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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第8章 卒業試験を受ける僕と幼馴染達
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第69話 小悪党な貴族

 


「その顔、学生どもか。お前達、何でこんな場所をうろついている!」

「ラングレイ様、今は脱出の方が先ですぞ。荷物をまとめるのに数日もかかってしまいましたからな。早く町からでなければ」

「しかし、こいつらを放っておいていいのか?」


 こちらを睨みつけてくる者達。

 領主ではなかったが、ライングレイとかいう奴はこの町の貴族だった。

 そういえば町の人たちが、最近見かけないとか言ってたような気がするな。


 姿を見ないって噂されていた理由は、脱出のための荷造りかよ。

 で、自分達だけで、魔物に包囲されたこの町から、地下道を通って逃げ出しようとしてる、とか。


『ヨルン、貴族ってものはね。町の人や村の人たちを守ってあげなくちゃいけないの。とっても強くてとってもお金持ちなんだから、そういう責務があるんだって』


 同じお金持ちなのに、僕が知っているお嬢様とはえらい人間性が違うな。


 まあ、お嬢様の方が変わり者過ぎるけど。


「ふん、平民なんかを守って点数稼ぎ、ご苦労な事だ。正義感を振りかざして我々を捕まえにでもきたのか」


 いや、眼中に無かったし。

 僕達は自分達が逃げる道探してただけだし。

 

 しっかし偉そうな言葉だな。

 たぶんこいつとは未来永劫そりが合わないんだろうな。


 目の前のそいつは、醜い顔で取引を持ちかけてきた。


 さも良い事思いついたと言わんばかりの顔で。

 うわぁ、もう聞く前に決断しとく。


 お断わりします。


「そうだ。お前達もこの道から脱出させてやろう。どうせ滅びる町だ。見捨てても誰も気がつくまい。その後、奇跡の生還者として名乗り上げればいい」


 僕は込み上げてくる嫌悪感にのまれないように、注意しながら口を開いた。


「ふざけるな。お前達はそれでも貴族か、人の上に立つ人間か」


 すると、相手は「なぜだ!」という顔。

 どんだけ自信満々だったんだよ。馬鹿(おさななじみ)以上の馬鹿かよ。


 受けるわけないだろ、そんなもん。



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