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9.双子のモンスター

ありがとうございます。

 そんな私たちは今永遠と4人で低ランクモンスターと戦っている。

 

 事の発端は…

 

 

 

 「今日は何もすることがないから自由」

 という黒の言葉。

 

 何でもいいというのが1番困る。

 世間のお母さんもこんなかんじなのだろうか

 何が食べたいか聞き返答は曖昧なもの。

 よく正気でいられるよ!

 

 主婦の気持ちが分かったところでみんなで何をするか決める。

 

 「そういえば白黒のモンスター見せてよ」

 

 さっき見せてもらうって約束してたな。

 

 「良いですよ」

 「ん」

 

 

 ということでモンスター紹介が始まった。

 

 

 まずは白から。

 

 「まずはパートナーからいきます」

 

 パートナーというのはスタートボーナスで孵化したモンスターの略であるらしい。

 

 「ミニチュアバードのラッキー」

 

 ラッキーはふわりと飛んできて白の頭の上にとまる。

 

 「可愛いわね」

 

 姉はラッキーを気に入っているようだ。

 

 「続いては子鼠の進化系ファイアラットのリッキー」

 

 赤い体毛で火を纏っている子鼠より少し大きな愛らしい鼠が現れた。

 

 「進化することで火が出るんだ」

 「これは特殊進化で稀なパターンです」

 

 どうやら進化する際、極稀に特殊な進化をするらしい。

 

 「じゃあかなり珍しいんだね」

 「うん。私もシロのしか見たことがない」

 

 これはいいものが見られたな。

 

 白のモンスターはこの2体か。

 

 想像以上に可愛いな。

 

 この序盤にこれだけの愛くるしいモンスターを手に入れるとはできるな!

 

 ラッキーとリッキーは白に懐いてるようだ。

 仲がいいのが1番だよ

 

 

 

 

 じゃあ続いては黒だ。

 

 黒はまだ配合のスキルを覚えていないため珍しいモンスターはいないのだという。

 

 

 「じゃあ私もパートナーから」

 

 「来い、ケット・シー」

 

 黒のブレスレットが姿を変え真っ黒な小さな体に緑色に輝く瞳の美しい猫が現れる。

 

 「ニャーオ」

 

 ケット・シーは黒にすり寄る。

 

 「可愛いわ~」

 

 姉はケット・シーの見た目にメロメロだ。

 姉は昔から猫飼いたがってたからね。

 

 「ケット・シーのルナ。魔法が使えて非常に強い」

 

 「猫が魔法を使えるの?」

 「後で見せてあげる」

 

 猫の魔法。楽しみだ!

 

 「鳥もいいと思ったけど猫もいいな」

 

 私にはどんなモンスターが孵化するか楽しみだ。

 

 

 

 「それじゃ次は召喚獣。【サモン・スライム】」

 

 

 地面に魔法陣が描かれその上にスライムが現れた。

 

 「この子はイージス」

 

 「スライム?」

 

 あれ今までスライムなんて見た事あったっけ?

 

 

 「確かスライムは草原のレアモンスターね」

 「ん。運がよかった」

 

 なるほど。見た事がないわけだ。

 

 「で、スライムは何ができるの?」

 

 「盾」

 

 「こうげ…」

 「盾しかできない」

 

 食い気味に言われた。

 

 でもパーティーに盾役がいるといいって朱音が言ってたな。名前もイージスだし。

 

 それにきっとレア枠のモンスターだから何かあるだろう。よく考えたらカイザーもスライムだしね。

 

 

 というわけで白黒によるモンスター紹介が終わった。

 

 2人ともかなりユニークなモンスターが揃ってるね。

 

 かなり戦力になりそうだ。

 

 

 

 まだ全然時間があるな。

 

 

 「あの、皆さんにお願いがあるんですけど」

 

 白が改まった態度でこちらを見て言う。

 

 「私たち今回のイベント用モンスターをゲットしておきたいんです!」

 「いいよー」

 「もちろん私もいいわ」

 「ありがとうございます」

 

 モンスターを入手する方法は聞いていたので長丁場になると予想される。

 時間つぶしにもなるし、少しはポイントもたまってモンスターもゲットできる。まさになんかだね。


 一石二鳥を知らない高校生がいた。

 

 

 「今回のテイマー専用モンスターはダリアウルフです」

 「サモナー専用はキリングホーク」

 

