何故、わたくしだけが貴方の事を特別視していると思われるのですか?
※この世界の貴族は完全ピラミッド型という事で……
「アデリカ・マディカ!僕はお前との婚約を破棄する!!」
王家主催の夜会で突然大声を発したわたくしの婚約者ディーゼル・ワルス侯爵令息様は、その胸に可愛らしいご令嬢を抱き締めながらわたくしを睨みつけていた。
「ディーゼル様、こんな場所で何を言い出すのですか?」
言外に、己の現状に気付け、と言って上げたのだけど、ディーゼル様は気付きもしませんでした。
わたくしの発言がお気に召さなかったと言わんばかりに眉を釣り上げてわたくしを更に睨んできます。
「アデリカ!話をはぐらかすな!!僕はお前との婚約を破棄すると言っているんだ!返事をしろ!」
ディーゼル様が大声で騒ぐせいで夜会の場は騒然となっています。皆、不安そうな、不快そうな表情をしてこちらを見ていますわ。
わたくしもできる事ならそちら側へ行きたい……なんでこんな晒し者にされなければいけないのか……。
どうにも溜め息を我慢できそうになくて、仕方なく扇を広げて口元を隠しました。
それでもきっと、わたくしの体の動きで周りの皆様には大きな溜め息を吐いてしまった事がバレてしまったでしょう……。
「返事……ですか?わたくしは何を言えばいいのでしょうか?」
「分かりきった事を聞き返すな!!お前とは婚約破棄すると何度言ったら理解するんだ!!」
「それくらい理解しておりますわ。……それで?」
「は?」
「それでわたくしはディーゼル様に何の返事をすれば良いのでしょうか?」
心底分からないといった様に首を傾げて見せれば、ディーゼル様は赤い顔を更に赤くして歯をむき出しにした。
「婚約破棄をすると言ったら"わかりました"や"したくない"など、言う事はたくさんあるだろうが!!僕はお前に言っているんだぞ!!」
「そうですわアデリカ様!ディーゼル様を手放したくないからってそんな風にはぐらかすものではないわ!早く返事をなさって!!」
ディーゼル様の胸にもたれるように抱かれていた令嬢がディーゼル様の後を追うように騒ぎ出す。
それにわたくしは眉を寄せて視線を向けた。
「……そちらの方……、どなたか分かりませんが、わたくしの名前を呼ばないで下さいませ。名前も知らない方に親しげに名を呼ばれるなど、とても不快ですわ……」
「まぁっ!!なんてひどいっ!!ディーゼル様!アデリカ様があんな事をっ!!」
「っ!!アデリカ!!リレイラになんて態度だ!お前が知らない訳がないだろう!?リレイラは学園でお前と同級生だぞ!」
「あら?ではディーゼル様は同級生の方全員と知り合いで、同級生全員から親しげに名前で呼ばれて居られるのですか?」
「っ!?そんな訳がない!!」
「?なら、何故わたくしは同級生全員の名前を覚えていて同級生全員から親しげに名前で呼ばれていると思われたのですか?」
「そんな事は言っていないだろう!!さっきからなんなんだ?!話をはぐらかすなと言っているだろうが!!!」
「はぐらかしてなどおりません。おかしな事を言われているので、聞き返しているだけですわ」
「おかしな事とはなんだ!?それこそお前の方が事実を誤魔化そうとしているだけだろうが!!」
「はて……?
