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ブレイブ・スクール 勇者養成学校に通う幼馴染が無茶苦茶すぎる  作者: 仲仁へび
第4章 変な物を拾ってくる幼馴染(お嬢様)
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第36話 ダメだこの子。僕がしっかりしておかないと…



 後日、そんなことを幼馴染(馬鹿)に話したら「えっ、俺も確かめに行かなきゃ」となったが、鬼軍曹先輩に捕まって修行にかかりっきりになってしまったので、当分先だろう。


 これ、僕が頑張るしかないのかよ。


 地味に頼りにしたかったんだけどなぁ。


 あてにしていた戦力が欠けるのはかなり痛い。


「ヨルン! いらっしゃい!」


 それで数日後。お嬢様の屋敷に遊びに行くと、部屋の窓から顔をのぞかせて手を振ってくれた。


 訪問する時間はいつも決まってるから、たまに窓からああやって様子をうかがっている時があるのだ。


 そういう所は、なんか年下の妹になつかれてるみたいで可愛い。


 僕はそれに手を振り返すのだけど。


 何か、後ろにあやしいのがいる。


 そのあやしいのは、お嬢様の首に手を回そうとしていた。


「う、後ろ後ろ!」


 あの例の不審者だ。

 お嬢様の屋敷で世話になっている、あの陰気で、後ろ向きで、ひねくれもので負け犬っぽい奴。


 僕が必死に警告してやってるのに、幼馴染(お嬢様)はかわいらしく小首をかしげるのみだった。


 危機感、仕事しろ!


 で、そうしている間に不審者が、がっとお嬢様の首を掴んだ。


 お嬢様が、絞め殺される!

 絞殺された死体を脳裏に思い浮かべた僕は全力疾走。


 使用人やご両親にいつもしている挨拶もせずに、慌ててお嬢様の部屋に向かった。


 けど、部屋の中に行くと。


「もう、あれくらいで落ちたりしないわよ!」

「……」

「窓からおっこちるなんて、子供じゃないんだから」

「子供だろ」

「子ども扱いしないで!」


 なんてやりとりがあった。


 いや、あれ絶対殺そうとしてた。

 絞め殺そうとしてた。

 この不審者、しらばっくれてるな。


 僕が来たから、慌てて犯行をやめたに違いない。


「ヨルン、どうしたの? そんなに怖い顔して」

「(こいつ絶対後で殺す)……いえ、何でもありません」


 僕は新たに心に誓った。


 どんな方法を使ってもいい。

 このやばい不審者を幼馴染(お嬢様)の屋敷から絶対に追い出してやると。


 結局その努力が実らず、それから何年も居座り続けることになる不審者と、あれこれ騒動が起こるのはまた別の話だ。







 馬鹿の称号・ランク こなれた魔物ハンター。お手伝い屋さん、弱い物いじめ討伐者、お嬢様がピンチだよ「A」

 お嬢様の称号・ランク こなれた魔物ハンター。天然記念物よろず屋 正義の執行者(※ただし優しい)、危機感ヤヴァイ「A」

 僕の称号・ランク かけだし魔物ハンター、お世話大好きマン、実力派みならい商人、大大大苦労症、不審者お掃除係 「B」


 一言コメント「人間関係に注意! 少しの油断から関係にヒビが入るでしょう。一人で悩まない、これ大事! BY女神」






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