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2.早すぎた埋〇

一部編集しました。

 土曜日の朝私はAWOのフィールドに出ていた。前回の戦闘があまりにも余裕だったからだ。

 

 もう少し強い敵と戦うべく足を延ばしていた。

 

 草原を抜けると大きい山に辿り着いた。

 

 「草原の敵は相手にならないし、私より強い相手がいればいいんだけど...」

 

 そんなことを言っていると奥の方から1体の鹿が現れる。体長2メートルくらいか。

 

 「山鹿か。そのまんまだね」

 

 山鹿はものすごい速さでこちらに向かってくる。

 

 「いざ勝負!」

 

 私も正面から立ち向かった。

 

 山鹿の突進をいなし力いっぱい木刀で斬りつける。

 

 「あれ?」

 

 

 草原に出現するモンスターはどれも一撃で仕留めることができたが、山鹿は倒れない。

 

 「おぉー耐えたね」

 

 怯んだ山鹿にそのまま木刀を振り下ろした。

 

 

 「確かに草原に比べて強くはなったけどなー」

 

 あれから1時間程探した結果

 

 山鹿 山猪 ミニベアーと戦闘できた。

 

 

 草原に比べたらかなり強くはなっているがまだまだ足りないよ。

 

 

 どんどん奥へ入っていく。

 

 まだ見ぬ強敵を求めて...

 

 

 

 「なんだこれは…!?」

 

 私は未知の生物と対峙していた。

 

 

 

 ミニベアーを倒して少しして遠くから轟音が鳴り響いた。

 

 私は何かが起きていると思い、音のなる方へ急いだ。

 

 

 目の前で巨大な何かがミニベアーを捕食している。

 

 

 「皇帝スライム【カイザー】Lv??」

 

 10メートルほどの銀色の巨体で捕食と言ったが実際は取り込むような形だ。

 

 

 すると不意にカイザーが私の方に突進してくる。

 

 「うおっ」

 

 既の所でカイザーを躱し距離をとる。

 

 

 顔がなく正面が分からないので攻撃がしにくい。

 

 再びカイザーの突進が来る。

 

 1度見たため少し慣れたのでカイザーの攻撃に合わせカウンターを食らわせた。

 

 

 見事に決まったと思いきやカイザーのHPは1ミリも削れていなかった。

 

 「はぁ!?」

 

 

 嘘だと思い何度かカウンターでの攻撃を食らわせるがカイザーのHPは減ることはなかった。

 

 

 「もう無理帰ろう」

 

 

 そう思い振り返って走り出した

 

 

 顔面に何かがぶつかる。衝撃に耐えきれず後ろに転んだ。

 

 「いててて」

 

 

 透明の壁にぶつかったようだ。

 

 カイザーから逃れる術はないということか。

 

 どうしようと考えながらカイザーの攻撃を躱し続けた。

 

 

 1時間ほど経過しただろうか。

 状況に変化はない。

 

 「ねぇー今無駄な時間過ごしてるよ!私も君も。いったんここから出してくれないかな?時間は大事に使わなくちゃね」

 

 そう言うがカイザーは関係なく攻撃してくる。

 

 「もーどうすればいいの~!」

 

 特に変化が起きるわけでもなく時間だけが経過していく…

 

 

 「ん?」

 

 誰かからチャットが来たようだ。

 

 「助かった。朱音か翠に状況を説明して助けてもらおう!」

 

 

 チャットを見ると宛先は運営からだった

 

 

 『第1回イベント開催ついに決定!』

 

 「は?」

 

 私は期待を裏切られイラっとした気持ちを落ち着け続きを読む。

 

 今回のイベントはチーム対抗のモンスター討伐勝負で、ポイント数が高いチームの勝利らしい。参加者をランダムでチーム分けしてそのチームで競い合うのか。意外と楽しそうなイベントだ

 

 私はもちろん参加ボタンを押した。

 

 だが今はカイザーの対処をしなければ。

 

 「どうしよ~」

 

 

 こちらからフレンドにチャットを送れば済むということをこの時の私は全く思いつかなかった。

 

 

 さらに時間は経過していく…

 