では、その事実とはなんですか?」
ディーゼル様の言っている事が本当に分からなくて聞き返す。
わたくしが聞く姿勢に入ったと気づいたのか、ディーゼル様が一つ咳払いをした。その胸ではリレイラと呼ばれていたご令嬢がわたくしを睨んでいる。
知らない人に睨まれるって嫌な気分ですわ。
「お前は、ここにいるリレイラ・セブメー子爵令嬢が僕と親しくなった事を嫉妬して、学園でリレイラに嫌がらせをしただろう。ネチネチと陰で悪口を言うだけに留まらず、リレイラの物を隠し、遂には突き飛ばしたそうではないか!そんな酷い事をする性根の腐った女が自分の婚約者だなんて虫唾が走る……僕はお前のような者を認めない……っ!だから婚約を破棄してやるのだ!!お前はもう僕の婚約者を名乗るな!!」
どんどん声の大きくなるディーゼル様のせいで遂には夜会の会場の音楽さえも止まってしまったようだ。
シーンと静まり返った会場内にディーゼル様の声が響く。
喋っている途中から気持ち良くなったのか、胸を張って鼻息荒く得意げな表情でわたくしを見てくるディーゼル様の顔は本当に気持ちが悪い。でもそれがリレイラというご令嬢には魅力的に見えるのか、惚けたような顔でディーゼル様を見上げている。
本当にこの人たち、今がどこか忘れてしまったのかしら?
「……何からお答えすればいいのか分かりませんが、わたくしがそこのリレイラ様という方をお見かけしたのは今日が初めてですわ」
「そんな嘘が通るとでも!!」
「今、ディーゼル様がおっしゃったではありませんか」
「なにっ?」
「リレイラ様は子爵家のご令嬢なのでしょう?」
わたくしの言葉に瞬時にリレイラ様は悲痛な表情になった。
「またわたくしの家の地位の低さを嘲笑うのですね?!ひどいですわアデリカ様っ!!」
「アデリカっ、お前こそただの伯爵家の娘ではないか!?1つしか違わない爵位で何故そうも偉そうにひけらかせるんだ!!」
……もう相手にするのも嫌なんですけど……
「……お二人ともどうやらお忘れでしょうけれど、学園では上位貴族のクラスと下位貴族のクラスは分かれているのですよ?」
「「え?」」
……本当にお忘れのようね……
「数の多い男爵家と子爵家の子供は下位貴族のマナーや知識を覚える為に、数の少ない伯爵家以上の家の子供は上位貴族のマナーや知識を覚える為に。
当然ではありませんか?上位貴族と下位貴族では覚える事が違うのですから。
なので、伯爵家の娘であるわたくしが子爵家であるそこのご令嬢と知り合う場面などほとんどございませんの。お食事も、わたくしたちは専用のサロンを使いますから。
ディーゼル様だってそうでありましょう?」
わたくしがそう聞くとディーゼル様はそこで初めて思い出したかのような顔をした。
わたくしが下位貴族の令嬢たちと出会わないように、侯爵令息であるディーゼル様も下位貴族の令息とほとんど接触は無い筈なのです。
それなのに何故わたくしだけが特別だと思うのでしょうか……
「あら?そういえば、ディーゼル様とリレイラ様はどこでお知り合いになられたのですか?」
「っ!!」
「っ……、わ、わたくしが学園の人の居ない場所で泣いていたところをディーゼル様が声をかけてくれたのです!虐められて悲しんでいたわたくしをディーゼル様はそのお優しい心で救ってくれたのです……あ、あれは運命の出会いだったと思います!!」
「あら?ディーゼル様と出会う前から虐められておられたのね?」
「あっ!」
「なら何故その後に"嫉妬したわたくしが虐めた"と思い込んだのかしら?
ディーゼル様と出会う前から虐められていたのでしたら、ディーゼル様に出会った後も同じ人たちが虐めていたんじゃありませんの?」
「そ、そんなの知らないわ!!わたくしは虐められた被害者なの!酷い事をしてくる人たちの顔なんて見た事もないわ!!」
「なら何故わたくしが虐めた事になったんですの?」
「っ……!!」
「そんな事は考えなくても分かるだろう!僕に構ってもらえない事を逆恨みしたお前が、嫉妬心からリレイラを虐めたに決まっている!!!」
「何故決まっているのですか?」
「っ!?当然じゃないか!!お前は僕の婚約者だからだ!!」
「婚約者だから嫉妬したと?
