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12.最高のパートナーでした。

ありがとうございます。

 再び私たちは孵化器を囲んでいる。

 

 本日2度目となる孵化だ。

 

 みんなもパートナーを出して待機中だ。

 

 

 「可愛いモンスターでもいいし、かっこいいモンスターでもいいなー」

 

 どんなモンスターが生まれてくるんだろう。

 

 

 「蒼にはアホなモンスターが生まれる」

 

 「クロ~!」

 

 ひどい言われように白が庇ってくれた。

 

 「白~」

 

 ラッキーを抱いている白を抱きしめる。

 

 なんか最近くっつき虫になってる気がするな。

 

 みんなが可愛いのが悪いんだよね。

 

 「離れて!」

 

 黒に後ろから引き剥がされそうになってると卵が光り出す。

 

 

 「きたよー!」

 

 

 

 卵の光が収まりモンスターが出て来なかった。

 

 

 

 場の空気が静まり返る。

 

 

 「なんでぇ~」

 

 

 私が騒いでるとやけにみんながこっちを見てくる。

 

 「蒼、頭」

 

 黒が頭を指さす。

 

 そういえばなんか頭が重いな。

 

 悪いじゃないよ。重いだから!

 

 

 頭の上にいるものを掴み目の前に持ってくる。

 

 私の手には小さい竜がいた。

 

 

 水色の体に背中から2つの柔らかそうな羽を生やした愛くるしい見た目の竜だ。

 

 「ん?」

 

 何か違和感を覚えたが、よくわからなかったのでスルーする。

 

 

 

 

 「そういえば君は卵から生まれてきたの?」

 

 一応確認する。

 

 「キュ~!」

 

 なんて言ってるか分からないけど多分そうだろう。

 

 

 「可愛いです~」

 「すごい。竜は初めて見た」

 

 双子も見た事がないそうだ。

 

 

 「るり、あの子はあなたの妹よ」

 「あたちのいもうと?」

 

 姉がまた変なこと教えてる。

 

 るりは私の方へ飛んできて聞いてきた。

 

 「このこ、あたちのいもうと?」

 

 ん~なんだかそれでいい気がするな。

 

 可愛い子2人に何の問題があるか?

 

 

 「そうだよ。るりはお姉ちゃんだよ」

 

 「あたちおねえたん~~~」

 

 るりは嬉しそうに竜の周りを飛んでいる。

 

 「キュイ?」

 

 竜は何が起きてるかわかっていないようだ。

 

 

 「そういえばこの子どんなモンスターなんだろう?」

 

 それを知らないと名前が付けづらい。

 

 すぐに姉が教えてくれる。

 

 「その子は蒼竜の赤ちゃんで女の子みたいよ」

 

 蒼竜(幼)のメスか。

 

 

 確かにすぐ様るりに妹って言ってたな。

 

 

 まぁ見た目通りの名前だった。

 

 それに私の名前も入ってる。

 

 さらに愛着が湧く。

 

 

 

 あれこれ考えたがしっくりくる名前が浮かばない。

 

 

 「ソラちゃんは?」

 

 「え?」

 

 

 姉が続ける。

 

 

 「青空のような色をしてるからソラってのはどう?」

 

 

 「良い...凄く良いよ!」

 

 今までの姉のネーミングセンスとは思えない。

 

 姉が飼っていた犬の名前は殺戮兵器弐号の通称リクだったからね?

 

 

 

 でも青空のソラ、とってもかわいいよ。

 

 

 「君の名前はソラだよ」

 

 私は竜に名前を教える。

 

 ソラが羽をパタパタして暴れている。

 

 

 気に入らなかったのかな?

 

 とりあえず抱きかかえると落ち着いて私の顔を舐めだした。

 

 

 「まだ飛べないの?」

 

 「キュイ?」

 

 よくわからない。

 

 まあそのうち飛ぶだろう。

 

 まぁ基本的にソラには戦闘をさせるつもりはないからね。

 

 飛べなくても何ら問題はない。

 

 

 そうだ、私の専属マネージャーだ!