 なるほど。狼と鷹を探し出して倒せばいいんだね。

 

 

 「それじゃあ頑張ろー!」

 

 「「「おー!」」」

 

 

 

 ―――

 

 

 ミニチュアバードのラッキーに偵察をしてもらい鷹と狼を探す。

 

 「ダリアウルフです」

 

 「いくわよ」

 

 私たちは上空に見えるラッキーの元へ進む。

 

 

 「かっこいい...」

 

 薄ピンクの体毛に剥き出しの牙。巨体の狼が佇んでいた。

 

 

 「白、絶対にゲットしよう!」

 

 テイム出来たら後で乗せてもらおうなんてこれっぽっちも思ってないヨ。

 

 

 「いきます。【テイム】」

 

 

 白の手から放たれた光がダリアウルフへと当たる。しかし光は弾かれてしまった。

 

 

 「失敗です。もう1回【テイム】」

 

 もう1度光が放たれダリアウルフに当たる。今度は光が留まり大きくなる。

 

 成功か?

 

 光が分散すると子犬サイズのダリアウルフが出てきた。

 

 

 「テイム成功です~」

 

 白がすぐさま子犬の方へ向かう。

 

 

 あれ?確率がどうとか......。

 

 

 「蒼気持ちはわかる。慣れるしかない」

 

 「今回の一件で何となく理解できた」

 

 黒に白はすぐに終わると聞いていたのだ。

 そんな馬鹿なと疑っていたが2回で決められると信じざるを得ない。

 

 白の豪運に若干引いていると、

 

 

 「見てください~」

 

 子犬を抱いて花のような笑顔を浮かべる白が駆け寄ってきた。

 

 ダリアウルフは白にでろでろに撫でられぐったりしている。

 

 「可愛いね」

 

 ダリアウルフはテイムされる前からそのまま小さくなった見た目に、頭から花を1輪咲かせている。


でも小さくなったせいで乗れそうにない。


ぐすん......。

 

 

 「シロ、犬にダリアが咲いてる」

 

 黒も少し不思議な光景に動揺している。

 

 「可愛いでしょ?」

 

 

 確かにすごくかわいいが怖い花だ。


ダリアの花言葉に裏切りなんてあるしね。


まぁあの忠犬のような姿を見るに杞憂だろう。

 

 

 「あらあら小さくなちゃって」

 

 

 姉は白に抱かれる子犬を隣で眺めている。

 姉が1番に飛びつくと思ったがそうではなかったようだ。

 

 

 「可愛い名前を付けてあげるね」

 

 白はとても嬉しそうだ。

 

 

 結局白はアザミという名前を付けた。

 

 ダリアウルフにあざみとは複雑なものだ。

 

 

 結局それからしばらくアザミと遊んでしまった。

 

 

 さぁ続いて黒の番だが、

 

 「おそらく私は長くなる」

 

 と黒が言うもんだからどうなるんだと思ったが20匹討伐して今だスカだ。

 

 白が早かっただけに少し気が参る。

 

 黒はこれが普通だと気にしてはいないようだ。

 

 ポイントも増えはするがテイマー、サモナー用のモンスターは多めにいる分ポイントが100ptと少なくあまりおいしくない。

 今までので2000ptか。

 

 まぁ黒の秘策があるから焦ってはないんだけど...。

 

 「次行こ」

 

 体力も消耗してきたため、あと10匹という制限を作って次に向かう。

 

 

 「見つけたよクロ!」

 

 アザミを抱いた白がラッキーからの報告を受け黒に伝える。

 

 和むなぁ。

 

 アザミを抱く白に和んでると、

 

 「早く行こ」

 

 黒に引っ張られる。

 

 

 珍しい年相応の黒を見られてなんだか得した気分だ。

 

 「あらあら」

 

 姉も同じだったようだ。

 

 

 白に案内された場所に行くともう見慣れたキリングホークがいる。と思ったのだが

 

 「あれ?」

 

 見慣れたキリングホークと違う。

 

 私たちが見てきたのは真っ黒な見た目の鷹だったのだが...

