第22話 ランクアップ目指して
ともかく、進級のためにはランクアップが必要。
休日を利用して、ランクが上がりそうな行動とはなにか考える事にした。
そんな中、ちょうど良い案件があった。
普段なら面倒事は避けてるけど、今はありがたい。
小さな村で噂になっている出来事があるとか。
何でもその村で、怪しい薬売りの商品が出回っていて、被害者が出ているとか。
その薬を飲むと、一日中幸せな気分になるらしい。
で、飲んだ人間がぼうっとしてしまう。
仕事にならない、他の事が手につかない。
何それ。
たぶんその薬、やばいやつじゃね?
幼馴染達の感想もこの通り。
「やばくね」
「あやしいわね」
だよな。
満場一致のあやしさだった。
いくら能天気な二人でも、さすがに危険察知センサーが働いたか。
良かった。ここで「?」なんて顔されたら僕の未来が真っ暗になるところだった。
もともとだいぶ黒みがかってたけど。
そういうわけだから、善は急げ。
さっそく休みの日に、そのやばい薬売りを捕まえることになった。
「で、どこにいるんだ?」
「ヨルン、そういう人がいそうなところ、心当たりある?」
「間違っても表通りや広場にはいませんよ。そういう奴は目立たない所にいると決まってます」
それで、噂の発生源である村にいき、そこらへんをあるいて、人通りの少ないところや入り組んだ区画なんかを探してみる。
すると、目的の人物がすぐに見つかった。
小さな通りの隅に布を広げて、なんか毒々しい色の液体の入った小瓶を並べていた。
まるでぜひ怪しんでくださいと言わんばかりだ。