 

 

 ソラに応援されながら戦う自分を想像してにやける。

 

 

 るりが私の肩に乗ってソラを見ている。

 

 

 そういえばソラにはるりを紹介してなかったな。

 

 

 「ソラ、お姉ちゃんのるりだよ」

 

 ソラにるりを紹介する。

 

 「そら、あたちがおねえたんのるりなの!」

 

 るりも自己紹介をする。

 

 「キュキュキューイ」

 

 ソラもるりに何か言っている。

 

 ソラも自己紹介をしてるんだろうか?

 

 「おねえたん。そらおなまえもらえてよろこんでるの!」

 

 「本当に?」

 

 るりはソラがなんて言ってるかがわかるのか?

 

 「嬉しいって言ってるの」

 

 「良かったよ~」

 

 「キュー」

 

 モンスターの通訳ができるるりには感謝しかない。

 

 

 すると後ろから姉も入ってくる。

 

 

 「ソラちゃん、私はあなたのご主人様のお姉ちゃんの桃花よ!」

 

 「キュイ?」

 

 「あなたの名付け親でもあるわ」

 

 そうか。じゃあ私はるりの名付け親か!

 

 「私はるりの母親だったんだ」

 

 「おかあたん?」

 

 姉が呆れている。

 

 

 「蒼...名付け親の意味解ってる?」

 

 

 よーしどんどん紹介していくぞ。

 

 そういえばラッキーやルナにはるりも紹介しないと。

 

 ずっと見続けてくる姉も一緒に傍で見ていた双子を紹介する。

 

 

 驚いたのは黒がソラを抱っこして一瞬凄い笑顔になってた。

 

 心のシャッター切らせて頂きました。

 

 

 それから白はどうやらるりに頼んでラッキーと会話に挑戦してみるそうだ。

 

 姉も楽しそうに見ている。

 

 

 

 それじゃあ今の間にソラと黒と遊ぼうか。

 

 

 「可愛いね~」

 

 

 とりあえず黒に抱かれたソラの頭を撫でてみる。

 

 「ふわぁ」

 

 あれ、さっきも思った不思議な感覚。

 

 竜の体って綿毛のように柔らかいっけ?

 

 

 「ねぇ黒、竜ってこんなにふわふわしてるものなの?」

 

 「実際に見たことないからわからない。でも私はこれが好き」

 

 黒はもうソラに夢中だな。

 

 「わかるよ。天国はここにあったんだよ」

 

 「うん」

 

 

 2人でふわふわなソラを触り多幸感に浸っていると、

 

 

 「来たの~」

 

 るりもやって来た。

 

 

 姉の方を見たらどうやら白と話してるみたいだ。

 

 それじゃあもう少し遊んでようか。

 

 

 「るり、ソラを撫でてごらん」

 

 こう?とるりがソラを撫でる。

 

 体が小さいんだから大丈夫って言っても割れ物を扱うように優しく撫でていた。優しい妹思いのお姉ちゃんだ。

 

 「絵になるなぁ」

 

 「私もずっと見ていたい」

 

 

 天使が天使を撫でる光景を目に刻み込む。

 

 

 スクリーンショット機能や録画機能もあるが、当然蒼は知らない。

 

 黒は機能自体は知っているがこの目の前の光景は保存なんてできない。この一瞬に意味があるんだと目に焼き付けていた。

 

 私たちは満足するまで天使たちを眺めていた。

 

 

 そういえば今回は気絶してないな。

 

 るりのおかげでだいぶ慣れたかも

 

 などと思っていた時期が私にもありました。

 

 

 「よちよちなの~」

 

 るりがソラの頭を撫でていいてソラが小さいあんよでるりを抱きしめている。

 

 

 

 「もう、ゴールしてもいい…よね?」

 

 私は不意打ちを食らいノックダウンした。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

書き溜めを大量放出しました。

楽しんで頂けると幸いです。


今回もどんなモンスターにするか悩みました。

やはり私には可愛いモンスターを生み出す力は与えられなかったようです。

次の話は珍しく少し真面目な話になります。

なるべく早く完成させて投稿します。

それではまた。



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