では、ディーゼル様はわたくしが男性と親しくしていたら嫉妬するのですか?」
「はぁ?!する訳がないだろう!!馬鹿にしているのか?!」
「馬鹿にしているのはディーゼル様ではありませんか?
ディーゼル様は嫉妬されないのに、
何故わたくしは嫉妬すると思われるのですか?」
「はぁ?!そんなのお前が……っ」
ここまで来てやっとディーゼル様は自分がおかしな事を言っている事に気付いたようです。
「ディーゼル様はわたくしが他に男性と親しくしていても嫉妬しないのに、
何故わたくしがディーゼル様と他の女性が親しくしていたら嫉妬すると思うのですか?」
わたくしはもう一度同じ事を聞きました。
「〜〜〜っっ!?!」
ディーゼル様は思っている事を言葉に出せないかのように歯を噛み締めているようでした。
「そんなの!アデリカ様がディーゼル様を愛しているからに決まってるじゃないですか!!!」
何も言えなくなってしまったディーゼル様の代わりとでもいうように、その胸元でリレイラ様が声を上げました。
わたくしはそれにまた首を傾げて問いかけます。
「何故"決まっている"のですか?」
「そんなの、アデリカ様がディーゼル様の婚約者だからよ!!」
「わたくしがディーゼル様の婚約者だから嫉妬したのであれば、わたくしが他の男性と親しくしていたらわたくしの婚約者であるディーゼル様は嫉妬しないとおかしいですわよね?
でも、それを否定されたのはディーゼル様本人ですわよ?」
「当然じゃない!?!なんでディーゼル様が嫉妬するのよ!!」
「ディーゼル様は今の段階ではわたくしの婚約者ですわ。
"わたくしが婚約者だから"嫉妬するのであれば、ディーゼル様も"わたくしの婚約者だから"嫉妬しないとおかしいではありませんか?
何故わたくしだけがディーゼル様のお相手に嫉妬しなければなりませんの?」
そこまで言ってやっとわたくしの言いたい事が分かったリレイラ様が、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「貴女っ、ディーゼル様が好きじゃないの!?!」
リレイラ様の言葉が会場内に響き渡る。
そんな静かな会場にわたくしも声が響くように、けれど静かに返事をした。
「ディーゼル様は、お父様がお決めになった "婚約者" ですわ。
それ以外に思う事などございません。
これはディーゼル様も同じでしょう?
何故、わたくしだけがディーゼル様の事を特別に想っているなどと妄想されたのでしょうか?
不思議でしかたありませんわ?」
「っっ!」
ディーゼル様が何故か悔しげに唇を噛んでおられますが意味が分かりません。
わたくしは"わたくしがディーゼル様をお慕いしている"と思われていた事が不愉快で、淑女としてはマナー違反ではありますが、不満気な顔を作ってお二人を見返しましたわ。
「そんなの……そんなのただの強がりに決まっているわ!!ディーゼル様はこんなにも格好良いんだもの!それに侯爵家次期当主様なんですもの!そんなディーゼル様を好きじゃないなんて!そんな事ありえないわ!!
ねぇ!?正直になりなさいよ、アデリカ様!?本当はディーゼル様が好きなんでしょう!?!」
何か必死に騒ぎ出したリレイラ様にわたくしは心底呆れてしまって肩をすくめてしまった。仕方ないわよね?だってこんなのを相手にするなんて疲れない訳がないわ。
「わたくしにとってディーゼル様は親が決めた婚約者であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
むしろ好きか嫌いかで聞かれたら、
"嫌い"だと答えるしかないでしょうねぇ……」
呆れ返りながらそう伝えたわたしに、何故かリレイラ様の方が絶望したような顔になった。
なんなのかしら?
