第68話 嫌な予感マックス
背後からぐっさりやられないようにと不審者を警戒しながら、地下道で汚水の臭いにやられそうになりながら、秘密の抜け道を探す。
そんな中。
「変な道が一つあるな。これはなんだ?」
明らかに人が通った形跡がある道を見つけた。
足跡がついている。
汚れをよく見ると、最近ついたものに見えた。
誰か使ったな。
隠された資料。古い用紙。
ちょっと考えれば、対象者の想像はある程度ついてしまうのが嫌だ。
マジかよ。
自分だけ逃げてんのかよ。
「町を放棄する時に、誰かが通ったみたいだな」
とりあえず、言葉を濁して、無難なセリフを吐き出す。
誰でもわかりそうな事だけどな、誰かがしゃべらないと無言に押しつぶされる。
嫌な予感にさいなまれつつも、しっかりと仕事はこなす。辺りを念入りに調査。
ほどなくして、秘密の道へつながる入口を見つけた。
この道が外に通じているなら、住民たちを外に逃がせるし、僕達だってこれ以上戦わずにすむ。
「進もう」
息をのむクラスメイト達を促して先へ。
すると、地下道を進んでいくと怪しげな集団と遭遇した。
不審に思ってくださいって言ってるようなもんだぞ、それ。
大きな荷物を持った身なりの良い人間……男性貴族一人と、その従者らしき男性が一人。
キョロキョロしてて、僕達を見つけたらびくっと肩を揺らすというおまけつき。
やられ役の小悪党みたいだな。
しかし、身なりの良い人間かぁ。
うわぁ、最悪に近い可能性踏み抜きやがった。