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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第7章 恋心に奮闘する幼馴染(馬鹿)
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第58話 さっさと付き合えよ



 そもそもこの僕が、何で人の恋のあれこれに手出ししなくちゃいけないんだ。

 時間の無駄だ。

 あーもう、やめやめ。

 どうせ振り回すだけ振り回して、こいつらくっつくときはあっさりくっつんだろ。


 なんて、そうでも思っていないとやってられない出来事が起きた。


 ある日。イベントに向けて、生徒会室で書類仕事を片付けることになった時の事。


 幼馴染達が手伝いに来たのだが、数分もせずにピンクをまき散らしやがった。


「なあなあ、俺やる気でないから抱き着いて良い?」

「だーめ、ちゃんと仕事にとりくみなさい」


 そこ、乳繰り合うな。

 気が散る。

 存在が邪魔。

 

「えー、ちょっとくらいよくね?」

「だめったら、だめ。そんなわがまま言ってると、口きいてあげないんだから」

「えっ、そんな事いわずに。話しができなくなったら、俺たぶん死んじゃう」


 なんだよこいつら、黙って仕事しろよぉ。

 人の前で無自覚にいちゃつくな。

 つきあってもいないのに、どこからその糖分でてくるんだよ。


 生徒会の仕事を手伝わせるために、幼なじみ(馬鹿)と幼なじみ(お嬢様)を呼んだは良いけど、害しかなかったようだ。


 このままだと負の感情に飲まれて効率が落ちる。


 僕は、まず馬鹿に苦情を入れた。


「おい、まず馬鹿。とりあえずお前外出ろ」

「何で俺だけ!?」

「真面目に仕事してないからだろ、お前が喋り出すと気が散るんだよ!」

「えーっ!」


 だいたいピンクが発生するきっかけはいつも馬鹿なんだよな。


 馬鹿さえ行動を起こさなければ、お嬢様は真面目にやってくれてるんだから。


 人の視界の中で、桃色のオーラまき散らしながら好きな相手にちょっかいかけたり、時々天然な反応を返されて鈍色のオーラ放ちながら落ち込んだりするなよ。


「そこをなんとか。これからはちゃんと頑張るからさ」

「私からもお願いヨルン。ふざけないようにしっかりと見張ってるから」

「しかしですね」

「だ、だめ?」

「……はぁ、おい馬鹿、次はないぞ」


 でも、お嬢様の方が甘いから結局は追い出しきれない。


 で、さすがに注意された後は真面目に仕事しだすんだけど、今度は。


「あっ、ここ間違ってるわよ。作業やりなおし」

「えっ、あっ本当だ。さんきゅーな。うっ」

「どうしたの」

「いや、ちょっと顔近くね、っと思っただけで」

「どうしたの? 顔が赤いわよ。熱あったの?」

「熱はあるかもだけどそれは恋の病てきなアレなわけで。うわわっ、ちょっおでこくっつけて熱測ってくれるとかこれ誰得!? 俺得だった!?」


 真面目に(本人達的には)そして無自覚にいちゃつきだすから困る。


 お前ら、もうさっさと付き合えよ。


 僕は、資料の束を持ってその部屋から。桃色空間ができあがっている中からさっさと退出する事にした。


 別の部屋で作業した方がいい。


 もうこいつら放置しておこう。



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