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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第6章 無茶ばかりする幼馴染達
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第50話 くじ運がなかったんだろうな



 このまま距離を稼げば逃げ切れるかも?


 しばらく、魔物は追ってこなかった。

 僕達を見失ったのかもしれない、これで、逃げ切れる。

 そう思ったけれど……。


『ギャウギャウ! グルアァっ!』


 逃走中に、他の魔物と遭遇してしまった。

 一体一体は大した脅威にならない雑魚ウルフだ。

 けれど間が悪かった。


 雑魚は雑魚でも一度に数十体もでてきたら、さすがに邪魔。

 足をとめざるをえない。


 そうだよ。魔物の大量発生って聞いてたじゃんか。


 だから、こうならない方が不自然だったんだ。


「くそ、こうしてる間に追いつかれるかもしれないのに」


 けれと、立ちふさがった敵の壁はぶ厚い。

 足を止めずに通り抜けられるほど、甘い壁ではなさそうだった。


 僕達は仕方なく戦う。


 で、その魔物の群れと戦う音が、後方に聞こえてしまったのだろう。


 狼だから、耳も良かったんだ。そっちもつぶしておくべきだった。


「くそ、追いつかれたか!」


 戦闘音を聞きつけた白狼が姿を現した。


 他の魔物もまだ倒してきっていないのに。


 すると幼馴染(お嬢様)が、きっと相手を睨みつけて、前に出た。


「私が相手になるわ。私がこの中で一番弱いの、だから命を捨てるなら、私が一番でしょ? 他の強い人達は逃げなくちゃ駄目。逃げて立派になって、多くの人を助けるって役目があるんだから」


 幼馴染(お嬢様)はお嬢様のくせにそんな馬鹿な事を言ってくる。

 きっと馬鹿の馬鹿がうつったんだろう。

 普段は聡明なのに、馬鹿といるとたまに馬鹿になってしまうから困ったものだ。


 幼馴染(馬鹿)がその横に並んだ。


「逃げるわけないだろ。好きな女の子見捨てて逃げたら、騎士になる前に人間失格になっちゃうぜ」


 おい、何どさくさに紛れて告白してるんだ。

 恰好つける場所違うだろ。

 もっと安全な時にしてくれよ。


 はぁ、もう。いっつもこんなんばっかだ。

 人と出会うくじで、きっと外れを引かされたんだな。


 でも、いつでも縁はきれた。

 この幼馴染達がこんな状況で逃げるような人間だったら、ここまで付き合う事なかっただろうな。


「まったく世話の焼ける幼馴染共だな。死んだらあの世で恨んでやるからな!」


 逃げる奴はいなかった。


 ここで逃げるくらいなら、とっくの昔にこんな面倒な幼馴染の縁を切ってるよ!



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