至る…


なおかつ値段が1粒3000円…


相場から比べたら誰でも簡単に手を出せる代物だそうですね…」




虎吉「そこまでわかってるのに犯人も掴まれられないなんて…


一体誰がそんなものを…」




美優紀「今は少年課も麻取と協力して事件にあたってるが…なかなか難しくてな…」




虎吉「許せねぇな…」




竜治「トラ?」




虎吉「まだ右も左もなにもわからないガキ共に薬渡して…金奪って…絶対許さねぇよ…」




竜治「そうですね。」




虎吉「おっと電話だ!


ちょっと失礼!」




竜治「あんなに怒ってるトラ…


はじめて見たな」




美優紀「あいつも色々あるんだよ…」




竜治「色々…ですか…」























伸弥「もしもし?どうした光!」




光「お兄ちゃん…」(泣きながら)




伸弥「なんで泣いてんだ?


なにがあった!?」




光「お父さんが…お父さんが…」




伸弥「父さんがなんだ!?


家に来たのか?なにがあった?」




光「私を無理やり服を脱がして…」




伸弥「なっ!?」




光「お兄ちゃん…なんでこんな…」




伸弥「殺してやる…」




光「えっ!?だめ!?お兄ちゃん!お兄ちゃん!!


切れてる…


どうしよ…私が言わなきゃ…違う…


お兄ちゃんが人殺しになっちゃう!


どうしよ…どうしよ…どうしよ…


そうだ!あの人に頼るしか!


お願い…お願い出て!


………あっ!………トラちゃん!」




虎吉「もしもし!どうした?


電話かけてくれるなんて嬉しいな!


なんかあった?」




光「トラちゃん…」(泣きながら)




虎吉「お前…泣いてんのか?


なんかあったか?」




光M「私は泣きながらも…


トラちゃんに説明した。」




虎吉「はぁっ!?…光は大丈夫なのか?」




光「大丈夫…でもお兄ちゃんが…」




虎吉「伸弥にも何かあったのか?」




光「殺してやるって言って電話切っちゃって…」




虎吉「……わかった。


どこに行ったかわかるか?」




光「お父さんはなにかあったら必ず行く神社があるの。


私もお兄ちゃんも子供の頃一緒に行ってた神社…


多分そこにいる。」




虎吉「待ってろ…


俺が行って止めてやる。」




光「お兄ちゃん多分勘違いしてることもある!


私脱がされて触られただけだから!


それだけだから!」




虎吉「ふっ…お前は偉いな!


大丈夫だ!お前のバカ兄貴は俺が止めてやる!」




光「お願い!」

























竜治「トラは誰と電話してるんでしょうか…」




美優紀「さあな?」




虎吉「リュウ!行くぞ!」




竜治「行くってどこに…」




虎吉「あいつを正しい道に戻すんだよ!」




竜治「は?何を言ってるんですか?あいつって…」




美優紀「パトロールがてら行ってやれ!」




竜治「わかりました。」

























伸弥「殺してやる…殺してやる…」




虎吉「いた!おい伸弥!」




伸弥「と…トラ兄!?」




虎吉「人が倒れてる…お父さんか?」




伸弥「そうですよ…」




虎吉「まだ手に持ってるカッターナイフ…使ってねえよな?」




伸弥「殴って伸びただけですよ…」




竜治「これはなにが…」




虎吉「見てわからねえのか?


親を殺そうとしてるんだよ…」




竜治「先に行かないで説明ぐらいしてくださいよ…」




虎吉「悪いな…


それよりも今は…伸弥だ…」




伸弥「何しに来たんだよ…」




虎吉「そんなもん決まってる…


止めに来た!」




伸弥「ほっといてくれ…


僕は何があっても…妹に何かをしたやつは許せない…


例えそれが…父親だとしても…」




虎吉「話を聞け伸弥!」




伸弥「うるさい!


僕はこんな駄目な親をずっと見て育った。


浮気性の母親…


借金だらけの父親…


いつか僕が稼いで…妹を楽にするつもりだった!!


なのにこいつは光に…」




虎吉「話は聞いてる!


でもそんなことしちまったら光が一人になっちまう!」




伸弥「くっ…


でも許せないんだ…こいつだけは!」




虎吉「大丈夫なんだよ伸弥!!」




伸弥「なにが大丈夫だ!妹にこんな…えっ!?」




虎吉「ん…どうした?」




伸弥「檜垣さん…なにを…」




虎吉「リュウ?リュウがなにを…


何してんだお前!?」




竜治「何って止めるんですよ」




虎吉「それを降ろせ!?なんで銃なんか持ってんだ!」




竜治「安心してください。

銃なんて刑事でも簡単には手に入りません。


これは改造銃です。


でも…当たり所が悪ければ…死にますが。」




虎吉「そんなもん捨てろ!」




竜治「そこから離れてください伸弥…」




伸弥「檜垣…さん…」




竜治「離れろ!」




伸弥「は…はい。」




虎吉「殺す気かリュウ!」




竜治「そうですよ…


犯罪者は殺すべきだ。」




虎吉「まだ犯罪者じゃねぇ!


