第26話 進級可能
とある村
それなりに規模のある町にいって、僕達は両親と共に店を出した。
そこには。
「なんで、俺がこんな手伝いをしなくちゃならねぇんだ」
例の怪しい薬売りを立たせて、だ。
話題性は抜群だからなこいつ。
まずこいつで注目を引く。
「あれ? あの薬売りって捕まったんじゃ? なんでこんなところに?」
よしよし、人の視線が集まってきたな。
そこで。
「あークソッやけくそだ。刑期を短くするためだ。皆さん、俺は改心しました。話を聞いてください」
僕達がか関わった薬売りの事件を脚色して、流す。
一日目は、オハナシ屋さんと化して、ひたすら情報を広める事に徹した。
勝負は二日目だ。
在庫の余り物をアピール。
食べ物を売る時は、幼馴染(お嬢様)の無駄に洗練された剣技を見せながら実演販売。
玩具などを売る時は、精神年齢低そうな幼馴染(馬鹿)にやらせて集客。
手間をかけたかいがあってか、あっという間に八割がさばけていった。
夕方頃、店を閉める事には在庫がほとんどなくなっていた。
両親が手伝ってくれた馬鹿とお嬢様に頭を下げる。
「今日はありがとうね」
「ヨルンもつきあわせてしまってすまないな」
すると、普段いけいけどんどんな幼馴染達が恐縮してる。
「いや、俺達の方こそ、いつも世話になってて」
「大した事じゃないんです。だから気になさらないでください」
なんだか珍しい光景だな。
しかし、商売で三日使ってしまった。
これで進級テストは台無しだな。
僕はともかく、馬鹿とお嬢様の事は申し訳なくなってくる。
自分達の問題だったのに。
けれど、
「ヨルン、女神石が。見てくれ! テスト!」
「私達進級できるわよ!」
女神様は意外と懐が広いようだった。
馬鹿の称号・ランク こなれた魔物ハンター。お手伝い屋さん、弱い物いじめ討伐者 「A」
お嬢様の称号・ランク こなれた魔物ハンター。天然記念物よろず屋 正義の執行者(※ただし優しい)「A」
僕の称号・ランク かけだし魔物ハンター、お世話大好きマン、実力派みならい商人 「B」
一言コメント「友達って大事だよね BY女神」
まだまだ、こいつらの世話は続きそうだな。
……ていうか、女神さま絶対僕達の事、ガン見してるだろ。