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第4話 廃病院のお宝

とりあえず誰にも見られる心配をしなくてよくなった私は、よみがえった病院を再び探索することにした。玄関から待合室を見ると、どこもかしこも白いしっくいと木の板で、清潔感がある。散らばっていた木の椅子も整然と並び、同じ部屋とはにわかに信じられなかった。診察室も、異世界らしくシックな装いを見せている。拘束具付きのベッドのかもし出す、どこか陰惨な雰囲気は相変わらずだったけれど……。

2階の院長室には、よく探すと大量のゴールドが隠されていた。どのくらいの量かというと、ゲームでどでかい金塊とかダイヤとかを見慣れている私が、思わず目をむくくらい。お医者さんって儲かるんだね。施薬室は鍵が開いていて、中には棚がずらりと並び、その中に瓶や紙束がぎっしりと入っていた。紙束の一つを手に取ってみると、「微毒薬」とか「回復薬」とか「火の薬」などと書かれていて、材料には「マムシの皮膚」だの「サラマンダーの胃袋」だの、これぞゲーム! と言わんばかりの単語が連なっている。棚に入っている瓶には、それらの材料が入っているのだろう。これがあれば、すぐにでも薬師が始められそうだ。


でもなぁ……。

私には、薬師ほど向いていない職業は、恐らくない。

というのも、私、料理音痴なんだよね。牛乳を沸騰させろって言われても、どういう状態が沸騰なのかよくわからなくて、ぶくって小さい気泡が浮かんできた瞬間に火を止めておいしいホットミルクにしちゃったりとか、逆に煮詰めすぎて吹きこぼれたりとか。料理と名の付くものは、フルーチェくらいしか成功したためしがない。

というわけで、薬師はすっぱりあきらめる。


え?じゃあ、何をやるのかって?

実は、この廃病院を見ていて思いついた職業がもう一つある。

その名も、整体師!

ナニ、ゲームの世界まで来てマッサージなんて、聞いたことないって?

ゲーム内の疲労をあなどるなかれ。ポーションでいくらHPや魔力を回復しようが、ステータスを強化しようが、数字に出ない疲労っていうのは消えないんだ。私自身、ゲームをやってきて、痛いほど感じたことだ。ゲームって、何気に体も頭も両方使うから、割とフル稼働状態の時が多いんだよ。疲れない方がおかしいさ。


というわけで、この廃病院に整体院を開くことにした。ちょうどよくベッドもあるしね。あとは、街で看板を買って、白衣でも作ってもらって、掲示板に小っちゃくお知らせを貼っておきますか。元手がたんまりあるから、当面は心配いらないね。

でもその前に……。

さっき狂医師さんと戦ったら、また戦いの虫がうずいてきちゃった。

さて、今度は「コユキ」じゃなく「最強格闘少女」として、ひと暴れしてこようかね。

本末転倒?いやいや、本職はちゃんと整体師だよ!

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