殺しちゃいねぇぞ!


お前も殺しちゃだめだ!」




竜治「こうゆう奴は殺さなきゃいけないんです!」




虎吉「待て!」




竜治「それだけ離れれば撃たれる瞬間に刺すことはないでしょう…」




虎吉「だめだリュウ!」




竜治「そこをどいてください!


トラを撃つ気はないんです!」




虎吉「頼む!ここは俺に任せてくれ!


おまえになにがあったかしらねえ!


けど…伸弥みたいなガキの未来を…


俺達大人が摘むわけにはいかねえ!


摘んじゃいけねえんだ!」




竜治「土下座までして…


わかりました。その代わり…俺が持ってた


銃のことは内密に…」




虎吉「あぁ!


俺は嘘はつかねぇ!


お前がそれを使わない限り…俺は何も言わねぇ!」




竜治「はぁ…わかりました。」




虎吉「サンキューな!」




伸弥「もういいですか?


こいつを殺さないと…」




虎吉「絶対だめだ!」




伸弥「ほっといてください!」




虎吉「お前にはまだ未来があるんだ!


やることがあるだろ!


光を守れるのは…お前しかいねぇんだよ!」




伸弥「もう…限界なんです!」




虎吉「まて!?」




伸弥「うぁぁぁぁぁ!!」




虎吉「くそっ!?間に合え!?」




竜治「ちっ…」




虎吉「銃は使うな!?」(走りながら)




竜治「でもっ!?」




虎吉「おれがぜってぇ…止める!?」




伸弥「うぁぁぁぁぁぁ!!」




虎吉「間に合えっ!?」




SE銃声(無しでも可)




伸弥「うわっ!?」




虎吉「銃声!?」




竜治「空砲です!


今ですよ!」




虎吉「あ…あぁ!」




伸弥「邪魔を…するなぁぁぁぁ!!」




虎吉「だめだ伸弥……ぐっ!?」




伸弥「えっ…」




竜治M「前に出ることで間に合ったはずだった。


だが…伸弥は目をつぶった状態で体当たりしてしまったせいで…止まることは叶わず…


トラの腹部にカッターナイフが突き刺さった」




虎吉「ぐふっ…」




伸弥「あっ…

トラ兄?ごめんなさい!?


トラ兄を刺す気は!?」




竜治「お前っ!?」




虎吉「やめろ…」




竜治「トラ!?」




虎吉「約束したろ?俺に任せるって…」




竜治「くっ……


とりあえず救急車を呼びます!」




虎吉「頼んだ…」




伸弥「ごめんなさい!?」




虎吉「へへ…落ち着け…


そんな深くねえから…


大丈夫だ。


一人で頑張れないと思ったら…


誰かを頼れ…


俺や光…リュウだっている。


一人じゃねえぞ…」




伸弥「トラ兄…」




虎吉「あとな…光はそこまで酷いことされてねぇよ…


脱がされて…触られただけだ。


あいつはお前より強いかも知んねぇぞ…


そんなことがあっても…お前を助けてくれって電話してくるぐらいだからな…」




伸弥「そうなんですか?


僕はなんてひどいことを…」




虎吉「お前には未来がある。


挫けたときはいっぱい泣いて…また前を見ろ。


今はそれだけでいい…」




伸弥「でも…僕はトラ兄を…」




虎吉「お前は捕まらねぇよ…


今日は何もなかった。


あったのは…バカな刑事が階段から転げ落ちてそこにカッターナイフがあった。


ただそれだけだ…」




伸弥「そんな嘘信じてもらえるわけ…」




虎吉「大丈夫だ!