 

 するとコールが鳴る。

 コールはフレンドか許可した人と通話することができる。

 

 見てみると翠からだった。

 

 カイザーから全力で距離をとりコールに出た。

 

 「蒼君今大丈夫~」

 「どしたの?」

 「蒼君今山にいるの~?」

 「なんでわかったの?」

 「フレンドになったらそのフレンドがどこにいるか大体わかるんだよ~」

 

 そんなこと全然知らなかった。まあ朱音と翠なら問題ないけど。これからはフレンドになるとき気を付けないと。

 

 「蒼君なんかすごい音してるけど大丈夫~?」

 「全然大丈夫じゃない!なんかカイザーとかいうモンスターに襲われて逃げられなくなっちゃた」

 「蒼君それたぶんボス壁だよ~」

 

 

 翠が言うにはAWOではボスとの戦闘に1度はいるとでられなくなる通称ボス壁なるものが存在するらしい。

 

 「ここから出たいんだけどどうすればいいかな?」

 「ボスを倒すか、死に戻るしかないね~」

 

 そうか死んだら自分が設定した街に戻れるんだっけ。なんでこんな簡単なことに気付けないんだ私は!

 

 「ありがとう翠!私死ぬね」

 「蒼君でもボスを倒せないの~?」

 「そうなんだよ。実はね……ってことなんだよ!」

 

 私はカイザーの持ちうるすべての情報を翠に話した。

 

 「なるほど物理攻撃の利かないボスか~、かなりの強敵だね~」

 「とりあえずそろそろ死に戻るね」

 「気を付けてね~っておかしいか。あっ切れた」

 

 コールを切る際、翠が何か言いかけていたが聞かずに切ってしまった。

 

 

 とりあえず今はカイザーと向き合う。

 

 「ごめんねカイザーどうやら私が素直に死んでればこんなことにならなかったみたい。それを全部カイザーのせいにしてごめんね」

 

 するとカイザーが攻撃してくる。それを紙一重で躱す。

 

 「人が話してるときはちゃんと聞いてよ!そもそもカイザーも悪いんだよ。私の攻撃は全く通さないし、私に攻撃は当てないし」

 

 2時間程でたまったストレスを吐き出した。

 

 「もういいや。また来るねカイザー次は倒すから」

 

 そう言ってカイザーの攻撃を自ら食らい死に戻ることができた。。

 

 

 街に戻ってくると翠がいてその後ろに見覚えのない女の子がいた。

 

 

 「蒼君おつかれ~」

 「おつかれ」

 「さっきの情報友達に教えてあげてもいいかな~?」

 「いいよ」

 「良いってよ~」

 

 すると後ろの女の子がガッツポーズをして近づいてくる。

 

 「ありがとう!私橙ゆず。情報屋をやってるんだ」

 「情報屋?」

 「そう。私もβ版からプレイしてるんだけどその時情報を広めてると意外に受けてさ。今でも続けてるんだ」

 「なるほどそれでカイザーの情報が欲しかったんだね」

 「β版でも聞いたことのないモンスターだからね」

 「喜んでもらえてよかったよ。私は剣士の蒼。よろしく」

 「よろしく。そうだお礼と言っちゃあなんだけど知りたいことがあれば教えてあげるよ」

 

 ありがたい機会だ聞いておきたいことがとりあえず2つあった。

 

 スタートボーナスでもらった卵の事。剣を買える場所のことを橙に聞いた。

 

 まず卵は専用の孵化器に入れて1週間経過すれば卵がかえるらしい。孵化器が購入できる店も聞いておいた。

 剣に関しては2つあって1つはNPCの店で剣を買うこと。もう1つは鍛冶師に依頼し剣を打ってもらうことだ。これはVRMMORPGでは馴染んだシステムだそうだ。

 

 橙のおすすめは断然鍛冶師の方らしい。私は橙に鍛冶師を数人紹介してもらい後日行くことにした。

 

 最後に橙とフレンド登録をして2人と別れた。

 

 カイザーとの戦闘で疲れていたのでとりあえず孵化器を購入し卵をセットしてログアウトした。

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