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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第7章 恋心に奮闘する幼馴染(馬鹿)
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第54話 脅威の鈍感力



 生徒会の業務は、書類仕事もあるが、他にも様々なものがある。

 生徒が使う備品のチェックや、部活動の状況のチェック、落とし物の管理、息抜きイベントの企画、生徒たちがこなす自主勉強会のテキストの作成などなど。


 校舎の見回りもその一環だった。


 生徒会メンバーで順番に日付を決めて、見回っていく。


 当番だった僕は、その日校舎の見回りしていた。


 だが、僕達が普段学んでいる教室に通りかかった時、ふと気が付いた。

 

 目の前では、せまりくるテストに向けて自主勉をしている生徒達がいるが……。

 この景色に何か足りない。


 そうだ馬鹿だ。

 いつも赤点乱獲してくるあいつ。


 あのへんじ、ではなくきちが、ではなくアホ、ではあるな。

 その、アホで馬鹿な幼馴染がいない。


 僕はいつものようにお嬢様の姿を探した。

 下級生のクラスに向かってみると、後輩たちから悩み相談を受けている金髪の女性とを発見。そこにいた貴族令嬢の方の幼馴染に声をかける。


「すみませんお嬢様。こちらに馬鹿が来ませんでしたか?」

「あっ、ヨルン」


 幼い頃から付き合いのある彼女は、頼もしく見える点と、面倒身が良い点があるから多くの人に慕われている。先輩・同級生・後輩。各方面から絶大な人気を誇っているので、自分の教室以外にいるところは珍しくなかった。


 すると、そんなお嬢様につられる馬鹿も、同じように移動してしまうのだ。


 しかし幼馴染(お嬢様)の周囲には大勢の人が集まっているが、あの馬鹿の姿はなかった。


「おい、馬鹿! どこに隠れてる!」


 すると、お嬢様が気まずそうにしながら、視線を動かす。

 不自然になびくカーテンの方へと。


 そこか。


 僕はそのカーテンをひっぺ替えして、裏にいた馬鹿を確保した。


 やっぱいた。


 馬鹿はびくっとした様子で、いいわけをしてくる。


「おわっ! もう来たのかよヨルン!」

「勉強会さぼってどこで油売ってるんだ。おまえいつも赤点とるだろ、さっさと来い」

「えーっ、俺まだこのクラスで話し足りないし遊び足りない!」

「煩い! いいからいくぞ」


 わがままを言う幼馴染の馬鹿。だがそんなもんに聞く耳はもってやらない。聞いたら調子乗るから。


 残念そうにするそいつを、強引に引きずっていく。


 この馬鹿がこっちに来たのは、彼の意中の相手であるお嬢様がいるからなのだが、肝心の当人には伝わっていないようで。


「そんなにこのクラスが気に入ったのね。遊びに来るならちゃんとやる事が終わってからじゃないと駄目でしょ?」


 なんて馬鹿に言い聞かせてる。


 言われた馬鹿は心の中でなき始めた。


 あなた目当てでこのクラスに来てるんですよ、と言いたい驚異的な鈍さだな。



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