「あ、アデリカは僕が好きじゃないのか……?」
弱々しく聞こえてきた声に目を向けるとディーゼル様は青くなってこちらを見ていた。
「……逆にお聞きしますが、ディーゼル様はわたくしの事を好きだったのですか?」
「っ?!そんな訳ないだろう!!!」
不快げに叫ばれて、眉間に眉が寄ってしまう。静かに喋れないのかしら。
「でしたら、何故わたくしだけがディーゼル様に好意を持っていると思われるのですか?」
この質問何回目?
何故この2人はこうもわたくしを"ディーゼル様に惚れてる女"にしたいのかしら?
「そ、それは……」
「それはディーゼル様が格好良くて次期侯爵当主だからです!!」
「……貴女にとって、次期侯爵当主というのはそんなに魅力的なのかしら?」
「当然じゃないですか!!次期侯爵当主ですよ!その伴侶になれば、次期侯爵夫人です!!!こんなに魅力的な事はありません!!!」
嬉々として発言したリレイラ様の言葉にわたくしは呆れるしかなかった。
さすがにその発言には思う事があったのか、ディーゼル様が訝しげにリレイラ様の顔を見ている。
「婚約者の居る男性と親しくして、その次期当主夫人の座を欲する子爵令嬢、か。
最初は虐められた可哀そうな令嬢の様に見えていたけれど、根はそこまでか弱くなさそうだね」
とても通る声で爽やかにわたくしたちの騒ぎに入ってきた人物にわたくしは頭を下げてカーテシーをした。
「主要な当主や夫人たちが親睦の為に別室へ行っている間に、うち主催の夜会で騒ぎを起こすのは止めてくれないかなぁ、ディーゼル・ワルス侯爵令息」
『氷の微笑み』と例えられるほどに、"笑っているのに笑っていない"と囁かれている笑みで登場したこの国の王太子であるウィリアムズ・メナ・ゼフィルドス第一王子殿下が、この騒ぎの中で一番位が上であるディーゼル様に問いかける。
まさかとは思うけど、王太子殿下の顔を見てやっとここがどこだか思い出したかのような顔をしたディーゼル様が青ざめるというより、血の気が失せたかのような顔をして震えている。
「あ……、いや……これは……」
「婚約の話ならば互いの家の当主を交えた上で、人目のつかない場所で静かに話し合った方がいいと思うけど?
なんたって貴族の婚約は、当主同士が書類を交わしてこその契約、だからね」
王太子殿下の声は穏やかだけど、それはそれは重く心に響き渡る。
わたくしに言われた事じゃないけれど、わたくしも当事者なので無関係ではいられない。
「申し訳ありません、王太子殿下。
せっかくの夜会でこの様な騒ぎを起こしてしまった事、後日改めて父と共に謝罪させていただきます」
頭を下げたわたくしに王太子殿下は「大丈夫」と声をかけてくださった。
「マディカ伯爵令嬢が事を起こした訳では無い事は分かっている。
この騒ぎを起こしたのはワルス侯爵令息なんだから、謝罪うんぬんはワルス侯爵家と話をさせてもらうよ」
「っ!…………も、申し訳ありません……」
王太子殿下の言葉にディーゼル様は弱々しい謝罪をした。
そうそう忘れるところだったわ。
「ディーゼル様。
貴方とわたくしの婚約は、マディカ伯爵家当主とワルス侯爵家当主がお決めになったものです。
それをわたくしに言われても困りますの。
婚約の話であれば、それぞれの家の当主とお話し下さいませ。
わたくしは父であるマディカ伯爵家当主の言葉に従います」
「貴族の令嬢ならば当然だね」
わたくしの言葉に王太子殿下がにこやかに賛同してくださった。
わたくしも同意を示すように王太子殿下に微笑み返す。
視界の端で、何か言いたそうにリレイラ様がわたくしを睨み付けてきていたけれど、わたくしはそれに気付かぬふりで顔を背けた。
でもこの事はキッチリとリレイラ様のご実家に苦情を入れさせていただきますわ。自分の家より上の爵位の令嬢に絡んでおいて何事もなくいられると思われたら今後も舐められてしまいますからね。
王太子殿下の仲裁により、ディーゼル様たちが始めた茶番は幕を閉じた。
その後、別室へ行っていた大人たちが戻ってきて即行でディーゼル様たちは連れて行かれた。
わたくしも戻ってきたお父様に心配されて、当然婚約を解消するという力強い言葉を貰えて安心した。
いくら愛していないからといっても、婚約の段階で愛人を作る男性と結婚したくはありませんもの。
この国では"子供ができない時に限り"愛人を作る事を許されているので(それもちゃんとした契約の元で)、ディーゼル様がしでかした騒ぎは男性から見ても許される事ではありませんわ。
わたくしも夜会どころではありませんのですぐに会場を後にしましたけれど、すれ違う人全てに同情され、はげまされてしまいましたわ。
中には一歩踏み出して来た殿方も……。
ふふ、新しい婚約者様はどんな方になるかしら?
