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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第8章 卒業試験を受ける僕と幼馴染達
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第61話 願掛け



 そんなこんながありながらも、試験の日がやってきた。

 訓練も積んだし、武器の状態もしっかりとチェックした。

 僕はともかく、幼馴染達は学年のトップの成績。


 少なくともあいつらは、余裕で合格できるだろう。

 危なくなったらあいつらの力を借りるか、傍でおこぼれに預かるのも悪くはないはず。


 各自準備を整えた後。


 クラス人数分の馬車を借りて、試験の場所へ向かう。

 二、三日かかるため、ちょっとした旅行だ。


 各町や村を経由して、目的の場所にたどり着くまでにはいろいろあった。


 馬鹿がお嬢様に告ろうとして相手にされていなかったり、お嬢様が試験の不安にのまれそうなクラスメイトを気遣ったり。


 僕は、試験の合格に自信がないので鍛錬に精を出していたな。

 あの幼馴染と違って僕は人間やめてないから、落ちるときは落ちる。

 気合で覚醒なんてこともできないので、運命の日が数日後に迫っている中、のんきに過ごす事ができないのだ。


 途中で立ち寄った町で、願掛けできそうなスポットがあったので、足を向けてみた。


 テストといっても学校行事もかねてるから、ある程度の自由時間が得られるのがいいよな。


 で、そんな僕達が選んだ先は。


「へぇこんな場所があったのか」

「すげー。良いとこだな。俺も結構ここ好きかも」

「私も、素敵な所ね」


 そこは、星が綺麗に見える施設だった。

 その町は夜空からの流れ星が多く見える地域らしいから、観光客が多いのだとか。


 多くの人が訪れるのならハズレはないだろうと思い、足を向けてみたが、思ったより結構いい場所だった。


 辺境だからか空気が澄んでるし、夜の時間になるとみんな消灯するから、星空が綺麗に見える。


 夜空に広がる満点の星々はかなり迫力があったし、見ごたえ抜群だった。


 その地域では、空から落ちてきた星が消えるまで、願い事を言えたら叶う、とかいう話が伝わっているらしかったけど。どう考えても人間には無理な行動だった。


 やつら消えるの早すぎるだろ。


 一緒に来ていた馬鹿は早口言葉に失敗して舌かんでたな。


「付き合えますように、つきあ、いててててっ」

「ちょっと大丈夫? 唇から血が出てるわよ」

「うわ、顔近い。顔近い。願いは叶わなかったけど、これはこれでいいかも」


 おまえらこんな時でも、のろけ出すのかよ。


 気をきかせて二人きりにしてみたものの、仲良く星のお話に興じてるだけで、ぜんぜん進展しやしない。


 馬鹿は寒いなとかいいながら「あっ、手をつないでも良い?」とかきょどりながらやってるけど遠回りすぎだろ。


 お嬢様も「そうね夜だもの。寒いしいいわよ」とか言って、全然意識してないし。



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