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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第8章 卒業試験を受ける僕と幼馴染達
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第73話 女神の意思



 とりあえずはまだ


「おい、馬鹿、前に出過ぎだ。ちゃんと僕達に合わせて戦え。お嬢様はもうちょっと自分の身を守る事に専念してください。怪我してますよ!」


 だなんて、人の事を気にする余裕がある。


「うっ、分かった。ヨルンはまだまだ元気だな」

「負けてられないわね。私達も頑張らなくちゃ」

「やる気を出してくれるのは結構ですけど。調子にのらないように。僕は、お前達の、お目付け役でストッパーだからな」

「私達、そんなに猪突猛進じゃないわよ」

「うーん、俺はちょっと否定できないな」


 自覚のない天然お嬢様と自覚がある馬鹿。

 幼いころの付き合いだから、そんなやりとりにまったく遠慮はない。


 こんなやり取りしてるんだから空気を読んで、敵もそろそろ減ってきてくれればいいのにな。


 まったく遠慮しないな。


 まあ、魔物が人語を理解できたら、そっちの方が怖いが。


「馬鹿。それとあとお嬢様。ここから中央突破して、二人だけ逃げるって手もあるぞ。どうだ」


 足手まといがいない状況だったら、もしかしたらこの二人だけは生き残れるかもしれない。

 人生で何度か、魔物に囲まれた経験がある二人は、こんな状況でも致命的な怪我を負ってはいない。


 目の前には数えきれないくらいの魔物の軍勢があったが、ここに残って防衛線を維持し続けるよりは、二人で中央突破したほうが、よっぽど生き残る可能性が高かった。


 けれど、そんな事了承するわけなかったよな。


「馬鹿言わないで、今はまだひよこかもしれないけど、私達の心は騎士や勇者様と同じよ。戦えない人達を守る。そうでなくちゃ何の意味があって剣を学んだの?」

「そうだぜ。俺達が剣を持った理由を忘れたら、意味がないだろ」


 こいつらは、ほんっとーに、根っからの大馬鹿もので、お人よしだった。


 だったら、しょうがない。


 僕はそんな馬鹿達のストッパー役なんだから、あいつらがいるところについていてやるしかないだろ。





 地下道の入り口の前では、伝言をうけとった者がその入り口を閉じていた。

 これ以上市民を避難させることはできない。

 町に魔物がなだれ込んだ時、この入り口から魔物が入ると助かるはずの者達すら助からなくなってしまう。


 だから、そこにいた者達は非情な決断を崩した。


 これから避難するはずだった者達は困惑する、そして目の前で扉をしめられた市民達は、彼らにつめよった。


 そんな中、一人の男性は空を見上げて何かに話しかけていた。


「女神、お前はあいつらを選ぶのか」




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