俺はなにがなんでも嘘は突き通す…

嘘は嫌いだけど…

俺にどうにかできることなら…

誰かを守る嘘ならいくらでもついてやる!」




伸弥「トラ兄さん…」




竜治「もうすぐ救急車来ますよ!」




虎吉「あんがと…少し寝るわ…


さすがに疲れた…」




竜治「トラ!?しっかりしてくださいトラ!?」




伸弥「トラ兄!?トラ兄さん!!」




竜治M「その後…救急車が到着。


トラは緊急搬送された。


そして、傷が急所を外しており…手術は成功。


無事一命を取り留めたのである。


それから3日後…病室にて…」



























虎吉「いやぁ!一時はどうなるかと思ったぜぇ!」




竜治「手術は成功したのに3日も目を覚まさないんですか…


こっちのほうがびっくりしますよ。」




光「こんにちはトラちゃん!」




伸弥「こんにちは!」




虎吉「おう!2人とも!来てくれたのか!」




伸弥「元はといえば僕のせいですから…」




光「話は聞きました。ありがとうございます!」




虎吉「いいって!気にすんな!」




伸弥「今日はとにかくお礼が言いたくて!」




光「私達…施設に住むことにしたんです。」




伸弥「今回のことをきっかけに…警察と役所に相談して…離れて暮らす方がいいと言うことになりました。


俺が二十歳になるまでですが…


光も学校に行けることになりました。」




虎吉「そうか!まぁ仕方ないか!


でも大丈夫だ!


2人なら頑張れるさ!」




光「うん!遊びに来てね!」




虎吉「もちろんだ!」




伸弥「じゃあ僕達はまだ色々あるので…失礼します。」




虎吉「おう!」




伸弥「檜垣さんも色々ありがとうございます!」




竜治「いや…俺は何もしてない。


今後はあんなことがないように…生きてくれたらいいですから。」




伸弥「はい!では失礼します!」




虎吉「行ったか…


なんか最初に会ったときより明るくなった気がするな…」




竜治「ふっ…ですね。」




虎吉「おっ!お前も笑うといい顔するじゃん!」




竜治「う…うるさいですね…」




虎吉「照れるな照れるな!」




竜治「照れてません…」




美優紀「お疲れ!」




虎吉「おっ!お見舞いっすか?


ありがとうございます!」




美優紀「全く…なんで私がお見舞いなんて来なきゃいけないんだ。

まぁ…お前がいなきゃなんだかんだ少年課は大変なんだ。」




虎吉「心配してくれたんすか!?

嬉しいっすねぇ!」




美優紀「何気にお前とは長いからな…」




虎吉「ツンデレっすか?」




美優紀「元気があっていいな…」




虎吉「それほどでもないっすよ!


痛いし!」




美優紀「はぁ…


それにしても…なんで階段の下にカッターナイフが置いてあるんだ…」




虎吉「散らかってて…ハハッ…


なぁ竜治?」




竜治「まぁ…そうですね…」




美優紀「お前らなにか隠してないか?」




虎吉「なんのことっすか?」




美優紀「リュウ?」




竜治「ノーコメントで…」




美優紀「トラ?」




虎吉「ノーコメントで!」




美優紀「はぁ…仲がいいことで…


まぁいい!


それより話があってきたんだ!」




虎吉「話?」




美優紀「谷島虎吉!檜垣竜治!


今の時間をもって二人は部署を移動することになった!」




竜治「えっ…」




虎吉「はぁ?どうゆうことっすか?」




美優紀「最後まで聞け!


前々から上層部で話がでていたんだが…決まるまで話すことができなかった。


やっと決まったので2人に話しておく。


今…少年犯罪がこの街を中心に増えている。


ドラッグの件しかり増えている少年犯罪しかり…


中には普通じゃ手に負えないようなことも出てくるだろう!


そこで!私がリーダーとなり自由に捜査ができる部署が設立された。


私…有原美優紀、谷島虎吉、檜垣竜治の少数で…


特殊少年捜査課…通称特少だ!」




竜治「俺達…」




虎吉「三人で…」




美優紀「決まってしまったことだ…


断ることは難しいかもしれない…


嫌だと言うなら…無理にとは言わないが…」




虎吉「そんなのやりますよ!


警察ができないような捜査もできるなら…


もしかしたら守れなかったかもしれない子供も守れるんですよね?」




美優紀「かもしれないな…」




虎吉「じゃあやるっす!」




竜治「俺も…異論はないですよ…」




美優紀「じゃあ…上にはそう伝えておく。」




虎吉「よっしゃあ!


俺達三人で!特殊少年捜査課…爆誕だぁ!!!」

























虎吉M「それから1ヶ月後…俺は退院した…


本格的に…しかも前以上に子供を守れるかもしれない喜びが…強かった。


光に手を出した父親は逮捕され、借金の相手は闇金だったこともあり、返す必要性無しとの判断だった。


その闇金も無くなることになった。


だが…出所した際にどうなるかは…多分俺達の知るところではないと思う。


母親は、子供たちと離れられることを喜んでいたようだ。


そして、光と伸弥は施設に引っ越し…今では二人で暮らせる喜びに充実した日々を送っているだろう…


俺はそう思っていた。


俺が退院した3日後に…伸弥が死体となって発見されるまでは…」






竜治「次回…ダブル・アヘンテ〜特殊少年捜査課第二話……疑念。」


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