 

 なんと全身が真っ白な鷹がいた。

 

 「色が違うね」

 

 「すごく低確率で色違いが出るみたいよ」

 

 「初めて見ました!」

 

 私も初めて見る。

 私たちが驚いていると

 

 「ん~」

 

 黒が少し微妙な顔をしている。

 

 「どうしたの?黒」

 

 「私は黒い方が好き」

 

 黒は黒だけに黒いキリングバードがよかったみたいだ。

 

 なんだか嫌な予感はするけど、まだゲットできるか分からないしね。

 

 

 私たちは一応手慣れたキリングホークとの戦闘を始める。

 

 

 「落ちた」

 

 嫌な予想が見事的中し色違いのキリングホークの契約石を手に入れた。

 

 

 腑に落ちないような顔をしている黒だが、一応ホッとしているようだ。

 

 

 「何はともあれ召喚してみましょう」

 

 姉の言葉にクロが頷く。

 

 「【サモン・キリングホーク】」

 

 召喚陣の上に小さくなったキリングホークが現れる。

 

 ただし全身は真っ白だが。

 

 黒は渋い顔をしたが

 

 「背に腹は代えられないか...」

 

 などと言っていた。

 

 「可愛い~」

 

 相変わらずの白は嬉しそうにキリングホークを撫でている。

 

 キリングホークは若干迷惑そうな表情をしていたが...。

 

 尊い犠牲だった。

 

 

 「それじゃあ用事も済んだし拠点に戻りましょう」

 

 かなり時間はかかったが文句なしの収穫だろう。

 

 私たちは大満足で拠点に戻っていった。

 

 

 

 「疲れた~」

 

 私は拠点に戻るや否や寝転がる。

 

 ほとんどの戦闘に参加したのだ。

 これくらい許してほしい。

 

 「よく頑張ったわね蒼」

 

 これ見よがしにと姉が膝枕をし頭を撫でてくる。

 

 あ~寝ちゃいそう。

 

 「蒼さんありがとうございました」

 「蒼ありがと」

 

 「いいよー」

 

 双子にお礼を言われ照れてしまった私は何とかごまかす。

 

 姉にはばれていたようでさらに撫でられる。

 

 

 とりあえず休憩だ!と私たちは各々自由な時間を過ごした。

 

 

 辺りが暗くなり夜になった。

 

 一応夜もモンスターは出現するが危険も増えるためここで今日は終わりにすることになった。

 

 最後にみんなで今日のランキングだけ確認する。

 

 

 「私たちは156位か。」

 

 良いか悪いかもわからない順位だ。

 

 

 「想像以上」

 

 どうやら黒からするとこの順位はかなり良いそうだ。

 

 ランキング上位にいるのは攻略組の中でも名が売れたプレイヤー達だそうだ。

 

 「あれ?」

 

 なんとランキング3位に朱音が入っている。

 

 黒が言うにはどうやらチーム内に有名なプレイヤーがいたそうだ。

 

 もっと驚いたのは朱音を黒が知っていたことだ。

 

 なんと朱音はAWOの中でも有名なプレイヤーらしい。

 

 

 「すごい人と友達になっちゃったんだな」

 

 「蒼には驚かされてばかり」

 

 黒はそう言うが私の方が双子に驚かされてばかりだよ!

 

 

 とりあえず今日はもういい時間なので解散することになった。

 

 「じゃあみんなまた明日も頑張ろう!」

 

 「ええ」

 「はい」

 「ん」

 

 みんなの返事を聞いてログアウトした。

 

 かなり濃い1日だったな。

 

 私は今日1日の出来事を思い出す。

 

 チームから追い出されたり

 双子に出会ったり

 熊と戦ったり

 マイスィートハニー名月が壊されたり

 桃花さんが従妹の姉だったり

 双子のモンスターを見せてもらったり

 白が一匹目でテイムを成功させたり

 黒に至っては色違いを出したりと本当に濃い1日だった。

 

 そういえば私の相棒も予定通りなら明日孵化だな。

 イベント中だからどういう扱いになるかは分からないけど。

 

 それよりも明日からは本格的なイベント戦だ。

 

 黒の秘策は非常に楽しみだ。

 

 

 楽しみなことが多いな。

 

 

 「とりあえずお腹すいたしご飯の準備しなきゃ!」

 

 いったんAWOのことを忘れ食事の支度にとりかかった私であった。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

意外といいペースで投稿できています。

登校頻度はバラバラですが読んで頂けると幸いです。

今日も今日で大変でした。

今日も少し続きを書いていたのですが、

まさか自分で書いた話で癒されるとは思いもしませんでした。

人生何があるかわかりませんね!

その話も後日投稿しますのでお楽しみに。

それではまた明日。

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