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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第8章 卒業試験を受ける僕と幼馴染達
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第66話 敵に囲まれながら、なんて無理に決まってるだろ



 そして一日経って、四日目。

 状況が厳しくなってきた。


 さすがに幼馴染共も、手加減だのなんだの言ってられなくなってきたな。


「くそっ、何で騎士達は早くきてくれないんだよ。これじゃ、もたねーぞ!」

「俺達まだ学生だろ。今頃普通に試験終えて、地元に帰ってるはずなのに!」

「こんな命がけの初戦があってたまるか。帰りてぇ」


 なんて叫びながら、自警団の奴等も、クラスメイト達もひいこら言って戦っている。

 別に学生なんだから、こんなところで体張る必要ないのに。

 まあ、白い目で見られるだろうけど、前に出て戦う必要なんてどこにもないのだ。


 なんだかんだでこいつらも、良い奴だよな。


 そんな中、人のフォローをする方が活躍できる(と自認している)僕は、あっちへこっちへ行ったり来たり。


「負傷者を運ぶ! 道を開けてくれ」とか「矢を補充しにきたぞ!」とかやってるよ。


 魔物の群れに突撃するのは、あの幼馴染共に任せておいた。


 だってあいつら、普通は防衛線の内側から攻撃するのに、町の外に出ていって敵に囲まれながら命のやりとりしてるんだぞ。


 マネできるわけないだろ。








 一週間くらい籠城してても、外部から騎士たちがくる気配がない。


 ぶっちゃけ、見捨てられたんじゃね?

 と思う。


 応戦に出た自警団の奴等には負傷者が続出してて、いつ防衛棒が突破されるか分かったものじゃない。


 そうならなかったのは、一般市民達が協力してくれて、かろうじて持ちこたえているからだ。


 兵士達の武器をもってきてくれたり、負傷者の手当てをしてくれたり、ご飯をつくってくれたり、見回りをかってでてくれたり。


 彼らの手伝いがなかったら、ぶっちゃけやばかっただろう。


 僕達なんて、押し寄せてきた魔物に蹂躙されて一瞬でミンチだ。


 それもこれも。


『おねーちゃんたち、いつもありがとう。これお花あげる』

『ありがとう、私達も貴方たちのおかげで助かってるわ。でも、無茶な事はあんまりしないでね』


『おにいちゃん、これたべる? ごはん!』

『おう、ありがとな。えっ、俺にそのご飯くれるのか? 苦手なもん押し付けようとしてないか? だめだぞ、子供はちゃんとなんでも食っておかないと』


 こまめに住民たちとコミュニケーションをとって、彼らの心をケアをしている幼馴染達のおかげだろう。


 まだ学生である僕達。

 そんな僕達が、騎士でもないにもかかわらず身を挺して戦っている。


 そういった事が伝わったから、町の人たちも協力してくれるようになったのだろう。


 絶望的な状況の中でも、あの馬鹿とお嬢様がいるところには、希望があった。


 なんて考えてたら、別の場所で戦っている馬鹿とお嬢様が「へっくしょん。誰か噂してるかな」「風邪? こんな時にひいちゃだめよ。大変なんだから」みたいなやりとりをしていたとか。



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