その後、当主同士の話し合いの下、わたくしとディーゼル様の婚約は解消された。
ディーゼル様があんな場所で婚約破棄と騒いでくださったお陰で、わたくしに瑕疵が無い事をみなさんが知ってくださったので、その後の婚約話にも影響がなくて安心しましたわ。
父は今度こそおかしな男は選ばないぞと意気込んでくれています。
「次はわたくしも少し意見を言っても宜しいですか?」
と、父に聞いてみたら快く受け入れてくださいましたわ。
ディーゼル様の事は"父が決めた婚約者"だと割り切ってお付き合いさせていただきましたが、次の御方はわたくしにも『好き』という感情を教えてくれる方にしたいですわね♪
そうそう、ディーゼル様はあの後こってりお父上であるワルス侯爵様からお叱りを受けてしばらくの謹慎。その後、紳士のマナーを覚え直させると言われて侯爵令息であるにも関わらず『執事科』のある学園へ入学させられたそうですわ。
執事科の生徒は下位貴族か平民の男性しか居ないと聞いていますし、全寮制だとか……。むやみに女性と知り合う機会がないので、そこは安心できるところかもしれませんわね。
侯爵令息だからと威張らなければいいのですけれど……ただでさえ一度別の学園へ行っていた"年上"であるのですから……年下の下位貴族たち相手に威張りくさっている殿方なんて存在そのものが『恥』ですもの……。
子爵令嬢のリレイラ様は思ったとおり玉の輿を狙っていたようですわ。
侯爵家の跡取りを籠絡して将来は侯爵夫人として贅沢に暮らし、その前に婚約者であるお高くとまっている上位貴族の令嬢を蹴落として無様に泣く姿を見て笑ってやろうと考えていたようですわ。
婚約破棄をされた令嬢は傷付いて立ち直れないに決まっていると思っていたのに、わたくしがけろっとしているどころかディーゼル様の事を全然気にも止めていなかった事に、ありえないと騒いでいたとか。
夜会での騒ぎの苦情が色んなところから子爵家に届いたようで、責任を取る形でリレイラ様は修道院へ入れられたとか……。
欲深過ぎるのでその方がいいのかもしれませんわね……。
そういえばディーゼル様ですが、『婚約者になったのだから少しくらい相手の事を意識するはずだ』みたいな事を言っていたらしく。わたくしの事をなんとも思っていない風を装っていただけで、わたくしの事を少なからず気にしていたようなのですわ。気持ちが悪いですわよね。
わたくしの事を少しでも気にかけて下さっていたのでしたら、もう少しわたくしに優しくしてくだされば良かったのに。本当に不思議な方でしたわ……。
でももうわたくしには関係の無くなった方。
またいつか、夜会で出会う事があれば今回の事を冷静に話し合ってみたいですわね。
……ディーゼル様が表舞台に戻ってこられれば、の話ですけれど。
※誤字報告ありがとうございます。