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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第5章 勇者と戦わされる僕と幼馴染
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第42話 正義と友の天秤



 あの後、生徒たちに囲まれた不審者は、騒ぎを聞きつけて駆け付けた教師の事情聴取を受けた後、大人しく屋敷へ帰ったそうだ。


 けど、そんな立派な人だっていうなら、なんであんな鬱屈した態度なんだよ。


 任務もこなさないで、お嬢様の屋敷にこもってるし。


 だから、生徒会の仕事をこなすついでに、メンバーの女生徒につい根掘り葉掘り聞いてしまった。


「なるほど、嫉妬に狂ってるので恋敵の詮索がしたいと」

「違うから」


 若干横道にそれかけたが、冷静に起動修正。


 あの不審者兼有名人の情報を詳しく聞き出した。


 あいつはやはり、相当な有名人だったらしい。


 勇者の弟子というのも事実で、王宮では知らぬ者はいないという事だ。


 だがある日、任務達成に失敗して、行方不明になったのだとか。


 部隊は全滅。

 同じ任務についた者達は、すべて命を落としたらしい。


 そいつは、正義のために間違った人物を粛清した。

 けれど、その行為が間違いだった。

 任務は続行が困難になって終了。

 その任務から生きて帰った者はいない。


 そんな感じで話が伝わっているらしい。


「たった一回の失敗でいじけるなんて、精神豆腐じゃん」

「さあ、そこに至るまでの詳しい経緯は分かりません」


 なんでそんな奴が勇者の弟子なんかになれたんだか。


 きっと不正でもしたに違いない。それか、コネを使ったとか。


 なんて思ってると、女生徒に睨まれた。


「ただ、一つ分かるのは……、その任務で大切な家族をなくしたという事ですね」

「……」


 今のは失言だったみたいだ。


 彼女もあの不審者のファンだったのか。


 これ以上機嫌を損ねると、今後の仕事に支障が出てきそうなので、素直に謝った。彼女に、だが。


「軽はずみな事を言って、悪かった」

「まあ、いいでしょう。いつも騒動を起こすあの二人に悩まされているもの同士のよしみという事で」

「はは、本当に自重してほしいよな。仕事が増える」


 お嬢様と馬鹿が起こす問題の後処理をこなすうえで、よく力を借りているので、彼女の気持ちはすごく分かった。

 つらいよな。

 終わったと思った瞬間に書類が追加されるのは。


 遠い目になりながら、二人そろってため息をついた。



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