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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第8章 卒業試験を受ける僕と幼馴染達
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第59話 引退…できない!



 三年になって生徒会の仕事を終わらせて、引退。

 これで、他の者達に仕事を押しつけられる。

 と思ったんだけど、僕は相変わらず生徒会で仕事に忙殺されていた。


 僕がいなくなったら仕事が回らなくなる、とか言って後輩たちに泣きつかれたからだ。


「ヨルン先輩! やめないでください」

「お願いです、一生のお願いですから」

「無理ですよ。僕達には荷が重すぎます」


 こんな具合に。


 せめてあの馬鹿とお嬢様……いつも騒動を起こす二人が卒業するまでは、この生徒会にいてください、って感じで。


「お前ら、情けなくないのかよ」


 それで、僕と同じくひきとめられているイリンダに同意を求めてみるものの。


「仕方ありませんよ。一般人にあの二人の手綱を引くのは無理です」


 と言われてしまった。


 彼女はもう諦めて仕事にとりかかってしまっている。


 まじかよ。


 それ、卒業するまで働かなくちゃいけないじゃないか。


 でも、本気で泣きつかれたらバッサリ断るわけにもいかない。

 生徒会で一緒に仕事した仲だしな。


「ったく、しょうがないな。必要ないと思ったらすぐやめさせてもらうからな」

「ヨルン先輩!」

「やった、寿命が延びた」

「これでなんとか命をつなぎとめられるぞ」


 だからそう言ったら、生徒会は喜びの渦に。

 そこまでの事かと思うが、彼等にとっては本当に死活問題だったらしい。


 以前僕がいない時に、幼馴染案件をこなした後輩はげっそりしていた。


 だから僕は、その後も生徒会の主(色々とおかしいが)と化しているのだが、またどこかであの幼馴染達がやらかしたようだ。


 後輩の女生徒が申し訳なさそうに、テーブルに書類をでんっとおく。

 あいつら、備品を壊したな。

 この紙の山を見るに、それも一つや二つじゃなさそうだ。


「勘弁してくれよ、もう」


 この学校にいる間、僕に安息の時間が訪れる事はないのかもしれない。



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